No.967404

スマブラ Abandon World 18「息ぴったりの登山家」

Nobuさん

しずえさんがスマブラSPでファイターに昇格するなんて、まさにサプライズでした。
この調子で、シャドウも昇格してほしいです。
あ、ワルイージ、アシュリー、リンさんは現状維持なのでご注意を。

2018-09-16 21:28:48 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:751   閲覧ユーザー数:751

「本当に、仲間は見つかるのか?」

 仲間を探すために東に向かっていたBチームの一人、ファルコがそう呟く。

「まぁ、行ってみなきゃ分からないからな。……おっと、危ない! ブラスター!」

 フォックスは襲い掛かるゾンビをブラスターや体術で倒しつつ先に進んでいく。

「どこもかしこもゾンビばっかりだぁ」

「まぁ、こんな世界だからな」

「……おい、フォックス、今更だがアーウィンに乗らないのか?」

「……その、アーウィンはこの世界にないんだ。急に飛ばされたから用意も忘れて……」

「「えーーーー!?」」

 どうやら、急にこの世界に飛ばされてしまったため、

 フォックスはアーウィンを元の世界に置き去りにしてしまったようだ。

 アーウィンに乗れれば時間短縮ができるのに、とネスとリュカは落胆した。

「ねぇ、仲間に連絡はできないの?」

 ネスの質問にフォックスは首を振った。

「何度も通信したのだが、応答なしだった」

「う~ん、どうしてだろう……」

 ここは争いの世界とは異なる世界だから電波が届かないだろう、とリュカは推測した。

 とにかく、これで分かった事は、この世界では連絡手段が極めて少ないという事だった。

 すなわち、有力な情報を見つけたとしても、自分の足で知らせなければならないのだ。

「早くこんな環境からはとっととおさらばしたいぜ」

「でも、その前にまずは仲間を探してから、だよ?」

「分かってるっての!」

 

「も~う、なんでこうなるの~!」

「ほらポポ、しっかり歩きなさい!」

 この地を歩いているのは、Bチームだけではなかった。

 アイスクライマーのポポとナナである。

 双子のようにそっくりだが、友達以上恋人未満の関係である。

「変な生き物は出るし、道標はないし、こんな世界はもう嫌だよ!」

「でも脱出する手段が見つかってないから、あたし達でそれを探すしかないみたいね。

 これくらいでへこたれるんじゃないわよ、ポポ!」

「ナナは相変わらず押しが強いなぁ~;」

「何か言った? ポポ」

「な、何も言ってないよ!」

 襲い掛かってくる敵を、ハンマーや氷で蹴散らすアイスクライマー。

「これくらい、アイスクライマーの敵じゃないわ。さぁ、かかってきなさい!」

 ふふんとハンマーを振り上げるナナ。

 と、その時だった。

 

「……なっ、何よこれ……?」

 アイスクライマーの目の前に、様々な人が混ざったような魔物が二体現れた。

「ナナ! 倒すんじゃなかったの?」

「そ、そうだったわね、ポポ……」

 ナナはいつもの強気な態度と違って少し弱気になった。

 それでも、ポポに言われたからには立ち向かわなければ、とポポと共にハンマーを構えた。

 アイスクライマーは氷を放ったりハンマーで殴ったりして混ざった人を攻撃したが、

 タフすぎるために攻撃がなかなか通らない。

 それどころか、相手の攻撃の方が強烈で、アイスクライマーは大きなダメージを受けてしまった。

「ぐぅぅ……!」

「ナナ、無茶しないで!」

「分かってるわよ、それくらい……。でもね、あたし達はいつまでも一緒なのよ。

 あんたを置いて、逃げるわけにはいかないんだから……!」

「……!!」

 リュカは、遠くで二人の登山家が混ざった人と戦っているのを超能力で見た。

「あっちに、仲間がいる……!」

「どこにだ?」

「とにかく、まっすぐ進んで!」

「ああ、分かった!」

 

 フォックス、ファルコ、ネス、リュカが見た光景、それは――

 混ざった人との戦いで苦戦している、アイスクライマーの姿だった。

「まずい、このままではあいつらが死んじまう!」

 そう言ってファルコはアイスクライマーがいる場所に飛び出した。

「あ、ちょ、待ってくれファルコ!」

「僕達も」

「置いてかないで~!」

 フォックス、ネス、リュカも、慌てて彼の後を追うのだった。

 

「おい!!」

「「あっ!」」

 ファルコの大声を聞いたアイスクライマーが彼の方を振り返る。

「ファルコ、どうしてここに?」

「お前ら、死にたくなかったら俺と一緒に戦え!」

「えっ? ど、どういう事……?」

 ポポが驚いていると、フォックス、ネス、リュカがアイスクライマーのところにやって来た。

「俺はフォックス、こいつは仲間のファルコだ」

「僕はネス」

「ボクはリュカです!」

「とにかく、お前らがこのまま前に出たら危険だ、下がってろ」

「ええっ!? 僕達、まだいけるよ!」

「そうよ、邪魔しないで!」

 意地を張るアイスクライマーに対し、ファルコは鋭い目で二人を見る。

「……ここで死んだらもう終わりなんだよ」

 ファルコの目は真剣で、アイスクライマーは思わず怖気づいてしまう。

「分かったらお前らはとっとと下がってサポートに回りな」

「わ、分かったよ~;」

 一見きつい態度に見えるファルコだが、これも彼なりの仲間に対する思いである。

「さぁ、フォックス! こいつらを倒して早くラストホープに戻るぜ!」

「ああ!」

「あっ、ちょっ、僕達を忘れないで~!」

 いつの間にか置いていかれたネスとリュカもアイスクライマーを守るために混ざった人に立ち向かった。

「はっ!」

「せいやっ!」

「PKファイアー!」

「PKサンダー!」

 フォックスがブラスターで混ざった人を撃ち抜き、

 ファルコはファルコビジョンで混ざった人を切り裂く。

 ネスやリュカも、PKファイアーやPKサンダーでアイスクライマーと共に後方から援護していた。

「うっわ、本当にタフだね」

 だが、ネスの言う通り、混ざった人が倒れる気配はなかった。

「だからお前らは苦戦してたのか」

「苦戦って何よ、ちょっと手間取ったって言ってよ」

「ほらほら、喧嘩している暇があったら早くこいつらを倒せ!」

「はーい!」

 

 その後も、フォックス達は体術や射撃で混ざった人を攻撃していくが、

 混ざった人はなかなか倒れなかった。

「ああ、もう、どうして倒れないの! どうしたら、こいつらを倒せるの!」

「ほら、ナナももう怒っちゃってるし……」

 苛立つナナと慌てるポポを見たネスとリュカは、アイスクライマーの前に立った。

「だったら、ここはボク達に任せて! 行くよ、ネス君!」

「うん!」

 ネスは混ざった人達にディフェンスダウンをかけ、

 リュカはアイスクライマーにオフェンスアップをかけた。

「なっ、何をしたの?」

「攻撃力を上げるPSIをキミにかけて」

「防御力を下げるPSIをあいつらにかけたんだ」

「そして、俺達があれを一つの位置に集めたら」

「強烈な攻撃で一気に倒せ!」

 ネス、リュカ、フォックス、ファルコが口々にアイスクライマーにそう作戦を話す。

 どうやら、とどめは彼らに刺させるようだ。

「……分かったよ。みんな、お願い!」

「ああ!」

 フォックスとファルコは素早い動きで混ざった人が上手く一つの位置に集まるように誘導する。

「よし、今だ!」

「うん!」

 そしてフォックスの号令と共に、アイスクライマーがゴムジャンプで飛び上がり、

 混ざった人目掛けてハンマーを振り下ろす。

「「でりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」」

 そして、ポポとナナのハンマーが混ざった人に命中すると、

 混ざった人は叫び声を上げてバラバラになるのだった。

 

「どんなもんだい!」

「どんなもんよ!」

「うわ~、まさに息ぴったりだったねぇ」

 アイスクライマーの活躍に、ネスとリュカは拍手した。

「あっ、でも勝負の後はちゃんと回復させないとね」

 そう言って、ネスはポポ、リュカはナナにライフアップをかけて傷を癒した。

「ありがとう、みんな」

「えへへ、それほどでもないよ」

 アイスクライマーに感謝されて頭を掻くネスとリュカ。

「まったく、子供同士はすぐ仲良くできるんだな」

「それを見守るのもまた、大人だぜ」

 フォックスとファルコは、子供組の様子を微笑ましく見守っていた。

 

「う~ん、後は特に何もなさそうだし、そろそろラストホープに帰ろうか?」

「仲間も見つかったし、もうくたくた~」

「まぁ、いい情報は見つからなかったが、とりあえず、アスティマのところに戻ろうな」

「うん!」

 そう言って、フォックス達はラストホープに向かう道を歩くのだった。


 
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