No.973423

真・恋姫†無双 時空を超えた刺客 破滅の未来と絡繰人間

hoi2さん

不完全なる『限界突破』で攻める愛紗だったが
闇霊はその上をいく強さだった……
敗北の文字が頭を過ったその時
突如、現れたのは管理者・骸漸だった………!!?

2018-11-11 16:47:46 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:1671   閲覧ユーザー数:1594

 

 

 

 

 

 

 

 

愛紗の『限界突破』はまだ完全ではなかった………

それでも、闇霊にダメージを与えていき、闇霊が遂に『制限解除』を発動した

絶望的な状況に追い込まれた愛紗の目の前に現れたのは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死亡した筈の否定過激派の骸漸だった!!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十二節 ~骸漸参戦!!!

    共闘!!! 愛紗&骸漸VS闇霊~

 

 

一刀「骸漸っ!!?骸漸だよなっ!!?」

 

 

骸漸「当たり前だろ、かずっち!!!

いやぁ、久しぶりだなぁっ!!!」

 

 

突如、一刀達の前に現れたのは否定過激派の骸漸

 

 

本名は骸漸(がいぜん)だが、否定過激派内では偽名として絶頭(ぜっとう)を名乗り、管理者の中で無類の強さを誇る管理者界最強の戦士

 

 

その強さから『異次元の呂布』という異名がつけられていた

 

 

復讐の魔人・響窃死亡後に一刀達の目の前に現れ、唯一一刀と心を交わしていた

 

 

だが、その性格の甘さから否定過激派の幻術師・宝鈴と否定過激派の統率者・晩禍により深手を負わされた挙げ句

空間の成れの果てである『異次元空間』に放り込まれてしまった

 

 

『異次元空間』に入れば二度と出ることは出来ないと云われていた為、死亡したと思われていた

 

 

余談だが、一刀が現在得物として使用している黒刃の日本刀『龍終』は、元は骸漸が使っていた物である

 

 

一刀「か、かずっち?」

 

 

骸漸の思わぬ呼び掛けに一刀は間抜けな顔をする

 

 

骸漸「まぁまぁ、細かい話は置いといて…………」

 

 

骸漸はニカッと笑う

 

 

一刀「お前………死んだんじゃなかったのか?」

 

 

一刀は声を絞り出すようにして骸漸に聞く

 

 

骸漸「そーそーっ!!!いやぁ、流石に僕ももう駄目かと思ったよっ!!?」

 

 

一刀「あれ?骸漸、お前って一人称『俺』じゃなかったっけ?」

 

 

一刀は小さな変化点に首を傾げる

 

 

骸漸「怒りんぼ晩禍に言わされてたんだよ

弱く見えるから駄目だって………押し付けられたんだ

まぁ、それは置いといて…………」

 

 

骸漸は流暢に話し出した

 

 

骸漸「怒りんぼ晩禍とひねくれ宝鈴から『異次元空間』に捨てられた時は流石に困ったよ

アイツら~~っ!!!って思ったけど、時既に遅しってやつ?

振り返ったら、もう出口が閉じてるんだもん」

 

 

骸漸は言葉を次々に繋げていく

 

 

骸漸「取り敢えず、黙っていても仕方ないから行動に移したんだ

かずっちのいる外史に戻ろうと思って

だけど、僕って何故か目的地に着くのに凄~~い時間がかかるんだ

何でかは分からないけど………」

 

 

卑弥呼「…………」

 

 

貂蝉「………左慈ちゃん、絶頭ちゃんって……」

 

 

貂蝉は左慈の近くに寄り、小声で聞く

 

 

左慈は貂蝉の脇腹に軽く肘打ちをして答える

 

 

左慈「近づくなっつってんだろ

確か………絶頭は限度を超えた方向音痴って聞いたことがあるな……」

 

 

于吉「噂では、数日単位で遅れてくるとか………」

 

 

于吉は苦笑いで答える

 

 

 

 

一刀「ま、まぁ………それは置いといて……」

 

 

一刀は無理矢理、話を戻す

 

 

骸漸「で、『異次元空間』を彷徨いまくったんだけど、流石は空間の成れの果てだね……

何処に行っても殆ど同じ景色……詰まんないし、出る方法もイマイチ分かんないし………」

 

 

一刀は骸漸の言葉に首を傾げる

 

 

一刀「え?じゃあ、今のは?」

 

 

『今のは』とは、骸漸が出てきた大きな穴のような物のことである

 

 

骸漸「彷徨いまくって数年………

ふと思い出したんだ……ひねくれ宝鈴から【『異次元空間』は『禁止術』を使えば、脱出できる可能性がある】って」

 

 

卑弥呼「『禁止術』………」

 

 

卑弥呼は眉間に皺を寄せる

 

 

あまり良い感じがしないようだ

 

 

左慈「本当か?于吉………」

 

 

于吉「…………正直に言えば可能です…

ですが、それはあくまで『禁止術』を使用した場合です

基本は脱出は不可能です」

 

 

于吉も浮かない顔をする

 

 

一刀「(それよりも、数年彷徨うってところには誰も触れないのか?)」

 

 

一刀は複雑な表情をするが、口には出さない

 

 

骸漸「一か八か、賭けたんだよ

正直、僕は『禁止術』には興味もないし、使用したこともない

ただ、ここで死ぬくらいなら………って思って仕方なく」

 

 

一刀「で、脱出できたと………

ただ、数年彷徨った割りには前と容姿が変わっていないように見えるんだが……?」

 

 

骸漸「『異次元空間』って時間の流れが基本ないんだって

ただ、清拭な時間軸の空間……ここみたいな空間とは離れているうえ、歪んでるから元の空間に戻れるという保証はないって」

 

 

 

 

ここまでの成り行きを全て話した骸漸は逆に一刀に質問する

 

 

骸漸「でさ~~、かずっち?

此処って大陸だよね?何でこんな光化学スモッグ臭いの?

何でかずっちが2人いるの?

状況が全く把握出来ないんだけど」

 

 

一刀「それは……………」

 

 

一刀は簡潔に経緯を説明する

 

 

……………

 

 

……………………

 

 

………………………………

 

 

骸漸「…………ほへ~~~~……

随分と奇っ怪な戦いに巻き込まれたねぇ、かずっち

過去と未来、時間軸を超えた戦いなんて………」

 

 

一刀「こればっかりは………

今回の黒幕は後ろにいる龍天と斬魔……」

 

 

一刀は骸漸の後方にいる龍天と斬魔を指差す

 

 

骸漸「で、関羽ちゃんが絶体絶命の危機の時に、僕が乱入~っ!!!って訳ね」

 

 

愛紗「………余計なお世話だ」

 

 

愛紗はまだ骸漸を信頼していないのか、冷たくあしらう

 

 

愛紗はボロボロの身体に鞭を打ち、ゆっくり立ち上がる

 

 

骸漸「冷たいなぁ………

………それで、敵があちらの方」

 

 

骸漸は視線を闇霊に飛ばす

 

 

闇霊「………貴様のお陰で、関羽を仕留め損なった……

これは万死に値するぞ?」

 

 

闇霊は『闇刃・村正』を握り締める

 

 

愛紗「どけ、絶頭…………

闇霊は……私が……斬る」

 

 

愛紗は骸漸を押し退け、前に出る

 

 

骸漸「ちょ、ちょっ!!?そんな身体でやる気?

いくらなんでも無理があるでしょ?」

 

 

愛紗「うるさいっ!!!そんな事、私が一番よく知っているっ!!!」

 

 

愛紗は骸漸に噛みつくが、骸漸はヘラヘラしながら言う

 

 

骸漸「じゃあ、尚更駄目じゃん(笑)

背伸びもいいけど、時と場所を考えないと、本当に死ぬよ?」

 

 

愛紗「な、なにっ!!?」

 

 

愛紗は骸漸の方へ振り向く

 

 

愛紗の表情は怒り一色となっていた

 

 

だが、そんな事を気にせず、骸漸は考え込んだ

 

 

骸漸「ふむふむ…………」

 

 

愛紗「貴様、もう一度言ってみろっ!!!」

 

 

愛紗の怒号が発せられた時、骸漸はこう言い放った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

骸漸「…………じゃあ、共闘作戦といこうか♪」

 

 

 

 

愛紗「…………は?」

 

 

闇霊「なに?」

 

 

愛紗は目を見開き、闇霊は目を細めて聞き返した

 

 

骸漸「だって、戦いの邪魔しちゃって怒ってる闇霊?と、劣性に立たせられている関羽ちゃん……

だったら、僕と関羽ちゃんでアイツ倒せばいいんじゃない?

闇霊?だって、僕の事を斬りたいみたいだし、僕だってかずっちの仲間を死なせたくないから一石二鳥じゃん♪」

 

 

愛紗「ぐっ…………!!!」

 

 

正論である為、愛紗はグウの音も出ない

 

 

事実、愛紗は骸漸が現れなければ確実に殺されていた

 

 

状況も芳しくない

 

 

ならば、邪魔をした骸漸が助太刀して勝率を上げれば良い

 

 

ようは責任を取るという考えだ

 

 

骸漸「別にサシの勝負って決まってないでしょ?

戦いってのは殺し合いなんだ………

何でもあり、結局は勝てばいいんだ

戦闘に卑怯なんて言葉は存在しないのさ」

 

 

愛紗「……………」

 

 

『否定過激派』『異次元の呂布』の言葉は重かった

 

 

骸漸「いいでしょ?関羽ちゃん…

僕はもう、『否定過激派』には興味はない

かずっちに会えたのも何かの縁……

じゃあ、僕はかずっちの味方だ♪」

 

 

満面の笑みで骸漸は愛紗に問いかける

 

 

愛紗「………………」

 

 

愛紗は無言で闇霊に振り向く

 

 

愛紗「…………よかろう、気が向かぬが、貴様と共闘してやる」

 

 

骸漸「本当っ!!?」

 

 

骸漸は目を輝かせる

 

 

愛紗「だが、私は貴様を認めていないっ!!!

不穏な動きをすれば、例えご主人様の友だとしても容赦なく斬るっ!!!」

 

 

愛紗は振り返らず高らかに言い放つ

 

 

骸漸「上等っ!!!よろしく頼むぜっ!!!」

 

 

骸漸は笑いながら、愛紗の隣に立つ

 

 

その時、後ろから

 

 

一刀「骸漸っ!!!」

 

 

一刀が呼び掛ける

 

 

骸漸「ん?」

 

 

骸漸は一刀の方へ振り返る

 

 

一刀は自分の腰に備えてある『龍終』を鞘毎、抜き取り

 

 

一刀「使えっ!!!元はお前の得物だっ!!!」

 

 

骸漸に投げつけた

 

 

骸漸「♪」

 

 

骸漸はニヤリと笑い、闇霊の方へ振り返り、ノールックで『龍終』を受け取り、自らの腰に備える

 

 

骸漸「くぅ~~っ!!!『龍終』、久しぶりだなぁっ!!!

この感じ、懐かしいぜっ!!!」

 

 

そして、ゆっくり『龍終』を抜刀する

 

 

骸漸「これが終わったら、僕も得物を探さないとな」

 

 

 

 

闇霊「貴様ら……覚悟はいいか?」

 

 

 

 

 

ズズズズズズズズズズッ!!!

 

 

 

 

痺れを切らした闇霊は辺りに闇を撒き散らす

 

 

骸漸「おっとっと……お待たせお待たせ♪」

 

 

骸漸は舌を出して謝る

 

 

愛紗「気を付けろ絶頭………

闇霊は闇の能力を使う……無効化を糧に使う技は厄介極まりない」

 

 

愛紗は今までの情報を骸漸に教える

 

 

骸漸「取り敢えず、僕の事は骸漸って呼んでよ

………この時代にそんな能力をね……」

 

 

骸漸は『龍終』を構え、闇霊をまじまじと見る

 

 

骸漸「………うん、雰囲気で分かる

僕、こいつと馬が合わないっ!!!」

 

 

骸漸は闇霊を指差し、堂々と宣言する

 

 

愛紗「誰もそんな事、聞いていないっ!!!」

 

 

愛紗は思わずツッコむ

 

 

闇霊「余計なお世話だ

この闇霊も、貴様となど御免だ」

 

 

骸漸「うわぁ、怒りんぼとおんなじ事を言ってる~~……」

 

 

骸漸は闇霊を煽る

 

 

闇霊「…………死ねっ!!!」

 

 

 

 

 

フォンッ!!!

 

 

ゴオォォォォッ!!!

 

 

 

 

闇霊は骸漸目掛けて『幽闇』を放った

 

 

愛紗「来るぞっ!!!避けろっ!!!」

 

 

愛紗は骸漸に激を飛ばすが

 

 

骸漸「よっしゃあ、勝負っ!!!」

 

 

骸漸はあろうことか、『幽闇』目掛けて突っ込んでいった

 

 

愛紗「なっ!!?やめろ骸漸っ!!!無茶だっ!!!」

 

 

愛紗の静止も聞かず、骸漸は『龍終』を大きく振りかぶる

 

 

骸漸「『邪龍蛇流』……」

 

 

闇霊「無駄だ」

 

 

闇霊は勝ちを確定した

 

 

だが

 

 

骸漸「『蛇頭返し(へびずがえし)』っ!!!」

 

 

 

 

フォンッ!!!

 

 

バキンッ!!!

 

 

 

 

愛紗「なっ!!?」

 

 

闇霊「なに?」

 

 

『蛇頭返し』が『幽闇』に直撃した瞬間、剣が折れたような音を立てて『幽闇』が砕け散った

 

 

因みに『邪龍蛇流(じゃりゅうだりゅう)』とは数百年前に滅亡された暗黒の流儀

 

 

『邪龍蛇(じゃりゅうじゃ)』といわれる邪悪な蛇の動き、攻撃を参考にして創られ、それは毒を産み出し、幻を創り出し、魂を抉る凶悪な剣術である

 

 

闇霊「馬鹿な……?闇を砕くだと?」

 

 

闇霊も目を見開いて驚く

 

 

骸漸「そりゃそうだよ

『邪龍蛇流』は元々、暗黒の剣術

闇を斬るなんて日常茶飯事……ましてや僕は『否定過激派』だしね♪」

 

 

骸漸は『龍終』を担ぎ、ニヤリと笑う

 

 

骸漸「無敵と思われていた闇も、何とでもなるんだよ

『異次元の呂布』、嘗めてもらっちゃ困るぜ?」

 

 

愛紗「…………(私が苦労して斬った闇を、こうも簡単に………)」

 

 

愛紗は言葉には出さなかったが、内心驚きで満ち溢れていた

 

 

華琳「『異次元の呂布』の異名は伊達ではないってことね」

 

 

一刀「敵に廻すと恐ろしいが、味方になると心強いな」

 

 

一刀と華琳の言葉に皆は頷く

 

 

 

 

骸漸「まだまだ、僕の力はこんなもんじゃないよ?

もっと楽しませてくれよ」

 

 

骸漸は『龍終』を担ぐ

 

 

うっすらと、『龍終』から骸漸の純粋な黒い気が溢れ出ていた

 

 

闇霊「………………」

 

 

闇霊は骸漸を見据える

 

 

愛紗「………はあぁぁぁぁっ!!!」

 

 

 

 

ギュオォォォォォッ!!!

 

 

 

 

愛紗は戦闘に向けて、気を高める

 

 

愛紗「(私も負ける訳にはいかぬっ!!!)」

 

 

骸漸に刺激されたのか、愛紗は気持ちが高揚していた

 

 

闇霊「………冥土の土産だ、『冥闇(めいあん)』」

 

 

闇霊は『闇刃・村正』を持っていない左手を手刀の形にして、天高く突き上げた

 

 

すると

 

 

 

 

 

 

 

ズズズズズズズズズズッ!!!

 

 

 

 

 

左手を中心に巨大な黒刀が出来上がった

 

 

『闇刃・村正』よりはるかに大きい

 

 

愛紗「二刀流か………」

 

 

骸漸「随分とまた、アンバランス……不均一な二刀流だね」

 

 

闇霊「2対1の状況を補うには充分だ」

 

 

闇霊は『闇刃・村正』と『冥闇』を構える

 

 

骸漸「言ってくれるねぇ~」

 

 

愛紗「ならば、捌いてみろっ!!!」

 

 

愛紗と骸漸は同時に飛び出し、闇霊に向かっていった

 

 

闇霊「望むところだ…………」

 

 

 

 

 

愛紗「はあぁぁぁぁっ!!!」

 

 

骸漸「てやぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 

闇霊「…………………」

 

 

 

フォンッ!!!

フォンッ!!!

フォンッ!!!

 

フォンッ!!!

 

フォンッ!!!

 

 

 

ガキンッ!!!

ガキンッ!!!

ガキンッ!!!

 

ガキンッ!!!

 

ガキンッ!!!

 

 

 

愛紗と骸漸による容赦のない剣戟を闇霊は紙一重で躱す・受け止める・反撃をしていく

 

 

目にも止まらない攻防戦は、休む暇なく続いていく

 

 

朱里「す、凄いです…………」

 

 

雛里「は、早すぎて見えません……」

 

 

雪蓮「あんな戦闘、中々出来ないわよ」

 

 

戦闘を見ている皆は固唾を飲んで見守る

 

 

愛紗「(なんて奴だ、闇霊………!!!

私と骸漸の攻撃を全て喰らわずに……)」

 

 

骸漸「やるね、闇霊…………」

 

 

闇霊「……………」

 

 

闇霊は無言で骸漸の言葉を聞く

 

 

そして、

 

 

闇霊「くどい」

 

 

 

フォンッ!!!

 

 

ガキンッ!!!

 

 

 

闇霊は2つの得物を大きく振り回し、愛紗と骸漸を弾き飛ばした

 

 

骸漸「おっとっと?」

 

 

愛紗「くっ、強いっ!!!」

 

 

愛紗は悔やみを露にする

 

 

闇霊「力は五分五分のようだな」

 

 

骸漸「だね~………」

 

 

愛紗「だからといって、一歩も引く気はないっ!!!」

 

 

愛紗は直ぐ様、『青龍偃月刀』を構える

 

 

骸漸は愛紗の様子を見て

 

 

骸漸「………関羽ちゃん、もっと肩の力を抜きなって…」

 

 

愛紗「なに?」

 

 

愛紗は骸漸の言葉に眉を顰める

 

 

骸漸「何に焦ってるのさ?焦る必要が何処にもないと思うけど」

 

 

愛紗「貴様には分かるまい、私の葛藤が」

 

 

愛紗はそう吐き捨てる

 

 

骸漸「うん、分からないよ」

 

 

愛紗「ならば………!!!」

 

 

骸漸「でもさ」

 

 

愛紗の言葉を骸漸が遮る

 

 

骸漸「焦って何か変わるの?焦れば焦る程、収拾がつかなくなる位に慌てて混乱するよ?」

 

 

愛紗「っ……………」

 

 

骸漸「ね?こういう時こそ、落ち着かなきゃ

焦るなとは言わないよ?でも、焦りすぎだよ?関羽ちゃんは」

 

 

 

 

闇霊「終わりにしようか………

闇の神により、地獄に堕ちろ」

 

 

 

 

 

ズズズズズズズズズズッ!!!

 

 

 

 

闇霊から呼吸が困難になるほどの、闇が溢れ出る

 

 

骸漸「おおっと?何だぁ?」

 

 

貂蝉「闇の神?」

 

 

闇霊「『闇御津羽神(くらみつはのかみ)』…………」

 

 

闇は忽ち、巨大な人の上半身になり、闇霊の後ろに控えた

 

 

骸漸「でかっ!!?こりゃあ、ヤバイなぁ」

 

 

卑弥呼「闇御津羽神………またもや、日本神話の神じゃ………」

 

 

左慈「どうする………骸漸」

 

 

 

 

愛紗「………………」

 

 

愛紗は無言で『闇御津羽神』を見つめていたが、心の中は骸漸の言葉で一杯だった

 

 

愛紗「(私は………焦りすぎていたのか………)」

 

 

そこに

 

 

骸漸「………いいねぇ♪」

 

 

愛紗「っ」

 

 

嬉々とした表情の骸漸が近づいてきた

 

 

骸漸「こんな奴を斬るほど、燃えるぜ♪」

 

 

 

ギュオォォォォォッ!!!

 

 

 

骸漸は無意識に気を高める

 

 

愛紗「………?何か手があるのか?」

 

 

骸漸「何も数年間、迷ってた訳じゃないよ?

新技の開発もしてたんだ

それを試すのさ♪」

 

 

骸漸は一度、『龍終』を仕舞い、右掌を地面に向けて、前に突き出す

 

 

骸漸「………現れよ、山の化け神よ………生け贄が現れたぞ」

 

 

骸漸は言葉を唱えると

 

 

 

 

ズズズズズズズズズズッ!!!

 

 

 

 

愛紗「っ!!?」

 

 

一刀「あれは…………」

 

 

骸漸「かずっちとは因縁があるかもね~」

 

 

8本の巨大な柱状の物が出現した

 

 

骸漸「『邪龍蛇流・八岐大蛇』………」

 

 

闇霊「たかが蛇如きに、神を止められると思うな」

 

 

闇霊は『闇御津羽神』を骸漸目掛けて放った

 

 

『闇御津羽神』は上半身を伸ばし、骸漸に襲いかかった

 

 

骸漸「さぁて、どうかなぁ?いくぜっ!!!」

 

 

骸漸は『八岐大蛇』を引き連れ、『闇御津羽神』に突っ込んでいった

 

 

骸漸「『邪龍蛇流・新奥義』……」

 

 

闇霊「闇に飲まれろっ!!!」

 

 

骸漸は素早く『龍終』を引き抜き、『闇御津羽神』に一閃を放つ

 

 

すると

 

 

 

 

ズズズズズズズズズズッ!!!

 

 

 

 

『八岐大蛇』全員が融合され、1つの刃となった

 

 

その刃は『闇御津羽神』を易々と貫いた

 

 

闇霊「なに………!!?」

 

 

骸漸「『八岐大蛇の生贄・櫛名田姫(クシナダヒメ)』っ!!!」

 

 

その瞬間

 

 

 

 

 

サアァァァァァ……………

 

 

 

 

『闇御津羽神』は跡形もなく、消え去った

 

 

 

 

闇霊「馬鹿な………この闇霊の……『闇御津羽神』を……?」

 

 

闇霊が呆気に取られていたその時

 

 

骸漸「路は開けたよ、関羽ちゃん♪」

 

 

骸漸は後ろを振り向かず、愛紗に託した

 

 

その託された愛紗は

 

 

愛紗「………………」

 

 

 

 

ギュオォォォォォッ!!!

 

 

 

 

未だかつてない程の気を溢れさせていた

 

 

闇霊「っ!!?なんだ、この………桁違いの気の量は………!!?」

 

 

闇霊は愛紗の存在に目を見開いて驚く

 

 

愛紗「礼を言う、骸漸………

貴様のお陰で、私は本当の『限界突破』を会得できた」

 

 

愛紗は骸漸が闇霊と対峙している間に冷静さを取り戻し、『限界突破』を成し遂げたのだ

 

 

愛紗「終わりだ、闇霊っ!!!」

 

 

骸漸「神は蛇に破れたりってね♪」

 

 

『限界突破』をした愛紗と、『龍終』を担いだ骸漸が高速で闇霊に接近する

 

 

闇霊「くっ、この闇霊は………『龍天五獄隊』の隊長だ

隊長に、後退の二文字はない………!!!」

 

 

闇霊は素早く『闇刃・村正』と『冥闇』を構える

 

 

愛紗「はあぁぁぁぁっ!!!喰らえ、奥義っ!!!」

 

 

骸漸「『邪龍蛇流・新奥義』っ!!!」

 

 

闇霊「消えろっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フォンッ!!!

 

 

フォンッ!!!

 

 

 

 

ガキンッ!!!

 

 

ガキンッ!!!

 

 

 

 

ザシュッ!!!

 

 

ザシュッ!!!

 

 

 

 

 

愛紗「『龍斬天撃(りゅうざんてんげき)』っ!!!」

 

 

骸漸「『大蛇殺・素盞鳴尊(オロチごろし・スサノオノミコト)』っ!!!」

 

 

闇霊「がっ………………!!?」

 

 

愛紗と骸漸の強烈な一撃は、闇霊の『闇刃・村正』と『冥闇』を粉々に砕き、闇霊に瀕死の重症を負わせた

 

 

 

 

          ……終……

 

 

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
1
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択