No.976265

真・恋姫†無双~絶対なる無双の黒き鬼~01

兄犬さん

この作品は、別の小説投稿サイト~暁に投稿していたもので、それを一度何とか書き直した作品です。

{あらすじ}これは戦いの中でしか生きられぬ男の物語、悲しみを背負い己が生きざまを示し、
彼は行く!!...さぁ!!今見せよう!!

2018-12-10 09:51:57 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:2961   閲覧ユーザー数:2844

 

至らない私ではありますが、どうか宜しくお願いします。

 

 

あと、今回は恋姫キャラは若本さんボイスのあの人しか出ません。

 

 

 

序章

 

 

 

 

 

この世界は、外史の中でも異常にして異形。三国の世とは似て非なるものである。この世界で産まれた者は、女であれば自由に生き道を決め、健やかに幸せに暮らせる。だが男であれば、容赦ない冷酷なる残虐と残酷、そして慈悲の無い殺し合いが渦巻く暴力の世界へと叩き落されるのだ。

 

その残酷な運命は子供時代から始まり、六歳において直ぐに“試練”を受け、そこから人道から掛け離れた存在へと昇華する。そして“試練”から生き残った男児、稀に女子も、身体の中に全てを圧倒する力を具現する“鎧”を宿して、己の望む道を創造する。

 

その道を築く者は幾つも居り、野心を抱く者、殉ずる何かの為にいる者、理想と愛の為に生きる者、そして...己の力を以って、弱気者たちの為に猛り狂う修羅となる者.....。

 

 

 

彼らはその広大な世界にて、激しい戦を繰り広げて己の望む理想郷を実現しようとぶつりかりあった。幾度の戦で多くの者達が消えた。愛する者を、掛け替えの無い人たちを失いながら、彼らは殺し合った。

 

 

 

 

そして漸く、この世界における最後の戦が終ろうとしていた.....。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「はあああああああああああぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

 

 

 

戦場の中心で女性の掛け声が響き、二人の男女が互いの武をぶつけ合っていた。

 

 

女性の方は前髪に二房の長い癖毛、腰にまで伸びた白銀の長髪を靡なびかせる。そして彼女が纏う鎧は、青と銀という光輝いて神々しく、まるで神話に登場する戦女神そのものである。

 

 

対する男の方は身長が200は在ろう、頭から足のつま先まで黒と赤で彩られた禍々しい鎧を纏って、

歪で凶悪そうな巨大な方天画戟をまるで軽いモノを扱うかの如く振るう。冷酷に、冷血に、残酷に、残虐に、眼の前の女性を殺そうとする。

 

 

女が叫びながら言う。

 

 

女「いい加減に降伏しろ!!この戦、既に我らの勝利だ!!お前の負けだ!!お前の後ろを見てみろ!!」

 

 

 

彼女に言われ、男は自身の後ろを見た。そこには自身に付き従いここまで共に来た家臣や兵士たちの物言わぬ亡骸ばかりしかなく、自分以外に生きてるとすれば自分が信じ心から、許し合える家族同然に共に生きてきた自身よりもデカく、身の丈が3メートル以上はあろう自分と同じ色をした鎧を纏った愛馬のみであり、その愛馬... 雷轟らいごうはそこから一歩も動かず、ただ主であり兄弟同然の自分の勝利を信じ待っている姿のみである。

 

 

 

 

 

雷轟「ばふ!!」

 

 

 

雷轟は「自分に構わず、眼の前の死闘に集中してくれ」と言うかの如く、ただ吠えた。

 

 

 

男「....」コクッ

 

 

 

と、男は静かに頷き返し再び彼女に向き直り、また容赦の無い一撃を振りかざす。

 

 

 

彼女はその姿に悲痛な面持ちで見て叫ぶ。

 

 

 

女「何故だ!?何故そうまでして戦う!?もう戦いは終わった!!勝敗は決したんだ!!お前が...お前が無理して戦い続ける必要は『無理などしてない』なに?」

 

 

頭や顔を鎧で覆っている為、どのような表情を浮かべているのか分からないが、彼から放たれた声は鎧の所為なのか掠れたような感じの状態で彼女に冷たく返す。

 

 

男『...俺はいつも思ってきた。俺は戦い中でしか生きられぬという事を...だがそんな俺にも、

守るべき者たちが確かに居た』

 

 

 

 

男がそう言うと女が悲しい表情で言う。

 

 

 

女「それは...お前の死んでしまった妻と娘か....」

 

 

男『ああ...俺は、その時はこう思った。俺にも誰かを愛し、守る事が出来ると...だが、それは...間違いだった。』

 

 

 

 

女「間違いだと!そんな事はないっ!!お前が!!お前なりに誰かを愛したことに間違いなど、在ろうはずがないっ!!!」

 

 

彼女は目の前の男の悲惨さに嘆きながら剣を振う。そして彼を殺さずに勝利し、共に新しい天下を作って欲しい...そう願った。

 

 

そうした互いの刃のぶつかり合いの中、男は彼女の腹に蹴りを入れ吹き飛ばし距離を離した。

 

 

女「くぅ!!」

 

 

女は吹きとされながらも態勢を整え、剣を構え直す。そんな彼女に対し男は己の方天画戟を片手で持って矛先を彼女に向けながら仁王立ちになっていた。

 

 

 

二人の間に静寂に包まれ、それを見守る彼女の将兵等は固唾を呑んでいた。

 

 

 

男『...この一撃をもって決着を着けよう“劉光(りゅうこう)”。もういい加減、お前の話しには聞き飽きた...』

 

 

男の言葉に、女...劉光も決意する。

 

 

女「良いだろう。しかし!!私はお前殺す気は無い。お前を殺さずに生かして、共に新しい世の為に...いや、私と一緒に生きて欲しい... “晋武(しんぶ)”。また昔の様に 真名(しんめい)で呼び合いたい...」

 

男...晋武は、劉光の言葉に少し黙った後....

 

 

晋武『...今までに散々俺に無様に負けてきたお前が、俺に勝つなど不可能だ。確かに此度の戦ではお前の勝ちだが、決闘で俺に勝てるなど皆無だろうが...』

 

 

劉光「それでも私はお前に...晋武に勝つ!!」

 

 

晋武『...不可能だ...』

 

 

そしてまた静寂に包まれ誰もが喋る事は出来ずにいた。そんな中、晋武の愛馬、雷轟が大きな鳴き声を発した。

 

 

ヒヒ――――――――ンッ!!!!

 

 

 

 

それを合図に二人は駆け、互いの刃を叩きこむ.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

の筈が....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

劉光「し..んぶ?なぜ?」

 

 

晋武『......』

 

 

 

彼女の剣は見事晋武の体に突き刺さり急所を突いていた。しかし対する晋武の方天画戟は、彼の背後に倒れてあった。何故なら彼は彼女を殺す気は一切なく、互いの間合いに入った瞬間に自身の方天画戟を捨てて、代わりに彼女の剣の先端を掴んで離さず自分の心臓へと突きたてたのだ。

 

 

 

これに対して、彼女は、劉光は涙を流しながら叫んだ。

 

 

劉光「何故だっ!!!なぜ!!」

 

晋武『俺は、もうお前とは陽の光には歩けん。許してくれ......』

 

劉光「そ..んな....晋武.....」

 

 

残酷な現実は、尚も続く....そして....

 

 

 

晋武『...良い天下を作れ...お前なら....やれ..る...ガハッ!!』

 

 

劉光「晋武!!!」

 

 

晋武は頭の鎧の口の部分から血が噴き出し、後ろに倒れる。彼女は彼の名を呼びながら、彼を抱き止めた。

 

 

劉光「晋武!!!」

 

晋武『...ハァ...雷轟...傍に来てくれ....』

 

 

晋武は、己の愛馬を呼びかけ傍に来させた。雷轟はすすり泣くように唸り、彼にすり寄る。

 

 

晋武『...泣くな...雷轟....これからは...彼女と一緒に....って、やっぱり...嫌か?』

 

 

晋武の途切れ途切れの言葉に、雷轟は涙を流しながら頷き、これには晋武も仕方ないと思い、愛馬の意志を尊重し受け入れた。そして彼は最後、劉光にこう言った。

 

 

晋武『....こんな..俺を....気に掛けてくれて.....ありがとう......』

 

 

その言葉を最後に、彼は息を引き取った。

 

 

劉光「...晋武?晋武!!おい!!晋武!!....いや...いやああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――!!!!!しんぶぅぅぅぅ―――!!!」

 

 

彼の死という結末に、彼女は耐えきれず唯々彼の亡骸を抱きしめ泣いた。彼の愛馬も同様に涙を流し、死んでしまった主を見つめていた。

 

それから暫くしてから劉光は落ち着きを取り戻し、そして涙を呑んで、私情を押し殺して自ら率いていた将兵たちに戦乱の終結を宣言する。

 

 

 

劉光「ッ....今!!戦乱を支配していた狂鬼王、晋武 古龍は死んだぁ!!これより、新たな時代!人が人として幸福溢れる希望に満ちた世界が始まる!!」

 

 

 

「「「「「「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオぉォォォォォ―――ッっっ!!!」」」」」」

 

 

 

皆が心から喜びに満ちた雄叫びを発しながら腕を高く上げた。それからして多くの兵士たちは、戦場を後にし、劉光は彼の亡骸と彼の愛馬を暫くの間見つめてから涙を流して呟く。

 

 

 

劉光「さようなら.....晋武、いえ..... 神我(じんが)

 

 

 

彼女は断腸の思いで、その場を去った。

 

 

その戦場だった場所には、死んでしまった男とその愛馬しか居なかった。

 

 

 

愛馬は唯ずっと悲しみの涙を流し続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし......そんな光景を遠くから見ていた者がいた......

 

 

???「悲しいわね.....無限にある外史の中でこのような悲しい結末を見るのは初めてでは無いけれど、やはり悲しいわぁ....」

 

 

 

その者はずっと男の生きざまを見ていた。その余りにも過酷且つ悲しい生きざまに涙を流しながら助けたいとすら思い、そして同時にこうも思った。

 

???「彼なら...“あの外史”の世界での異変を解決してくれるやもしれないわねぇ」

 

 

 

その言葉を呟いたと同時に、その者の足元に何か紋様が光りながら描かれ現れた。

 

 

そして....

 

 

???「本当なら、死者を蘇らせることは禁止なのだけど...それでもワタシは貴方に賭けてみるわねん」

 

 

 

足元に描かれた紋様が更に光り出し、それと同時に死体となった晋武の亡骸が彼の愛馬と共に温かい光に

包まれ始めた。

 

それを確認し、その者はこう言う.....

 

???「歓迎するわん!....晋武古龍(しんぶこりゅう)!貴方にはこれから三国志で活躍した英雄たちの名を持つ乙女たちが集う世界に行って貰うわん!....それに“あの外史”にとって貴方にも少し関係しているしね....では、行ってらっしゃい!」

 

そうして彼...性は晋、名は武、字は古龍の名を持ち、最強且つ最高の無双の武神として恐れらた男の物語が......今、始まる。

 

 

 

後書き

 

 

 

如何でしたでしょうか?感想・コメントが御座いましたらどうぞ。

 

 
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