アークが口を割らないので、ギルバートはゲイザーの両親のいる辺境の地の田舎村にやって来ました。ゲオルグ邸を訪ねます。ロレインがドアを開けました。
「私はアラヴェスタ王国騎士団長のギルバートと言う者だ。ゲオルグ殿は居られるかな?ご婦人」
「あの人は今出かけていて、いつ帰ってくるのかわかりません」
「ならばご婦人にご同行願おうか?」
「どうして私がついて行かなければならないのですか?こう見えても私は忙しいのですよ…。専業主婦にもやる事は山ほどあるのです」
「あなたの息子は現在指名手配犯です。息子の罪は親であるあなたの罪でもあるでしょう?」
「あの子がそんな事をするわけがありません。何かの間違いじゃありませんか?虫も殺せないような良い子なんです」
「あなたがそう思っているだけですよ?奴は殺人・強盗・強姦の罪でアラヴェスタで指名手配にされている。この辺境の地にはまだ指名手配書は配布していなかったのですがね」
「いいえ、あの子が人を殺すなんて…。盗みを働くわけもありませんし、フェミニストなので女性に対しては特に優しい子なんです。強姦なんて、あり得ません!」
「話し合いは無駄のようだ。お前たち、この女を捕らえろ!縛り上げて構わん」
ギルバートの命令でロレインは無理やり縛られてアラヴェスタに連れて行かれました。そしてオズワルド邸に行くとギルバートはアークにこう言います。
「アークよ、ゲイザーに伝言を届けろ。お前の母親を預かっている…とな」
「私はゲイザーに伝言を届けるだけで良いのですか?」
「ああ、どうせお前は拷問しても何も吐かないからな?ゲイザーと同じ目をしている…」
「オズワルド様の思うツボになるくらいなら死を選びます」
「ゲイザーみたいな奴を拷問するには惚れてる女か母親を拷問するのが一番良いのだが、お前には女はいなさそうだから、その手は通用しない」
「そんな事をされたら、私でもすぐに吐いてしまいますね…。あなたはなんて恐ろしい人だ」
「ククク、ゲイザーの奴は母親を捕らえられたと知れば一人でやってくる。そこを捕らえる」
「わかりました。獣人の国へ行って参ります」
「余計な事は喋るなよ?ただゲイザーの母親を捕らえたと言う事だけ伝えろ。良いな!」
…つづく
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本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第6話。