時間を戻して、ミカエルに席を外すように言われたフラウは、一階のリビングに行こうとしました。リビングの入り口のドアの前にピーターがいて、中を覗いています。
「ピーター、そんなところで何をしているんです?中に入れないでしょう」
「しっ!今、アークの奴がナタとお楽しみ中なんだ。邪魔すると怒るだろう?顔がいい奴は羨ましいぜ…」
「えっ、ナターシャちゃんが…アークと…?」
「あの手つき…、相当の遊び人と見た!女の扱いを心得ていやがるな」
「覗いたりしたら悪いです…。あっちへ行きましょう」
「固いこと言うなって?覗きはオイラの専売特許だぜ。偵察がオイラの一番得意な仕事だったからな」
「でもアークが遊び人と言うのは当たっていると思います」
「なぜ、そう思うんだい?」
「それは…口が裂けても言えません」
アークはピーターとフラウが覗いている事に気付いていましたが、ナタの体を求める事をやめようとしませんでした。
「アーク…、ダメ…。おじさんが…来たら…、困る…。やめて…」
「ゲイザーは来ないよ?二階にミカエルが来ているようだ。心眼でミカエルの姿は丸見えだ」
「えっ、ミカエル様が来てるの?どうして…」
「僕を始末する為の算段をゲイザーに入れ知恵してるんだろうね。人間に僕が倒せるわけないのに…」
「アークの魔力が前の十倍になってるのは気付いてたよ…」
「ナタに嫌われるのが怖くて言えなかった事があるんだ。それを聞いても僕を嫌ったりしないか不安でね」
「話して欲しい…。アークの事、知りたいの」
「僕はリリスに出会う前、かなりのプレイボーイだったんだ。天界の女は大体、全員味見したかな?」
「アークはモテそうだから、多分そうだろうなと思ってた。それくらいで嫌わないよ?」
「リリスもそう言ってた。でもリリスは僕が本気で愛していないとずっと思っていたようなんだ。だからナタには怖くて言えなかった」
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第133話です。