ゲイザーが昔はギャンブラーだった事をフラウにカミングアウトしました。

「ゲイザー様が不正を働くわけがないのに…」

「不正ではないですが、私のように記憶力が良い者は少ないので、ペテン師に見えたのでしょうね。人様から多くの金を巻き上げていたので当然の報いだと思いました」

「ナターシャちゃんの為にした事ですし、ゲイザー様は悪くないと思います！」

「フラウは私のする事は全て美化してしまいますね…。どんなに言い訳しても、金に困ってギャンブルに手を出したのは、良くない行いだと思っていますよ」

「美化などしていません。ナターシャちゃんと二人で旅をするのは、大変だったでしょうね」

「もう二度とギャンブルには手を染めないと決めています。悪銭身につかずと言いますから」

「ゲイザー様が以前、自分はお金がないから幸せに出来ないと仰ってたことがありましたが、お金がないからって理由でフラれるのは女にとって一番辛いんですよ」

「サラにも同じことで叱られましたので、肝に銘じております」

「私はお金目当てで結婚しようと思うような女じゃないんです」

「母上にも貧乏な生活でも自分は幸せだと言われましたね」

「どんなに貧乏でも愛する男と一緒に暮らせるなら女は幸せだと思います」

「私は今、フラウを幸せに出来ていますか？」

「ええ、とても幸せです…」

「私の望みはフラウの幸せだったのです。それがあの星型の実の意味だったのでしょう」

「ハート型の実は…多分、ゲイザー様を独り占めにしたいって考えていたから、叶わない望みだったのかもしれません…」

「なるほど、そう考えると実の意味が解けますね。ナターシャの望みはどんなものだったのでしょうか？たくさんのお菓子の意味は一体…」

「ナターシャちゃんの望みは何だったのか聞いてみたいですね」

「まさか死にたいと言うのが、お菓子の意味ではないと思いますが…」

…つづく