二面
隠岐奈の家
その家に霊夢は来ていた。
巨大なその家は摩多羅 隠岐奈の住居で、金箔の飾りつけが多く、この家は偉い人の(神の、だが)という目印になっていた。
その入り口の扉を開く。
その大きな扉はこの家の規模を示し、神社の鳥居ほどはある。
霊夢「扉が勝手に開いた?」
自動扉(ドア)というのだが、それを霊夢は知らない。
霊夢は胡散臭げな表情をして、扉の開くのを待つ。
賢者と言えば、八雲紫。それと、隠岐奈の態度が重なるのだ。
奥に金色が目立つ建物が立ち並び、隠岐奈の胡散臭さを際立たせた。
手前に実用的と思われる日常的な施設が立っていた。
それらを霊夢は無視して、隠岐奈の居そうな場所を探す。
途中、黒装束を着た人間達が襲い来る。
霊「何?この変な集団は?」
話す暇もなく、この一団が霊夢に襲い来る。
文字通り、弾幕を張る人間達。銃を持って。地上で。
霊「随分、速い球ね。」
と、悠長に霊夢は避ける。
霊夢が弾幕を張ると、札が銃に張り付きその人間達は銃の重みに耐えきれず取り落とす。
それらの人間達は一目散に散っていった。
霊「人間だから、この程度では死なないわよね。多分。」
霊「でも、何かしら?この鉄塊は。」
進む間にも銃による弾幕は続く。
その弾幕を抜けて霊夢が適当に進むと、一番立派そうな建物が見えて来た。
霊「あれがきっと隠岐奈の家に違いないわ。」
家に近づいて、中にいるであろう隠岐奈に呼びかける。
霊「この家が隠岐奈の家?かなり大きいわね。
隠岐奈ーーーーーー!!」
隠岐奈「そろそろ来ると思ったわ。何があった?」
霊「その・・・・、(大きな声出しちゃった・・・。)”空寝”という人物は知っている?」
隠「私に勝てば、教えてあげよう。」
霊「弾幕ごっこはもう今日はうんざりよ。」
隠「随分、ノリが悪い。珍しいな。」
霊「やる気ね・・・・。それなら、先に教えてもらいたいところだけど。」
隠「仕方がない。・・・・空寝は界面湖に住んでいるらしいな。」
霊「随分、話が分かるようね。こんなに素直だったかしら?」
隠「これ以上は、弾幕ごっこの後に話してやろう。」
第一のスペルカードが発動する。
最期のスペルカードを避けきった霊夢に隠岐奈が再び話しかける。
隠「空寝の話だったか?この前の東方行きの視察は覚えているよな。」
霊「視察・・・?そんな大層なものじゃないと思うけど?」
隠「その時に創造された東方の界面湖に、住み着いたのが、空寝、妖怪と記憶しているよ。」
霊「妖怪?その妖怪が天使を使役して、何をしようと言うの??」
隠「私にも分からないが、私の記憶では界面湖に住んでいるのは、空寝と変陽と静玉という妖怪じゃなかったかな?」
霊「空寝以外に二名も妖怪が・・・?」
隠「覚えられないだろうから、紙に書いてやろう。」
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幻想郷の東方。
そこにある草原郷が龍神様によって水没させられてしまった。
その水没した辺りを水源郷と賢者は定めた。
その水没して出来た海のような湖を界面湖と言う。
その界面湖と水源郷を巡る話。