ルリの選んだガラス玉のアクセサリーをまた鑑定屋に持って行きました。さっきとは別の鑑定屋です。
「ガラクタばかりだね。これはうちでは買い取れないなぁ」
「そんなはずはない!もっとちゃんと見てくれよ?エルフの涙とか言う宝石じゃないか」
「本物のエルフの涙だったら…何千万、いや何億もくだらないよ?バカな事を言っちゃいけない、お客さん!」
「何億だって?あの鑑定屋の奴、安く買い叩こうとしてやがったんだな!」
「このガラス玉は一個五十ジェニーで買い取ろうか?」
「五百ジェニーで買ったのに売れるか!」
ガラクタの指輪はルリに返してやりましたが、エルフの涙は返しませんでした。
「前にイノンドに買ってもらった指輪はどうして気に入ってたんだ?」
「あれはなんかすごい魔力を感じたから、他の指輪と全然、違うよー」
「と言うことは価値のある宝石なら、ルリは見分けられるって事か?」
「あの宝石は魔力をコントロールできるっぽかったよ」
「魔力をコントロールできるだって?どう言う事だ!」
「うーんとね、頭の悪いジンでもわかるように説明すると、魔力の消費を抑えられるようになるから、例えばボクが回復魔法使った時に、イノンドさんの怪我が治ってるのに、オーバーして回復した分の魔力は消費されなくなるんだ」
「なるほど、わかりやすく説明してくれて助かったよ?他にも何か効果はあるのか」
「あとは魔力が高過ぎる人が付けると、標準的な魔力まで抑えてくれると思う。無駄に魔力を使いすぎないようにできるエコロジーな指輪なんだよ」
「と言う事は俺が付けると魔剣の威力が抑えられるのか?」
「多分、できると思うけどー?」
「なんでそれを早く言わなかったんだ?このダメ妖精め!」
「ダメ妖精とは何だ!せっかく教えてやったのに」
…つづく
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昔、知り合いが某少年漫画に持ち込みして、編集の人にこき下ろされまくった作者の原作の小説。復刻版の第38話です。