ナタが寝る時もピーターがナタの布団の中に潜り込みます。アークはついに怒りが爆発してしまいました。
「ナターシャ様!私と言うものがありながら、そんな男をベッドに連れ込むとは…」
「ピーターはこんなに小さくて可愛いのに大丈夫だよー?」
「彼は立派な大人の男性です。見た目に騙されないでください」
「うーん、そう言われても…。どう見ても年下の男の子だし…」
「見た目は十代の少年ですが、中身は五十代の中年男ですよ?」
「ウェアラットの寿命は人間の三分の一くらいしかねぇからな。オイラ、二十年は生きてるけど、人間で言うと六十くらいになるよ?」
「あれ?と言うことは…ピーターの寿命ってあと少ししか残ってないんじゃないの」
「そうだな、ウェアラットの頃は残り十年だったかもしんねぇけど、人間になったから残り五年ほどか?」
「ピーターが死んじゃうなんて嫌だよ…」
「泣くなって!オイラ、ナタの笑顔が見たくて人間になる事に決めたんだぜ?」
「アークも本当はもっと長生きできるはずだったのに、私のせいで寿命半分になっちゃってるんだよね?」
「天使は恐ろしく寿命が長いので気にしないでください。そんなに長生きしたいと思っていませんので…」
「ピーターの寿命は延ばせないの?ピーターが死んじゃうところ私、見たくない…」
「しかしティターニア様に頼んでもティターニア様の寿命が縮んでしまいます」
「ニアも私のせいで…。私、この世にいない方が良いのかな?」
「なぜそう思われたのです?私はナターシャ様がおられないなら、この世に未練などありませんので、生きる意味もないですよ。ナターシャ様の為なら、この命だって捨てる覚悟はあります」
「オイラだってナタが笑ってくれるなら、なんだってするぜ?」
「でも私がいなかったら、みんな苦しまずに済んだのかなって…思っちゃって」
「それは違います。ナターシャ様がいなくなったら、みんな苦しむんです」
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第110話です。