盗賊団のアジトが近くにある事など、すっかり忘れて楽しく過ごしていました。
「うーむ、紅い兄弟の奴らはどこにいるんだ?全く姿も見えないが…」
「盗賊団に出くわすとまずいから、もう帰りましょう?なんだか怖いわ…」
「安心しろって?俺がルリを守ってやるよ!」
「あんただから不安なんじゃない…」
「ルリは俺の実力がわかってないんだよ」
ルリが止めるのも聞かず、ジンはどんどん森の奥深くへ進んで行きます。ルリは一抹の不安が募っていました。
「ねぇ、もう帰ろうよ?ジン…」
「ここまで来て引き返せるかよ?絶対に盗賊団のアジトを見つけて、賞金ゲットしてやる!」
「賞金なんかより命の方が大事でしょ?」
その時でした。突然、茂みから厳つい顔の男たちが現れて、ルリは人質に取られてしまいました。
「女の声がすると思ったら…。飛びっきりの上玉じゃないか?」
「兄貴!独り占めは良くないぜー?」
「助けて!ジン」
「出たな!盗賊団め?」
ジンは腰の鞘から剣を引き抜いて構えました。
「坊や?これはガキの遊びじゃないんだ。そのおもちゃを仕舞いな!」
「こいつはおもちゃじゃなくて本物の剣だぜ?十八で受けられる刀剣所持免許は取得済みだからな!」
次の瞬間、ジンの背後から現れた盗賊の一人に右腕を斬り落とされてしまいました。ジンは激痛に悶絶して左手で右腕の切り口を抑えて、絶叫しながらのたうち回っています。
「ぐわーーーっ!!いってぇ…。卑怯だぞ?お前ら!」
「卑怯もクソもあるか?オレたちゃ盗賊だぜ?ガキのチャンバラごっこに付き合ってられっかよ」
ジンが痛みで動けずに倒れていると、盗賊のリーダーらしき男がルリの服を剥ぎ取りました。
「へへへ…。久しぶりの女だな!たっぷり可愛がってやるぜ?」
「嫌ーーーッ!!やめて!触らないで…」
…つづく
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昔、知り合いが某少年漫画に持ち込みして、編集の人にこき下ろされまくった作者の原作の小説。復刻版の第3話です。