ナタを病院に連れて行った後、アークはフラウのところへ飛びました。ゲイザー邸のフラウの寝室の窓をコンコンと叩きます。フラウはすぐに窓を開けました。ジョルジュが裏庭で吠えています。
「アーク、夜這いに来てくれたの?」
「冗談を言ってる場合じゃない!ナタが…校舎の屋上から飛び降りたんだ!僕には理由がわからない」
「えっ…ナターシャちゃんが?どうして…!」
「とにかく病院に行ってくれ。住所はここに書いておいた」
アークはフラウに病院への地図を書いたメモを手渡しました。フラウはそれを受け取るとコートを着てすぐに出掛けました。アークはアラヴェスタに舞い戻り、サニーの部屋のベランダの窓もコンコンと叩きます。サニーは驚いて窓をすぐ開けました。
「アーク様!会いに来てくれたなんて…嬉しいですー」
「ナタが自殺を図った。なぜなのか理由がわからないんだ。知ってる事があったら教えて欲しい」
「さぁ?私にはわかりません…」
「知らないはずがないだろう?君はナタの親友じゃなかったのか?悩みくらいは聞いてたんだろう?」
「知らないものは知らないです。勝手に飛び降りちゃって、私もビックリしてたんですよー」
「なぜ飛び降りたと知ってるんだ?僕は自殺を図った…としか言っていない!」
「それは…その…なんとなく…そうかな?って」
「嘘をつくな!お前のオーラがどす黒くなっている…。ナタが飛び降りたのを知っていて、病院にも連れて行こうとせず家に帰ったんだな?正直に答えろ!」
アークはサニーの体を強く掴みました。サニーは焦っています。
「私は何もしてない!ナタちゃんが勝手に飛び降りたのに、なんで私が責められるの?」
「お前は見ていたのに助けなかったからだ!」
「勝手に自殺とかされて、私が悪者にされて、アーク様に嫌われて、私の方が可哀想です!」
「お前はどこまで腐った性根をしているんだ?吐き気がする…」
アークはサニーの首を締め上げて殺してしまいました。サニーの死体をベッドに投げ捨てると病院に戻ります。フラウがナタの看病をしているところでした。
「フラウ様は穢れのないオーラをしている…」
「もしナターシャちゃんが死んでしまったら…私、ゲイザー様に叱られてしまいます!」
…つづく
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本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第122話。