アークを抱えて閉鎖されたアカデミーの屋上にミカエルは降り立ちました。
「これからあなたを封印します。最後に何か言い残す事はありますか?ルシフェル」
「ミカエル…。あと一度だけ…僕にチャンスを…くれないか…?今度こそ…上手くやるから…頼む…!」
「あなたには何度もチャンスをあげたのに、一度も上手くやれた事がないではありませんか?上の者を説得するのも大変なんですよ…」
「今度は…ゲイザーの部下にして欲しい…。ゲイザーの下で…働きながら…奴を研究する…」
「勇者ゲイザーを生き還らせてこの世界をやり直すと言う事ですか?」
「奴が…生きていたら…どんな…世界になるのか…見てみたいんだ…」
「それは私も少し興味がありますね」
「もしかしたら…今度こそ…幸せになれる…気がするんだ…」
「わかりました。あなたの鍵を使っても良いですか?」
「どうせ…僕を封印する為に…使うつもりだったのだろう…?勝手に…するが良いさ…」
「以前、あなたの鍵を勝手に使ったと怒らせてしまったので、許可を得てから使おうと思っただけですよ」
「最初から…そのつもりで…性転換魔法を…研究していたのだろう…?」
「ふふ、こうなるとわかっていてその魔法を習得したわけではありませんよ?」
「お前は…一体、どこまで…計算して…動いているんだ…?お前の思考が…全く読めない…」
「あまり喋らない方が良いですよ?これから儀式を始めます。儀式が終わるまでは死なないでくださいね」
「それは…ちょっと…無理な…相談だな…。急所は…僅かに…外してあるようだが…死なないように…わざと…外したのか…?」
「私はあなたのように急所を突くのが上手くはないだけです。苦しかったらごめんなさい…」
「ううっ…最悪だ…。こんな状況で…鍵を使われるなんて…」
左胸に炎の魔剣が突き刺さったままの姿で、息も絶え絶えのアークにミカエルが馬乗りになりました。
おしまい
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本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー最終話です。