ジンとイノンドは薪割りのアルバイトを始めました。イノンドは体力があるので休まずに大量に割っています。ジンは途中でサボっていました。
「歩合給じゃなくて固定給なんだから、頑張るだけ無駄だぞ?」
「ジンジャー殿はどうぞ休んでいてください」
「お前、仕事は出来るのに頑張り過ぎて損するタイプだな」
「ハハハ!ジンジャー殿は世渡り上手な気がしますよ」
「俺は如何に手を抜いて、ラクして儲けるかを考える方が好きだなぁ」
「コツコツ努力すれば報われると学びましたので」
「努力しても評価されないなら、頑張らない方が勝ちだって事に、早く気付いた方が良いと思うぞ?」
「見ていてくれる人は見ていてくれる…と言うのが私の母上の教えでした」
「そっか、まあ別にお前がそうしたいって言うなら俺は止めないよ?」
その日暮らしで一日限定アルバイトを探して、商店街に行くと食べ物を買って帰り、野宿を繰り返しています。
「ああ、風呂に入りたい…。こんな臭う体では女子に嫌われちまう!」
「ジンジャー殿はヒゲも毎朝剃っておられますね」
「無精ヒゲなんか生やしてたらモテなくなるだろが!」
「逃亡中の身としてはモテる事など気にしていられません」
「俺もなんだか虚しくなってきた…。ああ、妖精じゃなくて人間のルリが一緒にいたら楽しかったのに…」
「なんでだよ!ボクが妖精だとお前は気に入らないのか?」
「気にいらねぇ事だらけだよ?」
「私はルリ殿がいてくれるだけで心が癒されていますよ?」
「えへへ!イノンドさん、大好き!」
…つづく
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昔、知り合いが某少年漫画に持ち込みして、編集の人にこき下ろされまくった作者の原作の小説。復刻版の第36話です。