No.980017

左利きの魔剣士24

リュートさん

昔、知り合いが某少年漫画に持ち込みして、編集の人にこき下ろされまくった作者の原作の小説。復刻版の第24話です。

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2019-01-09 22:49:25 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:178   閲覧ユーザー数:178

ジンとルリとイノンドがチャービルの街を跡にすると、セルフィーユ王国へ向かう街道の途中で、追っ手が馬に乗ってやって来ました。

 

「なんで俺まで追いかけられなきゃならないんだ…。宿屋でふかふかのベッドで寝る予定だったのに」

 

「私のせいで申し訳ない…」

 

「おじさんは全然悪くないよー」

 

「そうだ!全部ルリが悪い」

 

「ボクも悪くないもん!あの商人のおじさんが悪いんじゃん?」

 

「そうだ、そうだ!勝手に俺の所有物を売り飛ばそうとしやがって…」

 

「だから!誰がお前の所有物だって言うの?」

 

ジンとルリのどつき漫才がまた始まりました。

 

「ハハハ!ジンジャー殿と妖精殿は仲がよろしいですなぁ」

 

「仲良くなんかない!」

 

同じセリフを二人同時に声を揃えて叫びます。

 

「とか言ってる場合じゃなかった…。敵さんが追いついて来たぞ!どうする?」

 

「私の蒔いた種ですから、私が刈り取ります」

 

イノンドは剣を構えて街道の真ん中に仁王立ちしました。ところが馬からローブを着た追っ手は魔法を放ってきたのです。

 

「くっ!魔法を使われては、剣では勝てない」

 

「卑怯者!馬から降りろよ?攻撃が馬に当たっちまうだろが…」

 

ジンも剣を左手で持ったままで攻撃出来ずにいましたが、馬はつぶらな瞳でこちらを見ています。

 

「馬さんに攻撃が当たると可哀想だよー」

 

「とりあえずあっちの小道に逃げ込もうぜ?」

 

ジンの提案で街道脇の小道に入ると、追っ手は馬から降りて追いかけて来ました。人一人通るのがやっとの狭い岩壁が両面に迫る小道です。

 

「ヤバい…。袋小路になってた」

 

「ふむ、行き止まりのようですな…」

 

「敵さんがすぐ後ろまで来てるぞ?」

 

…つづく


 
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