No.954979

ビーストテイマー・ナタ96

リュートさん

昔、書いていたオリジナル小説の第96話です。

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2018-06-04 05:46:58 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:101   閲覧ユーザー数:101

計画は大成功を納め、マルヴェールで神父は手厚く介抱を受けました。すぐに体調は回復します。

 

「ではこの宝石を質屋に入れて参ります。いくらで取引すればよろしいでしょう?」

 

「今回は宝石の数が多いからな。交渉が難航しそうだ。私も一緒に質屋に行きたいのだが…」

 

「その姿でアラヴェスタに行くと、すぐに騎士団へ通報されてしまいますね…」

 

「変装をしたいのだが、その前に人間に戻らないと…」

 

「ナタのお師匠様なら、おじさんを人間に戻せるかもー?」

 

「確かにユリアーノ様なら何とかしてくれそうだ」

 

「じゃあ、お師匠様の塔に行くー?」

 

「ああ、頼むよ?ナターシャ…」

 

ユリアーノの塔に到着しました。ナタがトラップをサーチして回避します。

 

「お師匠様ー!ただいまー」

 

「おお、ナターシャ。一ヶ月ぶりじゃのぉ。逢いたかったぞ?」

 

「お久しぶりです。ユリアーノ様…」

 

「記憶は戻られたのかな?ゲイザー殿…」

 

「記憶は戻りましたが、獣人から人間に戻れなくなりました…」

 

「ふむ、どうやら完全な獣人になっておるようじゃのぉ。以前より匂いがキツくなっておる」

 

「そんなに…匂いますか?」

 

「獣人は嗅覚が優れておるからのぉ。特にお主は独特の匂いがするぞ?悪臭ではないがな…」

 

「国王は悪臭が酷かったです。鼻がつんざきそうでした…」

 

「悪い事を考えとる輩は悪臭がプンプン漂っておるじゃろう?」

 

「はい、私の行き付けのバーのマスターは善人のようでした。非常に良い香りがします」

 

「この能力を使えば、悪人などすぐに見破れるから便利で良いじゃろう?」

 

「便利ですが、恋愛には不向きですね。アラヴェスタの女性は悪臭が酷くて、お付き合いする気になれませんでした」

 

「ふむ、しかし良い女がおれば、すぐわかるじゃろうて?」

 

「昔の恋人のサラはとても良い匂いがしておりましたので、マルヴェールに連れて行きましたら、フォン様がサラを大層気に入られて、妻にされたようです」

 

「ほほう、あの男…ついに身を固めおったか!婚礼の儀には呼んで欲しかったのぉ」

 

「ユリアーノ様はフォン様とお知り合いなのですか?」

 

「わしはフォンから直接、血の契約を受けたからのぉ」

 

「ユリアーノ様はフォン様の直系だったのですね」

 

…つづく


 
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