リズはあたふたとしていて、いつもの威勢の良さがなくなっています。
「今日はお休みだから、化粧をしてなくて…」
「すっぴんの方が良いですよ?私には心眼がありますので、化粧は無意味なので…」
「とりあえず上がってください。むさ苦しいところですけど…」
「ありがとうございます。お邪魔します」
サルバドールがアークの方をじーっと見ています。
「サルバドール君だったね」
「お兄さん、誰なの?」
「僕の名前かい?ルシファーと言うんだ。よろしくね」
「ルシファー。あなたそんな名前だったのね」
「まだ言っていませんでしたっけ?」
「ええ。あなたの事、何も知らなくて…」
「アークと言う芸名で歌手もしていましたが、本名はルシファーです」
「歌手のアークの事は知ってたわ。あなたは有名人だから」
「では、あなたの為に一曲歌います。聴いてください」
アークはこの世のものとは思えないキャンディーボイスで唄いました。
「とっても素敵だったわ…。ありがとう、ルシファー」
「カレーが冷めないうちに食べてくださいね」
「ええ、これからいただくわ。サルもこっちへ来なさい?」
キッチンにお皿を三枚並べて三人分盛り付けます。
「プロのシェフみたいな味ね!」
「うげぇ…まずーい!」
サルバドールはカレーを吐き出してしまいました。
…つづく
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本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第54話。