十常侍1「連合はどうなっておる!?」
兵「今、汜水関前に展開しているとのことです」
洛陽の十常侍が治めている区画で、神流を保護と言う名目で軟禁していた十常侍たちは反董卓連合の動きを見ていた 今はまだ、董卓軍の兵も洛陽に残っている 逃げるなら、もう少し時期を見たほうがいいと考えていた
神流「(月・・・みんな・・・)」
神流は、何とかここから逃げる事を考えていた どうせこのまま生きていても、こいつらに傀儡にされる なら、月たちと一緒に死んだほうがいいと思っていた
神流「(こいつらが逃げるときに、月たちのところへ走れば・・・)」
神流は静かに、そのときを待っている
―――Side 連合―――
連合は、汜水関前に集結していた そして、軍議の通りの配置となった
呂刀「狂骨、予定通りに頼む」
狂骨「了解した・・・ところで、『あれ』使ってもいいか?」
桂花「ちょっと待ちなさいよ・・・『あれ』使うの?」
桂花は『あれ』が何であるか知っているので、慌てる
呂刀「う~ん・・・まあ、機会があればね・・・(なんか、マッド具合に拍車がかかってる?)」
正解である
―――Side 華雄―――
華雄「・・・さすがは連合、か」
華雄は城壁から、眼下に見える連合を見ていた
兵「華雄様!準備完了しました!」
おそらく、自分は死ぬだろう 自分の力量は分かっている お世辞にも、良い将とは言えない おそらく、いずれ始まるだろう罵倒に耐えられるかと言われれば、自信はない
華雄「だが、少しでも時間を稼ぐ・・・!」
どうせ、死ぬなら少しでも時間を稼いで、虎牢関にいる霞たちに迎撃の準備を整えさせる そう決めると、歩き出した
―――Side 連合―――
春蘭「出てきたぞ!進めー!」
華雄が城から出て、戦闘を仕掛けてきたのを契機に連合も動き出した すぐに決着がつくと思われたが、意外にも華雄が突っ込んでこなかった
雪蓮「へえ・・・あの華雄がね」
華雄の動きに諸侯は驚いた だが―――
華琳「突っ込んでこないなら、突っ込んでこざるをえない状況にしてしまえばいいでしょう」
華琳の命で、華雄に対する罵倒などが始まった その効果はあったらしく、突っ込んできた
狂骨「さて・・・行きますか・・・」
意外にも、前線を押している華雄たち そして、呂刀より狂骨にGOサインが出た そして、狂骨が持っているのは―――
春蘭「くそっ!」
凪「春蘭様!落ち着いてください!」
前線では、主に魏が攻撃を仕掛けていた 呉は、積極的に攻めようとはしていない
秋蘭「意外だな・・・あの華雄が」
秋蘭は、華雄の戦い方に素直に感心していた 先ほどの罵倒でも、怒りはしていたが月のことを出すと、踏みとどまったように感じた
真桜「でも、そろそろ終わり「邪魔するぞ!」へ?」
突然戦場に聞こえた声 その声に、その場に居た全員が振り返った
狂骨「さて・・・赤口砲(しゃっこうほう)の威力・・・試させてもらう!」
狂骨が、構えているのは『赤口砲』 早い話が、クラスターを打ち出すバズーカである 狂骨が開発したクラスターはその取り回しの悪さがネックだった 悩んでいたら美影が「小さくは出来ないんですか?」と言った 美影はそのあと桂花に叩かれたが狂骨は「キター!これで勝つる!」と叫んでいた そして出来たのが、小型クラスター『火星』とそれを打ち出す大砲『赤口砲』である ちなみに、打ち出す火星の大きさによって「壱式・弐式・参式」の三パターンに分かれている
真桜「な、なんやあれ!」
真桜は、興味津々 それを止める沙和 他の面子は「何ぞ!?」みたいな目で見ている
狂骨「参式火星・・・発射ァ!」
そして、打ち出された火星は―――
董卓兵「ギャー!」
董卓軍の兵を巻き込んで、凄まじい威力を発揮した 具体的に言うと、一気に300人ぐらい吹き飛んだ
華雄「な、何だあれは!?」
何とか、着弾地点から離れた華雄の叫びは、赤口砲の威力に黙ってしまった戦場において凄く響いた さらに、狂骨は汜水関の門に狙いを定め―――
狂骨「とあるイジンが仰っていた・・・でかい門にはデカイモンだ!吹き飛べ!」
呂刀「それは『イマジン』だ!」
そして、華雄が崩壊した汜水関の門を呆然と見ていると―――
狂骨「さて、華雄?俺の下に降ってくれるなら、命の保障はするが?ま、答えは聞いてないけど」
赤口砲を向けてそう問いかける狂骨 もはや、脅迫である
華雄「わ、分かった・・・」
華雄は、武器を捨て投降の意思を表した この場に居る連合軍の気持ちは一つだった
―――華雄・・・お前は悪くない―――
呂刀「あ、あはは・・・」
猪々子「すげー!」
斗詩「いや・・・でも・・・」
猪々子や、美影は賞賛しているが他は苦笑いや、「さて、お仕置きするか」とハリセンを振っている
―――Side 虎牢関―――
霞「何やて!?汜水関が抜かれた!?」
霞たちは汜水関が抜かれたという報告に驚いていた しかも、華雄は善戦していたが、危険な兵器に脅され、投降したという報告を受けてさらに驚いた
恋「・・・ここに来る?」
霞「来るやろな・・・全員!守り固めや!」
兵「「「「了解!」」」」
虎牢関を守る霞たちは、とにかく守りを固める事にした
―――Side 連合―――
袁紹軍の天幕の一つで華雄が狂骨と話をしていた
華雄「・・・お前、あれは酷いと思う」
どうやら、赤口砲を突きつけたときに記憶が転写されたようだ
狂骨「すみません」
狂骨は、先ほど桂花にハリセンで思い切り叩かれ、ボロボロだった
華雄「はあ・・・とりあえず、お前らに協力するよ 月たちは助けてくれるんだよな?」
目の前で正座をして、首に「僕は悪い子」という札を下げられている狂骨を無視して、呂刀に確認を取る
呂刀「ああ 今、洛陽のほうに刑天が潜入しているからいずれ助けると思うよ」
華雄「しかし、あの何進が刑天だったとは・・・」
突然、現れた男「何進」それは、刑天の変装だった 実は、呂刀は月たちを助けるに当たり、自分たちが洛陽に到着するまでに十常侍により月たちが殺されたりしてはいけないので、刑天が月たちの護衛に潜入していたのだ
呂刀「でも、帝か・・・」
呂刀は華雄から帝も助けて欲しいと言われた
狂骨「大丈夫だろう」
狂骨が刑天は帝を助けると言ったので、「まあ、あいつに任せるさ」という事になった
呂刀「とりあえず、華雄はしばらくここに居てもらうよ」
華雄「分かった」
いくら、助けるためにこの連合を仕組んだとはいえ、ひょんなことでばれるかもしれないので冀州に戻るまでは、あくまで捕虜として扱う事にした
―――Side 洛陽―――
十常侍は、汜水関が破られ董卓軍が混乱している今が好機と神流を連れて、逃亡を企てた しかし
十常侍2「帝が居ないぞ!」
十常侍1「何!?」
十常侍3「探せ!」
隙を見せたときに、神流は逃げ出していた 向かうは、友人である月の元 だが―――
チンピラ1「おや~?お嬢さん・・・どこに行くのかな?」
神流「な!?」
洛陽は、今回のことで混乱し、どこからか不審な輩も入り込んでいた
チンピラ2「だめだよ?一人で歩いちゃ」
そう言いながら、近づいてくる10人ほどの男たち 神流は、ここで終わるのかと自分の無力を嘆いた
チンピラ1「さて、それじゃ「終わりだ」・・・あ?」
突然聞こえた声に振り向くと、顔に傷を持った男に殴り飛ばされていた
刑天「さて・・・悪いが、その子をお前らにやるわけにはいかないのでな」
一時的に変装を解いた刑天が、神流を取り囲んでいたチンピラを一気にのす
神流「そなたは・・・」
刑天「さて?それより、この先の四つ角を右に曲がれば董卓たちが居る所につく・・・急げ」
そう言うと、刑天は走り去っていった 神流は、しばらく刑天が走っていった方を見ていたが、我を取り戻すと月たちのところへ走っていった
刑天「あのような子供まで利用するとは・・・十常侍」
走り去ったと見せかけて、神流の後ろに回りこんでいた刑天は、物陰から十常侍に対する怒りを燃やしていた
刑天「まあいい」
そう言い「何進」になった刑天は、月たちのところへ向かう
―――Side 虎牢関―――
霞「お~お~」
恋「いっぱい居る・・・」
霞と恋は、虎牢関に進軍してきた連合軍を見据え、どう出るかを考えていた
―――Side 連合―――
呂刀「という訳で、狂骨は張遼を確保 俺は、蜀を出し抜いて呂布を確保するから」
先ほどあった軍議で、今回は劉備軍と袁紹軍が先鋒を務めることになった 恋は、劉備軍に突っ込んでくるだろう だが、霞は他のところに行く可能性がある なので、狂骨は霞が出てきたら、即効で確保する事になった
猪々子「でも、大丈夫かよ」
猪々子や、斗詩たちは呂刀を心配していた いくら、黄巾党との戦で戦えるのを見たとはいえ、恋相手に勝てるのかが不安だった
麗羽「まあ、それほど自信があるのでしょうけど・・・」
狂骨を除く全員に心配される呂刀 雛里は、ある程度闘えることを知っているが、恋と比べると・・・と思っている
狂骨「ま、正面から戦うのがいつも正しいというわけじゃないからな」
呂刀「そう言うこと 大丈夫だよ ちゃんと考えているから」
と言われたので、斗詩を護衛にする事で落ち着いた そして、連合は虎牢関に攻撃を仕掛けた
狂骨「・・・なあ、新兵器使っても「やめなさい」・・・はい」
霞が出てくるまで、自軍の援護も出来ない狂骨は暇なので、新兵器を使ってみたいと言ってみたが、それを問答無用で諌める桂花
雛里・美影「「・・・いいなぁ」」
そんな桂花を羨ましがる二人
狂骨「この日のためにいろいろ作ったんだけどナー」
―――Side 劉備軍―――
桃香たちは、虎牢関に段々近づいてきた だが、虎牢関より恋が出てきた事により、一気に劣勢に追い込まれた
恋「・・・遅い」
愛紗「くっ!さすが、呂布!」
鈴々「二人がかりでも、防がれるのだ~」
愛紗たちが、恋に攻撃を仕掛けているが有効な一撃を入れる事ができていない
桃香「どうすれば・・・」
朱里「・・・」
朱里は、必死に恋をどうにかする策を考えるが、うまく出てこない
朱里「こんな時に雛里ちゃんが居てくれれば」
かつての親友の顔を思い浮かべるが、雛里は袁紹軍に居た 汜水関から虎牢関に移動する途中に、会う時間が取れたので久しぶりに会って話をしてみた すると、雛里の口から出てきたのは惚気だった 最初は、砂糖を口から出していた朱里だったが、「こっちに来ることは出来ないか?」と聞くと今まで緩んでいた顔を引き締め、「それは出来ない ご主人様の傍を離れるなんてありえない」としっかりとした声で言われた その後、いろいろな話をしたが、雛里がこちらに来ることは狂骨がこちらに来なければないだろう
朱里「・・・あの人をこちらに引き入れる事できないかな」
狂骨が、汜水関で見せた兵器 虎牢関を攻める際の軍議で華琳があの兵器について聞いてきたが呂刀が「狂骨が自作した 製造法は、狂骨以外知らない」と言い、その場は収まった あの兵器を作れるほどの知力を仲間に出来ないかと考えていた
桃香「ああ!」
深い思考に入っていたが、桃香の叫びで前を向くと、恋に愛紗たちが吹き飛ばされていた
愛紗「くそ!」
恋「終わり・・・ッ!?」
止めを刺そうと、方天画戟を振り上げると、殺気を感じその場を離れた恋 すると、恋が立っていたところに、針が大量に刺さった
鈴々「な、なんなのだ?」
鈴々が、そう言うと自分の影が大きくなった
呂刀「フッ!」
影の正体は、劉備軍の兵を飛び越して来た呂刀が針を投擲したのだ
斗詩「呂刀さ~ん!?置いて行かないでください~!」
半泣きの斗詩の声が聞こえるが、呂刀君スルー 恋の前に立ち
呂刀「えっと・・・呂布ちゃんで間違いないかな?」
恋「・・・(コク」
とりあえずは、一応名前は聞いておく そして、呂刀は目の前に居る恋に向かい
呂刀「袁紹軍丞相、呂刀・・・お相手願えるかな?」
愛紗「な!?」
後ろに居た、劉備軍の兵は呂刀が戦う事に驚いていた 呂刀は、文官と思っていたからだ
恋「・・・戦えるの?」
それは、恋も同じようだった 一応、本当に戦うのかを聞いてみるが、呂刀は退く様子もないので、戦う事にした
呂刀「さて・・・行くとするか」
呂刀は、狂骨ほどの火力はない 刑天のように防御力もない だが、それを創意工夫で補うのが呂刀の戦闘スタイル 狂骨や刑天との模擬戦でも20回に一回は勝ち星を上げられるようになっている 以前は、100回やっても無理だったのが凄い進歩である
呂刀「ま、いつまでもあいつらにだけ戦わせるわけには行かないし・・・約束もあるからね」
そして、呂刀は目の前に居る恋に向かい行動を仕掛ける 自分に持てる全てを使い
「舞台裏」
呂刀「よっしゃー!俺が目立ってる!」
狂骨「嬉しそうだな・・・」
刑天「まあ、今まで出番がなかったからな」
とりあえず、次回は呂刀の本格的な戦闘だね~
狂骨「それと、俺と霞との戦闘か」
一応、次回で終わる予定だね ページ数が未定だけど
刑天「俺の活躍は~?」
心配しないで、ちゃんとあるから
狂骨「んで、閑話ですか」
呂刀「拠点のリクエスト待っています!」
一応言っておくと、猪々子と斗詩は呂刀派です
刑天「いつの間に?」
それは、大人の事情です
狂骨「どうせまた、描写が少なかったんだろ?」
スミマセン
呂刀「・・・お前ら、俺のことを種馬言うけど・・・お前らのほうが多いぞ!」
刑天「俺は今のところ『聖・涼・人和』か?」
狂骨「俺は・・・『雛里・美影・桂花・天和・地和』か?」
呂刀「俺は『麗羽・猪々子・斗詩・恋』だろ!お前らのほうが多いじゃん!それに、これが終わったらお前らが増えるだろ!」
あ、一応言っておくと、モブキャラの女性は呂刀が落としてますので、総合的に言うと呂刀が一番多いよ 狂骨たちは、名前付が多いから多く見えるけど
刑天「という事は・・・?」
狂骨「種馬、乙」
呂刀「うわーん!(泣」
刑天「・・・さて、今回は俺か 次回もよろしくお願いします!」
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18話です
汜水関攻略~虎牢関までですw