No.953679

ビーストテイマー・ナタ53

リュートさん

昔、書いていたオリジナル小説の第53話です。

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2018-05-25 11:02:52 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:104   閲覧ユーザー数:104

従者の一人がヴェールを取るとツインテールドリルがバネのように飛び出しました。巨大な翼を持った魔物を召喚すると、アラヴェスタから去って行きます。それを見ていた傭兵が慌ててアラヴェスタ城へ帰還しました。

 

「国王様にご報告があります!謁見の間にお通し願いたい」

 

謁見の間で玉座に踏ん反り返る、ブヨブヨに太った国王がワイングラスを片手に言いました。

 

「其の方…。一体、余に何の用があると言うのだ?余は忙しいのだがな…」

 

「最近、怪しい女がスラム街に頻繁に現れるようになって、マルヴェールへの移住を薦めているようなのです」

 

「マルヴェール?どこの国の名前だ…。余は聞いた事もないぞ」

 

「それが…。マルヴェールは獣人の国だと言うのです」

 

「何!獣人の国だと…。マルヴェールは一体どこにあるのだ?」

 

「どこにあるかまではわかりません。その怪しい女はどうやら魔女のようでして、グリフォンをカードから召喚して飛び去りましたので、跡をつける事が出来なかったのです…」

 

「其の方、良い情報を持って参ったな。褒美はいかほどが良いか?好きなだけくれてやろう」

 

「有り難き幸せにございます!マルヴェールの場所はわかりませんが、怪しい女は毎週同じ日に現れますので、捕らえる事は可能ではないかと」

 

「よし、わかった!その女を捕らえよ?褒美はいくらでも出す。お前に指揮官の地位を与えるから、騎士団の指揮を取るが良いぞ」

 

「ははーっ!必ずやその女を捕らえて見せましょう…」

 

マルヴェールに移住者を連れて来たフラウとナタは移住者にマルヴェールを案内してあげました。

 

「豊かで住み心地の良さそうな良い国だなぁ」

 

「気に入ってもらえましたか?」

 

「おじさんもマルヴェールはアラヴェスタより良い国だって言ってたよー」

 

「ここなら住んでも良さそうだ」

 

「あっ、そうだ!おじさんもそろそろ出してあげなきゃ…」

 

ナタは剣士のカードを取り出すとゲイザーを召喚しました。

 

「ナターシャ、何も危ない事はなかったか?」

 

「うん、大丈夫!パンを配ったり、コンコン咳してる女の子にお薬あげたりしたの」

 

「そうか、ナターシャもちゃんと従者の仕事をしていたんだな。偉いぞ?」

 

ゲイザーはナタの頭をくしゃくしゃと撫でてやりました。ナタはゲイザーに頭を撫でられるとご機嫌で、ニコニコしています。

 

…つづく


 
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