漢王朝末期。国は衰退し、官は民を虐げていた。先も見えぬそんな世の中、1つの噂が流された。
『世が乱れしとき、天より白雷に乗りて天の御使いが舞い降りる。
その者、黒き衣をまとい、雷の帝の剣を携える。
その者、王を選びて忠誠を誓う。
そして、その王のもと世に安寧をもたらすであろう』
管路によってもたらされしこの予言は人々を、世界をどこへ導くのだろうか?
~そして始まる、もう1つの恋姫たちの物語~
正史とは少し違う歴史を歩んだ国、天皇国日本。類稀なる技術力で2度の大戦に勝利し、世界有数の大国となっていた。万物すべてに宿る力、氣を利用した独自の文化が発達し、それを利用した軍は世界最強の呼び声高い最強部隊だった。
国は代々天皇が治め、天皇は必ず女性が務めるのが習わしだった。
そんな日本の某所。人々が寝静まった深夜の闇のなかうごめく者たちがいた。
兵士A「教祖様。もうすぐ我らの悲願が達成されるのですね」
教祖「その当理じゃ。これが完成した暁には愚かなる天皇やその周りにいる者達を一掃し、この国は我らのものじゃ」
地下の秘密施設の研究室らしき一室で不気味な笑い声を上げる2人。しかしその笑いは突然の警報音でかき消された。
教祖「!? な、何事だ!!」
兵士B「申し上げます! 敵侵入。すでに各所で戦闘が始まっています」
教祖「なんじゃと!?」
慌てて司令室に走っていく教祖。しかし司令室についた彼を待っていたのは絶望的な状況だった。
兵士C「第5区画突破されました!」
兵士D「第7区画通信途絶!」
兵士E「第12区画壊滅!」
教祖は言葉が出なかった。守備側に有利に設計され各所に防衛システムを備えた地下要塞ともいうべき教祖自慢の地下施設が瞬く間に制圧されていく。教祖はあわてて声を張り上げた。
教祖「いったいどうなっておる!? どこの部隊じゃ!!」
兵士D「こ、ここっこ、これは・・・・・」
兵士が見ていたのは生き残った数少ない監視カメラの映像。そこには彼らがこの世で最も恐れる存在が映し出されていた。
教祖「何があったのじゃ!?」
兵士D「て・・きは、敵は! 『雷皇』です!!!」
その場にいたものは絶望に包まれた。雷皇。正式名称を天皇直属隠密特務治安維持部隊『雷皇』といい、その名のごとく天皇や国に害を及ぼす者たちを秘密裏に処理することを主任務とする特殊部隊である。別名「天皇の猟犬」、「日本の闇の守護者」などとも呼ばれておりテロリストたちが最も恐れる存在だった。
兵士C「14区画、陥落。・・・残すはここと研究室だけです」
その絶望は彼らのすぐそばに迫っていた。
副官「隊長。作戦目標の9割を完了。損害なし。残すはこの先の司令部と今回の作戦の最重要目標である研究施設のみです」
??「御苦労。戦闘態勢のまま待機」
副官「了解です」
走り去っていく副官。目の前にある堅牢な扉を前に軽く息を吐いた。この男が天皇直属隠密特務治安維持部隊『雷皇』の隊長を務める男。名を御堂(みどう)真(しん)。「雷帝の刃」、「天皇の絶対守護者」などの異名を持つ日本最強の男である。180を超える長身に鋭い目つき、髪は短く切りそろえられ隊長の証である黒い軍服を身にまとっている。背には大型の銃の先に杭を取り付けたような武器パイルバンカーを2丁背負い、腰には隊長の証である鞘から刀身、柄にいたるまですべてが青白い美しい刀「神刀 雷皇」があった。
真「さて終わりにしようか」
副官「隊長、全ての準備整いました」
真「それでは行こうか。俺が隊長として指揮する最後の戦いだ」
副官「本当に最後なのですか?」
真「そんな顔をするな。皆が不安がるだろう」
情けない顔をする副官を叱咤して真は一歩前に出る。そして真剣な面持ちで指示を待つ部下たちにこう告げた。
真「皆、よく聞いてくれ。これが俺が指揮を執る最後の戦いになる。これまで俺の無茶や我儘に付き合ってくれたこと心より感謝する。俺は部隊を去るがこれは今生の別れではない。あの御方は俺に世界を見て来いとおっしゃられた。だから俺は世界を見に行くだけだ。俺の居場所がこの国で、お前たちが俺の部下であり、仲間であり、友であり、家族であったことに変わりはない。俺はいつか必ずお前たちのもとに帰ってくる。だからその日まで陛下とこの国を頼む」
部下たちはその言葉を真剣に聞き、その心に刻み込んでいった。
真「俺が安心して旅立つためにも、今ここで禍根を断つ。総員心してかかれ!!」
全員「おおっ!!」
真「攻撃開始!!」
扉を爆破すると同時に兵たちは次々となだれ込んでいった。
そこからは圧倒的だった。テロリストたちも必死に抵抗するが百戦錬磨の雷皇所属兵のの前では無意味で次々と打ち取られていく。
真「教祖を探せ! 奴を逃がすな!!」
雷皇兵「隊長、奴は研究室に逃げ込んだ模様です」
真「わかった。何人か俺に続け。残りはここの制圧を」
雷皇兵「了解」
真は副官と兵を何人か引きつら研究室に向かった。たどりつくとそこには一心不乱に機械を操作する教祖の姿があった。
真「そこまでだ、教祖よ。手をあげてこちらを向いてもらおう」
ピタリと動きを止める教祖。そして勢いよく振り向くと真に向かって懐からとしだした拳銃を乱射する。真は目にもとまらぬ速さで抜刀すると弾丸をすべて切り落とし、最後の一発を教祖にはじき返した。弾き返された銃弾は教祖の腕に当たり拳銃を落としてしまう。
真「無駄な抵抗はよせ」
教祖「もはや、これまでじゃな」
諦めたかに見えた教祖はすぐわきにあったレバーを下げる。すると機会が異常な警告音を発し始めた。
教祖「ならばお主らも道連れじゃ」
真「部隊をすべて離脱させろ! ここは俺が何とかする」
副官「しかし!!」
真「命令に従え!!・・・・この国とあの御方を頼む」
副官「・・・・・・・・・・承知、しました」
走っていく副官と部下たちを見送ると真は氣を練り始めた。人の数十倍という強大な氣を厚く厚く重ねて強靭な障壁を形成していく。その間教祖は狂ったように何かをしゃべり続けていた。
教祖「我が神よ。我は今あなたのもとに召されん。ここで散りし同志たちの魂と愚かなる狂犬の血をいけにえとして燃え盛る業火は、この国をいつか滅ぼし清く正常なる世界を創造するための始まりの火となるだろう。我は今救世主とならん!!!!!!」
教祖の叫びと同時に機会は臨界値を超えてついに大爆発を起こした。真は迫りくる爆風の中小さく呟いた。
-陛下、真(まこと)様。約束を守れず申し訳ありません-
彼の体は業火の中に消えていった。
はじめまして皆様。赤眼黒龍ですまだまだ新米ですがよろしくお願いします。
それと同時にお詫び申し上げます。初めての投稿で失敗し、未完成の状態でアップしてしましました。今後そういうことがないよう気おつけていきますので今回はご容赦ください。
最後に遅筆ですがこれからも頑張っていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
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時は現代。正史とは少し違った歴史を歩んだ日本こと天皇国日本。そこに雷帝に選ばれし侍がいた。
そしていま侍は運命に導かれ恋姫たちが織りなす恋と戦いの世界に降り立つ。
彼はそこで何をし彼女たちをどこへ導くのか?