休日にまたサニーが泊まりに来ました。アークが出迎えると声が低く変わっているので驚いています。
「いらっしゃい」
「アーク様、声が…。最近寒いですから風邪でもひかれたんですか?」
「いや、どうも声変わりしてしまったようなんだ」
「声変わりするなんて…。アーク様って十年前から、ちっとも変わらないから年齢不詳って言われてるんです」
「天使は百年に一度しか歳を取らないんだよ」
「髪や目の色も変わってしまわれたし、まるで別人ですね」
「そうかな?僕はこの髪の色が結構、気に入ってるんだけど…」
「私も今の方が好きです!なんだか落ち着いた大人の雰囲気で素敵だと思います!」
「そうか、アンケート調査では前の方が良かったと答えたファンの方が多かったんだけどね」
「ファンの子たちは凶悪犯罪者に似てるから嫌だって言ってました…」
「ああ、ゲイザーの事だね」
「連続殺人強盗婦女暴行の罪で処刑されたって噂が流れてたから、ナタちゃんは全部嘘だって言ってたけど…」
「僕が知る限り、ゲイザーの罪は殺人一回のみだね。しかもそれは正当防衛だった」
「全然悪くない人が処刑される事ってあるんですか?」
「たくさんあったよ?僕が知ってるだけでも、何百人も冤罪で処刑されてるな。僕の知らないものも含めたら何千人、いや何万人処刑されているのだろうね」
「そんなに?怖いです」
「ゲイザーの死後はフォン様が国王に即位されたから、罪なき者が処刑される事はなくなったけどね」
「本当にフォン様が国王に変わってから、税金も安くなったって、うちのお母さんも喜んでます」
…つづく
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本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第115話。