No.963938

それでも太陽は赤く染まる!第19回「タイムオーバー!」

姉の美穂の思いつきの提案で朝の習字前の定期健診にしばらくぶりに改装された歯医者に自転車で顔を出したひとし。
だが、息子さんの代に代わって美人?の助手さんもついて、予想外の対応の仕方に戸惑いを隠せなくなり・・・。

2018-08-17 11:00:05 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:792   閲覧ユーザー数:792

第19回「タイムオーバー!」

 

習字の時間がこくこくとせまる中、助手の神山のきつい物言いに耐えていたひとしだったがついに10時の時間をまわってしまい身体の全精魂気が抜けたように観念して神山の歯の小言指導(ありがたいお話し)を結局最後まで聞く事に・・・。

 

神山、自分のペースを崩さずロボットのようにタンタンと説明を続けて冷めた表情のまま・・・。

 

神山

「それでは、話しの方長くなってしまいましたが、最後にさらっと磨き方の指だけさせていただきますね。服部さんいつも歯を磨かれるの食べてすぐですか?それとも結構時間置いたりとかしていますか?( ̄д ̄)」

 

ひとし、もうどうだっていいやと正直に開き直り観念したように・・・。

 

ひとし

「寝る前に磨いてます。(-_-)」

 

神山、すでに当然と分かっていたような口調で・・・。

 

神山

「これだけの汚れを見るかぎりそんな感じでしょうね。基本は食べた後すぐか1時間以内に磨いていただくのがベストです。やはり食べ物が歯に挟まったままの時間が長ければ長いほど不潔になってしまいますし、それだけお口の中に細菌が増えやすい状態となってしまうので、なるべくなら食べた後はやく磨くのを意識していただく方が歯石も出来にくくなりますし、虫歯の十分な予防にもなると思います。今、服部さんから聞いた話しでは寝る前だけという事ですけど、何か日中は磨けない理由でもあるんですか?」

 

ひとし、その言い方に少し反応に困ったような、神山の目を気にしてあたふたと言い訳を考えるように・・・。

 

ひとし

「あ、あの実は僕の家、最近洗面所に幽霊が出だしてへんな物音まで聞こえて歯磨きに集中できなくて・・・。Σ(゚Д゚)だから寝る前に適当に磨いちゃう感じなんです。」

 

神山、ほとんど動揺もせず平然とした口調のままきっぱりと・・・。

 

神山

「そうなんですか!そんなのただのゴキブリかネズミの見間違えとかじゃないんですか!別にコップと水さえあれば歯磨きなんてどこでも出来ますよね。歯ブラシ一本さえ持てば御自分のふとんの中でだって普通に・・・。違いますか?( ̄д ̄)」

 

ひとし、神山の強い威圧に押されるように言われるがまま・・・。

 

ひとし

「は、はい、そうです。(話し通じてるけど、通じない。(>_<)」

 

神山、相変わらず冷めた表情でたんたんと語るようにだがちょっと強く・・・。

 

神山

「ご両親の方はその事にかんして何か言ってるんですか!(⊳〇⊲)別に皆さん怖がられている感じがなければ、服部さんの気にしすぎだと思いますし、一度、精神的な病院へ行かれたほうがいいと思いますけど。それとも、もし服部さんに霊感みたいなものがあるとして別に変な危害を加えてくるようでなければ全然放っておけばいいんじゃないですか。詳しいことは知りませんけど私は仮にそんなもの見えたとしても全然気になりませんし、相手にもしませんけど。!(⊳Д⊲)」

 

ひとし、そんな神山の冷めた言い方に何の言葉も見つけられず・・・。

 

ひとし

「は、はあ~・・・。(-_-)(そんな感じですね。神経も図太そうですし、おばけの方が怖がって逃げていくかも・・・)」

 

神山、マイペースに話しを戻して・・・。

 

神山

「そんな事よりも、このままきちんと磨かなくて歯がぼろぼろになってしまってこの先の長い人生何も食べられなくなる方がよっぽど恐ろしいと思いますよ。おばけは何も食べないからいいでしょうけど。そう思いませんか!!(⊳Д⊲)」

 

ひとし、一方的に言われるまま、何も言い返せずこくりと無言でうなずくと同時に神山がなにか悟ったように。

 

神山

「なんか、服部さんすごく回りくどい話し方に聞こえるんですけど、私の言葉にいちいち下手な嘘つかなくていいですからね。磨くの面倒でやってなかったなら、そう言ってくれればいいいですし、私べつに怒りませんから!(⊳Д⊲)」

 

ひとし、ふいに胸がカッとあつくなり・・・。

 

ひとし

「(怒ってんじゃん。(>_<)てか本当に僕に霊感あったらどうしてくれるんですか!今の言葉謝罪してくれるんですか。(-_-))」

 

神山、悪びれた様子もなくたんたんとすぐに話しを切り替えるようにひとしに持っていた歯の模型と歯ブラシを見せつけるように・・・。

 

神山

「それで歯をみがくときですけど、ただあてもなくゴシゴシこするようなやり方だとかえって歯を痛めてしまうので、この歯と歯茎の間ですね、マッサージするような感じで、隙間から上下、右左と汚れをかきだしてあげるように磨きます。奥歯は特に磨きにくい場所でもあるので裏側まで念入りに行ってください。横向きのブラッシングだけですとよごれもあまり落ちないので。よくテレビなんかでうがい薬のようなもので歯の隙間まできれいにしてくれますとかやってますけど、あんなのは嘘っぱちなので、言い方悪いですけどようはお金儲けですね。楽に済ませられる事なんてありませんので、ちゃんと自分で磨いた方が確実ですね。あと、服部さんおうちのほうでネットとかされてるかどうかわかりませんが、ああいったのもですね、結構誤ったあてにならない情報とかも多いので、あまりむやみやたらとうのみにしないほうがいいです。もう中学生なので自分の意志で自覚できる年齢かとは思いますけど。( ̄〇 ̄)」

 

神山、だいぶ気力を奪われたように何の反応もないひとしに構わず話しを続けて・・・。

 

神山

「それから歯の細かい隙間に関しては、やはり歯ブラシだけでは届かない限界な部分がありますので、糸ようじとかでもいいんですけど歯間ブラシやフロスって聞いた事ありますかね。( ̄〇 ̄)ここに一応あるんですけど先っぽにやわらかいはりがねのようなこんなですね、小さなブラシがついていますがこれを歯間ブラシと言います。使い方は御想像されて分かる通り、この歯と歯の間ですね歯茎を傷つけないようにゆっくりと挿入して隙間にたまった汚れをこすって落とすような感じで磨いていきます。これは模型ですから入りやすいですけど、実際はもちろん歯の隙間には人それぞれ個人差がありますし服部さん特に矯正とかもされてなくて歯並びも悪いので入らないところは無理に入れる必要はないです。・・・。ちゃんと聞いててくださいね。( ̄д ̄)」

 

が時々、心に釘を打ち込むようにひとしがぴくんと反応するのを確認するかのようにそれでもマイペースにしゃべり続ける神山。受付の方からカランと誰かが入ってくる鈴の音が聞こえてきた。

 

神山

「それで、もうひとつはフロスですね。フロスの方はこんなふうに糸状に一つのケースに何センチかおさまっているもので適当な長さにきっていただいて、ようは歯間ブラシと同様歯の隙間に挿入して汚れをかきだして落としていくものですね。なので歯の隙間の虫歯になりやすい汚れはこの歯間ブラシやフロスを使用していただいて、歯や歯茎のマッサージは歯ブラシと言う感じですかね、毎食後このような感じで歯のお手入れをしていただくといいと思われます。あと先っぽがとがった隙間歯ブラシなんかもありますが、細かい所ですとやはり歯間ブラシとかの方が勇利だと私は思います。( ̄〇 ̄)最初はなかなか隙間に入らなくて面倒くさいという方もいますがなんでもそうですが、慣れですね。この後、帰りとかに薬局屋さんにでも行ってのぞいてみたらいいかもしれませんね。( ̄д ̄)」

 

神山、ひととおり話しがすんで一仕事終えたようなあまり気配りの感じられない横顔を沈んだ瞳のひとしに見せると最後に・・・。

 

神山

「とまあ、次の患者さんいらしたようなので、軽く説明させていただきましたけど、今後ですね、服部さんがどう磨かれるかによって歯の健康の人生が大きく変わってくるかと思われます。ざっとでしたが服部さんの方から何か質問とかありますか!特になければこれでおしまいにさせていただきますけど。( ̄д ̄)」

 

時間もだいぶ過ぎて、長々と一方的に話しを聞かされて少し緊張もほぐれたせいか、いつの間にかむすっとした表情に変わっていたひとしは思わず強い口調で・・・。

 

ひとし

「これ、全部わざわざ買わなきゃいけないんですか!うちの家族歯ブラシだけでこんなもの沢山使ってないですけど・・・。(♯-_-)」

 

神山、その言い方に神山も違和感を感じてか負けずと強い口調で言葉を返すように・・。

 

神山

「別に買う買わないの問題ではなくて、服部さん自信が御自分の歯をこの先一本でも清潔に長く保たせたいお気持ちがあるのであれば使った方が良いですよって事なので、他の方がどうとかなんて関係ないと思いますよ!(⊳〇⊲)ただ今の服部さんの歯の健康状態をチェックさせていただいた限りでは使った方がいいと私は思いますけど、それがもし面倒くさいのであれば先ほどもさんざん申しました通り近い将来的に年齢は若くしてお口の中だけぼろぼろのお饅頭ひとつ噛む事の出来ないしわしわなおじいちゃんのような歯になってしまいますよと申しましたけど、それは嫌ですよねって話しです。だからそれに関しては服部さんの好きに決めちゃってくれればいいですよって事なので・・・。もういいですかね、次の予約の患者さん待たせ過ぎてしまうと申し訳ないので・・・。!(⊳Д⊲)」

 

神山が少し嫌気をさしたように片付け始めるよう立ち上がり、強制的に話しを終わらせたかと思うと、ひとしの何も言い返してこない反応を確認してさらに・・・。

 

神山

「それから私からもひとこと言わさせてもらいますけど服部さん男の子なんですからもう少しはっきりと喋ってくださいね!(⊳Д⊲)ぼそぼそとしゃべってると他の方はどうか知りませんが、私はけっこうイラっとくるので。私は実家が犬山なんですけど年のはなれた弟が5人いてみんな、はきはきしてますよ!まあこれは私事で全然関係のない話しですけど。もう中学生なんでしたらなおさら、次からちゃんとお願いしますね!(⊳〇⊲)それでは先生呼んできます。」

 

ひとしの言葉も待たずに神山が「お願いしま~す。( ̄д ̄)」と奥に向かうと、数秒たって入れ替わるように上機嫌の院長先生がマイペースに現れた。

 

中野院長、無駄に笑顔を振りまくようにひとしの顔を見るや・・・。

 

中野院長

「お疲れさ~ん。それじゃお口の中確認するね~。イス倒すよ~。\(^o^)/」

ひとしは言われるまま魂の抜けた人形のように表情に力が入らないまま口を開ける。

 

中野院長

「おっ、ばっちし綺麗になったね。OK。しっかり歯ブラシの指導は聞けた!?(*´ω`*)」

 

ひとし、生ぬるい感触の悪いゴム手袋の指を唇に感じながら無理に作り笑いをつくると・・・。

 

ひとし

「は、はい・・・。(#^ω^)(人の気も知らないで。(♯-_-))」

 

中野院長、その言葉に満足そうにひとしのイスを起こすと・・・。

 

中野院長

「今日からまたしっかり磨いてね。次の定期健診で会う時、楽しみにしてるから!じゃあ、終わっていいよ・・・。気をつけて帰ってくださ~い。\(^o^)/」

 

先生の仏のような笑みは今のひとしの心には何の効果もなく、なんとか笑顔をつくりだして・・・。

 

ひとし

「ありがとうございました。(何が終わっていいんですか!人間ですか!?ていうかその性格、天然かよ!(-_-))」

 

すでに心に小さな怒りの熱が燃え上がり始めているのを必死にこらえてカバンを手に立ち上がるとひとしは急に我慢していた尿意がぼうこうに蘇りいそいそと治療室を後にした。

 

そして治療室どなりにあったトイレに飛び込むといそいで、ズボンのチャックを下ろしてシャーッとぼうこうがゆっくりとしぼんでいくのを感じながら安堵と落ち込みの混ざったため息をもらした。

 

だが、小便をしながら身体の力も一気に抜けて頭がボーッとしたような感覚に身を預けているのもつかの間、外のカウンターの方から「服部さ~ん、お待たせしました~。」とマイペースな神山の声にすぐに身体に緊張と幽体離脱寸前だった魂が戻り引き戻される。

 

ひとし

「は、は~い。Σ(゚Д゚)(なんなんだよ、まったく・・・。(♯-_-))」

 

ひとしは、怒り慌てながらも、急いでおしっこを全部出し切るように挟みそうになりながらチャックをあげると軽く水道で手を洗いぬれたまま勢いよくドアをあける。そして患者らしき待ち合いの角のイスで足を組みしきりにタブレットをなぶっているやり手そうな若いスーツ姿のサラリーマン男性を横目にカウンターへと突っ走って行った。

 

神山、走ってくるひとしを見るや不愉快そうな相変わらずな無神経な表情で・・・。

 

神山

「走らないでくださいね!( ̄д ̄)年配の方も見えたりするので、ぶつかって入れ歯が外に弾き飛んでけがされた方もじっさいいらっしゃるので・・・。」

 

ひとし、も不愉快そうに・・・。

 

ひとし

「はい・・・。(-_-)(いちいちうるさいな、人の事さんざんののしっておいて、説教師か!?!(⊳〇⊲))」

 

神山、ひとしの反応など気にせずマイペースな口調なまま視線も合わせず・・・。

 

神山

「保険証ありがとうございました。これ新しい診察券のカードです。なくさないようにしてくださいね。西山さ~ん、治療室へお入りください。( ̄д ̄)」

 

他の患者と自分をダブルに扱うような雑な口調の接し方に不快感を覚えるひとし。差し出してきた凶暴なサメが口を開けて歯並びをずらりとみせた悪趣味な診察券をひとしが「ふ~っ!」とため息交じりで壁のすでに11時まじかな時計の針と交互に眺めているとまた神山がパソコンを打ちながら話しを切り出すような口調で・・・。

 

神山

「服部さん、それで先ほど言い忘れてしまったんですけど歯間ブラシははりがねタイプともうひとつゴムタイプのがあって、ゴムタイプの場合、先っぽは細いですけどだんだん太くなってすきまにきちんと入らない事があるので、どちかかと言えばはりがねタイプのものがおすすめですね。( ̄〇 ̄)後、服部さん歯並びもよろしくないのでなるべく細めのSSS(スリーエス)サイズがよろしいかと思います。もし買われるのであればこちらでもお売りしておりますけど・・・。( ̄д ̄)」

 

とカウンター越しに置かれた歯間ブラシ10本入り、580円が目に入ったが、ひとしは不満そうな顔で・・・。

 

ひとし

「お金あんまり持ってきてないのでいいです。(-_-)」

 

神山、ひとしのその反応になんの動揺もせず・・・。

 

神山

「まあ、お値段が気に食わないのであれば、そのへんは服部さんが自由に気に入ったお店で買っていただいていいです。( ̄〇 ̄)ただ、今流行りの100均とかだと手軽ですけど雑で毛先が荒かったりするのでこちらとしてはあまりお勧めはしません。( ̄д ̄)」

 

ひとしが不快感に返す言葉に困っていると、最後に神山がさっさととどめを刺すような冷めた言い方で・・・。

 

神山

「それではお大事にしてください!何かありましたら次は必ず電話で予約してきてくださいね。お疲れ様で~す。( ̄〇 ̄)」

 

パソコンからほとんど視線をこちらへ向けずそのまま不愛想に治療室へと去っていく神山に嫌気を覚えながら、ひとしは返事も返さず怒ったようにドアを乱暴に開けるとほぼ客もなくカラに近い駐輪所めがけて駆けていった。まだ4月の始めでもあり風が吹くとやはり冷たい。気分が沈んでいるとなおさら敏感に心にすきま風を感じる。

 

急いで自転車を引っ張り出し書道具のカバンを前かごに放り込みまたがると眉間にしわをよせて猛スピードでペダルをこいで突っ走って行く。

 

ひとし、心の中でたまった不満を爆発させるように・・・。

 

ひとし

「(ああ寒い。上着持ってこればよかったな、トースターの爆発でお姉ちゃんと逃げるように家出てきたからな。お姉ちゃんも薄着だったけど帰りとか平気かな、たぶんカバンに何か上着変わりなもの入っているだろうけど。(-_-)ていうか、そんな事より完全に習字間に合わないじゃないか!なんだよ、あの患者に向かって失礼な言い方は、歯を削る前に患者の接し方勉強してこいよ!本当頭くるな~。助手ものんきな先生にも。何がはきはき喋れだよ、こっちが気を使ってやってるのをいいことに、助手の犬山の実家の兄弟なんか関係ないっつうの。!(⊳〇⊲)神山じゃなくて犬山に苗字かえちゃえよ。神々しさのかけらもないくせに!腹立つな本当!入る時はきずかなかったけど、あんな悪趣味なサメの壁画なんかみせられたら患者逃げてくよ絶対。サメのように歯を頑丈にしましょうとかのジョーズとジョークのダジャレのつもりかもしんないけど、くっだらない!改装なんかしないでさっさとつぶれちゃえば良かったんだよヤブ歯医者が!次の定期健診までにつぶれてくれないかな。その前に二度と行くもんか!歯医者なんて他にも腐るほどあるんだから。!(⊳Д⊲)」

 

ひとし、なんだかんだと悪態つきながらもシャーッと広い交差点の点滅青信号をぎりぎり渡り終え、あおい町の派手な布端教会の時計がすでに10時59分の針をチラ見するとさらにイライラが増してスピードを上げペダルを漕ぐ。

あおい町と書かれた電柱にひとしはそういえばここはさやかの住んでいた町内だと思い出す。

 

ひとし

「ああ~~、本当行きたくないな習字なんか。(♯-_-)1時間も遅刻して!のんきに紙の上に筆なんか走らせてる気分じゃないよこりゃ~。このまま遠くまで走って消えちゃいたいよ。でも昨日そろばん休んじゃったし、今日行かなかったら先生、家に電話してくるかも知れない。こんな時にバラエティーにいろいろ教えてる塾って嫌なんだよな~。そろばんならそろばんだけ教えてればいいのに。それにやっぱりどの道習字は書いた紙をお母さんに見せるから行ったとごまかしても証拠がない。おまけにさやかと習字も一緒だなんて、あんまり会いたくないってのに!(-_-)これじゃあ昨日そろばん休んだ意味全然なかった。もう、歯医者のイライラとさやかのダブルパンチだよこれじゃあ~。ったくお姉ちゃんが歯医者なんて言わなきゃ怒りも半分ですんだのに!帰ったらひどいぞ~。あああ~~~っ!逃げ道も結局どこにもないなんて、今年は本当の厄年かもしんない!(>_<)」

 

ひとしは心でさんざん不満をぼやきながら一瞬両目をぎゅっとつむりハンドルをこぶしでバンバン叩いて発狂すると、勢いつけて立ち漕ぎをするように立ちあがりまた猛烈な力でペダルを漕ぎ始めた・・・。

 

が、その瞬間。「わあ~~っ!Σ(゚Д゚)」

 

「ガシャーーーーーーーーン!」

 

十字路の細い交差点で不意に勢いよく横切ってきた一台の自転車にぶち当たってしまい、ひとしは一瞬で思考をうばわれ時間が止まったように自転車ごと地面へと仰向けに倒れた。


 
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