No.957788

【あまんちゅ!】お嫁さんにしてください!

初音軍さん

てこ×ぴかり(*´﹃`*)

2018-06-25 15:43:24 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:691   閲覧ユーザー数:691

【光】

 

 今日はてこが遊びに来る日。何だか胸がドキドキしていて落ち着かない。

そうだ、散らかってないかもう一度部屋の中を確認しよう。

 

 熱を出した時以来、久しぶりに訪ねてくることが少しくすぐったくて

ちょっと恥ずかしくて、すごく楽しみだった。

 

「ぴかり~」

 

 そわそわが止まらなくて一度外に出て風に当たろうとしていたら私を呼ぶ声が

聞こえてきた。この耳が幸せになるような声は、私の大好きなてこの声。

 

「てこー!」

 

 ハグっ!

 

 道端で大きなリアクションで抱きつく私とてこ。柔らかくて、てこの匂いがして。

ずっとこうしていたい気持ちになる。

 

「…中入る?」

 

 いつまでもこうしていたいけど、ふと我に返ると私は一度離れててこに聞くと

てこは顔を真っ赤にしながらも大きく頷いていた。かわいい、可愛すぎる。私のてこ!

 

 部屋には特別なものはないけれど二人でベッドの上でお喋りしたり

ダイビングの雑誌を眺めたり、これからどうしたいか。未来の話をしたり。

私としてはずっとてこと一緒にいられたら幸せだと思うけど、現実問題それが

なかなか難しいわけで…。

 

 まずてこが私とそこまでいたいかという疑問が出てしまうのである。

でもそれを考えてしまうと不安が生まれてしまうわけで…。

 

「ぴかり?」

「なんだい、てこさん」

 

 ハグってからけっこう時間が経つのにまだ顔が熱そうなてこ。

そして少しずつ私に近づいて私にくっついてやがて私は押し倒されるような

形になっていた。てこが上で私が下!

 

 少しずつ顔が近づいていくてこの顔。どんなに近くてもずっと見続けられるほど

綺麗だ。ドキドキが会う前よりも強くなっていく。

 

「ねぇ、ぴかり」

「う、うん…」

 

「こんなこと言うのも変かもしれないけど。言うね…?」

「いいよ」

 

 多分、てこの心臓も私と同じくらい鳴っているように思える。

そして…彼女が考えてることは私が感じていることも…同じように思える。

 

「ずっと前から思っていました…。ぴかり…私をお嫁さんにしてください!」

「てこから…言ってくれるなんて…嬉しい」

 

 私は笑顔でてこを受け入れる。両手をてこの背中に回して抱きしめた。

 

「い、嫌がられるかと思ったのに…」

「嫌なわけないじゃん。私…てこに恋してるのに」

 

「嬉しい…。すごく嬉しいよ、ぴかり…!」

「私も!」

 

 ずっと胸の奥に潜めていた熱い気持ち。それが溢れ出るように二人の口から

絶え間なく出てきた。何度も何度も、お互いに好きと言って。それから…。

 

 チュッ

 

 私たちはキスをした。恋人として、初めて…キスをしたんだ。

 

夢中になってキスを続けながらてこの柔らかさを堪能していた。

 

 ずっと待っていた。ずっと願っていた。てことこういう関係になることを。

 

「ん~~!」

「ぴかり?」

 

「嬉しい!」

 

 唇を離して震える私の反応にびっくりしたてこに私は笑顔のまま言った。

これは喜びの震えだった。

 

「てことずっとこうしたかった…!」

「これ以上のことも…?」

 

「てこが望むなら!」

 

 互いに額をつけて微笑んだ。考えてることも、思ってることも、いつも一緒。

ダイビングで感じたことや思ったこと。私と重なる部分が多くて、この恋としての

好きという気持ちも一緒だったらいいのにと思っていて、それも一緒だったなんて。

 

 何て素敵なの!

 

 しばらく離れられないで二人で抱き合ってると、てこがちょっと慌てたような様子を

見せる。

 

「どうしたの、てこ?」

「えっと、今日…ご家族は…」

 

「あぁ、今日はみーんな用事で私一人だったんだぁ」

「よ、よかったぁ」

 

「どうして?」

「だって…こうしてぴかりと二人でイチャイチャしてるの知られたら恥ずかしいし」

 

 もじもじしながら言うてこを見て、つい笑ってしまった。

 

「あはは、確かに。イチャイチャしてるの家族に見られたくないもんね」

「イチャイチャって…」

 

「違う?」

「違わないけど…」

 

「てこかわいい!」

 

 照れるてこが可愛すぎて私はつい力を入れて抱きしめると少し痛そうにするてこ。

 

「ちょっと…痛いよ…」

「ご、ごめん!」

 

「でも嬉しい…」

「痛いのが?」

 

「そうじゃなくて。ぴかりにそこまで想ってもらえるのが」

 

 恥ずかしそうに恥ずかしい言葉を私に向けるのが愛おしくてまた力を込めたくなるのを

グッと堪えた。こんなカワイイ子が私の嫁になるのかぁ…そして私もお嫁さん。

 

「ぴかりも私のお嫁さんだね」

「うぴょ!?」

 

「ん?」

「同じこと考えてちょっと…照れるね」

 

「えへへ」

 

 少し乱れた服の隙間から見える肌にてこがキスをしてきてびっくりした私は

びくっとしてまた顔が熱くなってくる。

 

「ぴかりは体にキスされるのは敏感なんだね」

「もう、てこ~~」

 

「可愛いからもっとやっちゃう」

 

 ちゅっ ちゅっ ちゅっ

 

「わひゃひゃっ。くすぐったいよ~、やめて~」

「だめ。ここまで近づけたの初めてだから…今は気持ちが止められない」

 

「ぴょっ…。それは私もだけど」

 

 ちゅっ

 

「ひゃっ!」

 

 顔真っ赤にしたてこに隙が出来て私はてこの綺麗な首にキスをした。

いつも一緒にいて、ダイビングしたけれどここまで密着したりキスしたりはなかったから。

いっぱい、てこの好きを感じられるこの時間が大好きだ。

 

 そして互いに手を握りあって微笑む。

 

「いつもと同じだけどいつもとは違うね」

「うん、もっと近くに感じられる」

 

 気持ち一つで感じ方が変わる。手を握る、ただそれだけのことで気持ちが昂る。

 

「これから先、私たちどうなるかわからないけど…できればずっと一緒にいようね。

てこ」

「うん、私は少なくともそう思うよ。いつか、大人になったらぴかりと同棲したいし」

 

「うぴょ!同棲…」

「嫌?」

 

 想像したら恥ずかしすぎて俯いてしまうのを悪い意味で捉えてしまったのか

不安そうに聞くてこに私は首を横に全力で振る。

 

「ううん!すっごく嬉しい!いいね、同棲!」

 

 未来はどうなるかわからない。でも二人の気持ちが一緒なら。ずっと一緒なら…。

願いは叶えられるかもしれない。

 

 ジッと私を見つめるてこの顔を見て私は強く思った。

 

 いや、「かも」じゃない。叶えるんだ!

 

 そして今日最後のキスを不意打ちでして私は笑顔でてこに言った。

 

「てこ、大好きだよ!」

 

 今日、二人がそれぞれのお嫁さんになって、水の中にいる時みたいに手を繋いで、

目を瞑って相手のことだけを感じていた。深く、どこまでも。

愛しい、てこのことだけど感じていた。

 

お終い。

 


 
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