「らんびーくん」
ぼくの名前は「羊丘 羅未(ひつじおか らみ)」
羅未というのは、Lamby(子羊みたいな)の当て字らしいけど、
本当はLambyは「らんびー」と読むらしいよ。
だから、みんなはぼくのことを「らんびーくん」って呼ぶんだ。
錬金術テクノロジーの発達した世界。
羊を図書館で借りたりできるよ(ただし、わけあり羊になるんだ)
そろそろ錬金術学校の本校に行きたいんだけど、実験で失敗ばかりしてるんで
なかなか進級できないんだ。
今日の課題は、花を咲かせる魔法肥料の調合。
見事に失敗したよ。
花が怒ってお仕置き草になってしまったんだ。
お仕置き草は食虫植物みたいに歯があって、人間に噛みつくんだ。
先生「まあまあ。らんびーくん、お仕置き草は危険だから庭に捨ててらっしゃい」
らんびー「・・・はい」
くやしくて泣きそうになったけど、担当のアバランシェ先生が励ましてくれたよ。
アバランシェ「Don’t worry it ! 俯いていないで上を向いて生きていきなさい!
モーツァルトも『胸を張れっ!手痛たく負けた時こそ胸をっ!』と言っていたでしょ」
モーツァルトじゃなくてカイジだった気がするけど・・・
とにかくアバランシェ先生が手振りを交えてで上昇志向の大事を熱く語ってくれたよ。
アバランシェ「そうそう。らんびーくん、パートナー(飼い主)の女の子が見つかったわよ」
らんびー「ええっ、本当ですか?」
ぼくはちょっぴり恥ずかしい気持ちになった。
パートナーとはぼくのような羊のお世話をしてくれる子のことなんだ。
ぼくは、わけあり人間なんで、特製アップルパイを食べると2時間ほど羊になっちゃうんだ(元に戻れるよ)
これは家畜でしか飼えない羊をペットで飼いたいという「ひつじタウン」の願望から起こった実験で、ぼくはわけありでその被検体になったというわけなんだ。
ペット仕様の羊は小学生くらいの年齢のままずっと成長しないんだ。
ふつう、羊は1年ちょっとで大人になっちゃうよ。
体重が50kg以上もある親羊なんてだっこできないからね。雄羊はもっと大きくなるよ。
つづく
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ほのぼのストーリーを絵本風にできたら、と思っています。