ソラネは二人のテンメイが去った後、帰りたい旨を龍神様に伝えた。
龍神様は少し考えると、
「良いです。ですが、静玉の建てた神社にて巫女をしなさい。この私のです。」
「分かりました。巫女をする約束をすれば良いのですね?」
ソラネは快諾した。
「でしたら、帰る方法を教えましょう。・・・・・冥門神社を七度詣りなさい。次に空を飛ばずにこの天国から出ていきなさい。
空中に達した時、あなたは生き返っているのです。
そこからはどこへなりと行きなさい。」
さっそく、ソラネは冥門神社に行って何事もなく七度お詣りをした。
それから、地道に道をソラネは歩いた。
一刻程歩いた時、天国の地面が曖昧になった。
それから、半刻程歩くと、地面が無くなった。
いつの間にソラネは空中にいた。
ソラネは辺りを見渡すと、懐かしい海のような湖が見えた。
界面湖である。
界面湖周辺の陸地にソラネは降り立つ。
水源郷である。
見ると、神社があった。これは流仁神社である。
その鳥居の下に、懐かしき友変陽がいた。
ソラネは駆け寄って変陽を抱きしめる。
「空寝!? 死んだはずじゃ!?」
「残念、生き返ったのですよ。」
「生き返った!!??」
「何か不思議な事なのですか?」
「そうだね。不思議な事だよ。」
「ここが、私の住まいですか?」
「神主にでもなるの?空寝。」
「私は空寝ではなくソラネです。」
「ソラネ?」
「死んだ時に与えられた名前です。龍神様にね。」
その後、静玉がソラネを見つけ、反応を楽しみつつ。訂正などをしつつ。
ソラネは夢のような気分でいた。
その内、住まいの話になって、ソラネは群体での生活を離れる事を伝えなくてはならない。
「私は静玉が建ててくれたこの神社に今日から住まおうと思います。」
「みんなで一緒に寝る事は出来ないね?」
変陽は打ち消しを期待して発言したようだが、あいにくソラネは龍神様との約束を守らなくてはいけない。
「そうです。この神社で毎日暮らすのが私の務めになります。」
「そんな・・・。」
「分かったわ。ちょっと悲しいけれど、それでいいわ。」
「ありがとうございます。静玉。」
「それにしても、変わったわね。ソラネ?」
「龍神様の下にいましたから・・・・。」
そう言って淋しげに神社の中に入るソラネ。
その夜、夜通しでソラネは祈祷した。
残念ながら、途中で寝てしまったが、夢では変陽と静玉みんなと一緒だった。
その後、龍神様からの便りや罰などは無く、またソラネは神社で巫女を務め続けた。
それにこれからも務め続けるのだが、話はまだ続くのだ。
それは過案神社からの手紙だった。
新 生命からの手紙らしい。
「拝啓 ソラネ様
遅れまして、この度は復活の程、おめでとうございます。
つきましては、この西方に位置します、栫家・新家にいます私、新 生命の言いつけを破り、”天津帝国”などと、自分達を帝国民として名乗っております。
これらの家の民は妖怪に対して暴虐の限りを尽くしており、ほとほと困っております。
ここはどうか、ソラネ様の腕前を見せて頂き、これらの栫家・新家の民を懲らしめて頂きたいのです。
武力をもってそのお力を奮って頂きたく存じます。
よろしくお願いいたします。 新 生命」
「静玉、博麗の巫女を呼びましょう。これは私達では到底敵わない事です。」
「そうするわ。」
博麗神社に知らせに行く、三名だった。
東方寵児項 ”天津帝国”へと続く。
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死んでしまったソラネは暇をしている。
龍神様の元では満ち足りた生活だけがあり、矛盾すらない。
そういった天国にソラネは住んでいる。
その天国の名前は”安神郷”。
今代の龍神様の支配する郷だ。