No.954980

ビーストテイマー・ナタ97

リュートさん

昔、書いていたオリジナル小説の第97話です。

登録タグはありません

2018-06-04 05:56:09 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:98   閲覧ユーザー数:98

再会の挨拶が終わるとゲイザーは単刀直入に話を切り出すことにしました。

 

「ユリアーノ様、私を人間の姿に戻す事は可能でしょうか?戻れないと非常に困るのです…」

 

「無論、可能じゃ…。わしが調合した、この丸薬を飲むが良いぞ?獣人化が解けるはずじゃ」

 

「ありがとうございます。これでアラヴェスタに行ける…」

 

ゲイザーが丸薬を飲むと獣人化が解けました。

 

「うむ、丸薬がなくなったら、また取りに来るが良い…。わしもここにおったら退屈でのぉ。お主のような面白い話し相手がおると楽しいもんじゃわい」

 

「私のどこが面白いと言うのでしょうか?私の話はつまらないと、よく知人から言われていたのですが…」

 

「それは理解が出来んからじゃろう?知能の低い者は知能の高い者と話すと、話がつまらぬと感じるものじゃからな」

 

「私もユリアーノ様やフォン様やアーク殿と話すのが楽しいと感じます…」

 

「それは同等の知能がある者同士ならば、会話が成立しやすいからじゃよ?知能の高い者もまた、知能の低い者と話すのは、つまらぬと感じるものじゃ」

 

ここでフラウが二人の会話に割って入ります。

 

「お話の邪魔をして、すみません。ユリアーノ様、私に先ほどの丸薬の作り方を教えてくださいませんか?お願い致します!」

 

「あの丸薬を作りたいと申すのか?少々、複雑な配合なので、わし以外には無理じゃと思うのだが…」

 

「私は薬草学に精通しております。知能の低い私には無理だと思われるのでしょうけど、私が調合出来れば、ゲイザー様はすぐにあの丸薬を手に入れられますので」

 

「フラウ殿が知能が低いとは思っとらんよ?うーむ、そうするとわしには会いに来てくれなくなるのか?寂しいのぉ」

 

「ユリアーノ様がお望みなら、何度でもお伺い致しますよ?用がなくても遊びに来ます」

 

「ふむ、しかしわしも最近ナターシャがおらんで退屈で仕方ない。そうだ!ナターシャ、わしをカードに封印しなさい?」

 

「えっ!お師匠様もナタの使い魔になるの?」

 

「お前と離れて暮らすのも、そろそろ限界のようじゃ…。わしも連れて行ってくれんかのぉ」

 

「ユリアーノ様が仲間になれば、こんなに心強い事はありません!私からも是非、お願いしたいです」

 

「この前、ナターシャが帰って来てから、ポッカリと心に穴が開いておってのぉ。もうナターシャと離れたくないんじゃよ…」

 

「じゃあお師匠様と侍従関係を結ぶねー」

 

ナタが呪文を詠唱すると真っ白なカードに獣人の魔導師の絵が浮かび上がりました。

 

…つづく


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択