六面
湖の深部の上から湖の中心部へ。
湖は黒く光りを反射しない。実際に黒いわけではないが、あまりの深さに黒く見える。
見たところ、ノーマルな色合いのアラサラウス(♀)が現れ出す。
霊夢は浴びせかけられる弾幕を避け、逆にアラサラウス達にショットを浴びせかける。
そんな調子で、その辺りのアラサラウスを全滅させ、霊夢はホッと息をつく。
湖はダークな雰囲気を放っていた。
その中で普通ではない服装の少女を霊夢は見つけた。
霊夢「私の名前は、博麗霊夢。あなたは?」
先程とは違い、礼はしないが自己紹介をする霊夢。
静玉「静玉よ。この一帯のぬしって事になっているわ。いわく、水源郷のぬし。」
女言葉でしゃべる少女・・・・静玉が自己紹介を一通りしてくれる。
静「ところで私に見覚えはない? 一度会っているけど。」
霊「ない。」
静「そう。ところで・・・・」
静「この水源郷では、今戦争が起ころうとしているのよ。」
霊「そうだったの!?」
静「だから、水源郷のぬしである私が戦争の合間をぬって天(そら)の代わりになる偽物の大天(おおぞら)の工事をしなくちゃならないわ。」
霊「天って何?」
静「幻想郷の天よ。有名どころだと、あの比那名居天子が住んでいるのも幻想郷の天なのよ。」
霊「ところで、戦争って誰が起こすのかしら?」
静「今のところは、空寝の一派が起こそうと頑張っているわね。ちなみに呼称は”小戦争”よ。」
霊「・・・だったら、私達の小戦争を始めない?」
静「戦争を起こすには、兵隊と武器は最低でも要るのよ?」
霊「弾幕ごっこの事よ。」
静「あぁ、そう。」
第一のスペルカードが発動する。
最期のスペルカードを霊夢が避けきる。
撃破済みの静玉に霊夢が改めて話しかける。
霊「あなたはこの水源郷のぬしなのよね?どういう経緯でぬしになったの?」
静「多数決よ。それより、あなたとの小戦争はもう終わりだからね。」
霊「ちょっと、やりすぎちゃったかしら。」
静「この水源郷について聞きたいみたいね。長くなるけど、説明していくわ。」
静「この水源郷が出来たのが今から三か月前。その後すぐに変陽と空寝が外の世界から来たのよ。」
静「外の世界から来るには、龍神様の、特に九〇龍神様の四通目、冥府の主のましも様の碰(ほう)という道具が必要になるらしくて、それを使ってましも様は寂しさを紛らわす事を考えられているみたいね。」
静「この界面湖を創られたのもましも様であらせられます。」
静玉は飛んだまま、天に向かって平伏する。
静「要するに、舞台も人材も半分はましも様が用意されているのよ。これから起こる小戦争ではね。」
静「大体話したわ。これで話は終わり。」
霊「長かったわ。お疲れ様。」
静「それは私に言っているの?それとも、画面の前の人に言っているの?」
霊「???」
Tweet |
|
|
0
|
0
|
追加するフォルダを選択
幻想郷の東方。
そこにある草原郷が龍神様によって水没させられてしまった。
その水没した辺りを水源郷と賢者は定めた。
その水没して出来た海のような湖を界面湖と言う。
その界面湖と水源郷を巡る話。