「強くて、美しければ、それで良いんじゃ」
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マイ「艦これ」「みほちん」(第3部)
EX回:第63話(改1.6)<要人たち>
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「失礼シマス」
(あ、日本語?)
……そう思う間もなく礼服の人達や軍服組、さらに警察官らしき人たちが続々と入ってきた。
(上官と部下の組み合わせで各々2名ずつだな)
さらに日系の通訳一人と女性の秘書官(美人系)、彼らの番後に、あの運転手さん。
提督から話を聞いてたとはいえ実際、この人数を見ると圧倒される。通路の外に数名の武装した護衛官がチラッと見えた。だが彼らは入室して来なかった。
そして提督は直ぐ立ち上がるとブルネイの要人たちに敬礼をした。私も慌てて立ち上がって敬礼。私の近くに居た艦娘たちも軒並み敬礼している。
(ポロシャツというのは望ましい格好ではないが)
あまりにも場違いな自分の様相に恥ずかしくて顔が火照りそうだった。そんな私の気持ちには関係なくブルネイ側も順次、敬礼をした。
(現地の言葉だろうか?)
自分たちの名前と所属を名乗っているようだ。直ぐに通訳が、それぞれの所属と階級、名前を説明してくれた。今回やってきたのは提督から聞いていた通りブルネイの政府(王宮)と王国軍、それに警察(公安)関係者だった。軍隊や公安関係は日本でも同じ職種はよく見る人たちだから何となく馴染みもある。それに各機関の上級官僚だということも雰囲気で分かる。
(しかし王室が出てくるとは驚きだ)
私は一層、恥ずかしく感じていた。
ブルネイ提督は言った。
「ようこそ、いらっしゃいました。どうぞ、お掛け下さい」
「うむ」
頷きながらブルネイの要人たちも会釈をして席につく。彼らに遅れて私も腰を掛けた。
ふっと別の思いが湧いてきた。
(それにしても今回、演習だけでなく現地要人と合う羽目になるとは)
もともと私自身が鎮守府指揮官の位置に居ることが分不相応だと思っている。だから、こんな場に私が居合わせて良いのだろうか? そんな後ろめたい気持ちがつい出てきてしまう。
すると横に座っていた祥高さんが私の机に上に何かをくれた。
「気後れしては成りません。堂々としていて下さい」
そんなメモだった。私の不安な心を察知したのだろう。
(さすが秘書艦だ。ありがとう)
私は軽く頷くと、そのメモをしまった。悶々とした気持ちがスッと消えていくようだった。
そしてブルネイが仕切る。
(この後は通訳を交えての会話)
『本日は、わざわざお越し頂きまして感謝です。今まで諸事情があって、なかなか艦娘たちを披露できず非礼を、お詫びします』
それを受けてブルネイの公安関係者らしき男性が言う。
『言い訳でなく艦娘の詳細を聞きたい』
提督は少し焦ったように答える。
『ハッ。わが国の海軍の主力は基本的に軍艦ですが近年台頭してきた深海棲艦により、まったく無力と成っておりました。そこに、この艦娘たちが……』
『うーむ、すごいぞ、すごいなあ』
突然、声がした。
(今度は誰?)
振り向くと、例の男性。
(あぁ、ちょっと恰幅のいい別の王室関係の人か)
彼は感情が先走りそうなタイプだな。
『理屈はもう良い。強くて美しければ、それで良いな』
そう言いながら急に立ち上がった。
『おぉ! あの頭に王冠を乗せた高貴な雰囲気の彼女たちが王宮にはふさわしいのう』
(え?)
思わず彼の視線の先を見た。
……なるほど金剛たちのことか?
(あいつらのどこが高貴なのか理解に苦しむが)
金剛姉妹の服装は紅白の巫女スタイルに金糸だから。
(まあ確かに頭のキンキラ金は王冠に見えるかなぁ)
見方によっては高貴とも言えるかも知れない。何だか妙な雰囲気になって来た。
『しかし具体的なスペックも知りたいところです』
今度は軍服を着た男性が割って入る。
いかにも彼は軍人だ。
(作戦参謀クラスって感じかな)
王宮関係の男性が立ち上がる……とりあえず彼は『王宮男性』としておく。
『いやぁ、すぐにでも来て貰いたいものじゃ』
彼は金剛たちに向かって近寄っていく。姉妹たちが引いているのが分かる。
『oh! ……マジですかぁ?』
さすが帰国子女、とっさに英語が飛び出すが、ブロークン過ぎるっ!
「お、お姉さま! ここは、穏便に……」
何かを察知した比叡が日本語でフォローする。
「オ・ン・ビ・ンって、ナニね?」
身に迫る危険を感じながら、やや焦りと苛立ちを交えて日本語で答える金剛。こめかみがピクピクしている。
「いや、その……」
比叡も困っている。そうこうしている内に『王宮男性』は彼の射程距離内に金剛たちを捉えた。
さすがにブルネイ提督も、この状況には困惑し苦笑している。何しろ相手はブルネイの王宮の要人であり無下(むげ)に止めるわけにもいかないのだろう。
……かといって、このまま放置するわけにもいかない。板ばさみのような状況で彼も困っていた。
だが困惑しているのはブルネイ側の王室関係の人たちも同様。何となく、あたふたしている。
(だが正直、彼らも手出しできない状況だな)
私は妙にニタニタしてきた。
王室関係者らしい日系の通訳の男性も、そして美人系の秘書担当女性も困っていた。果たして、これはどうするべきか?
そう思っていたら急に一人の艦娘が立ち上がって『王宮男性』の手を取った。一同、ちょっとざわめいた。
『初めまして。私は艦娘の比叡と申します。私たちに注目して頂いて光栄です』
それは意外にも、あの比叡2号だった。しかもドコで覚えたのか英語だ。
大人しいだけの彼女だと思っていたが意外にも機転を利かせてくれたようだ。ブルネイ提督も驚いている。
私も含めた美保のメンバーも皆、ビックリしていた。でも彼女は、まだ『不完全レシピ組』のはずだが……意外に完成度が高いようだ。一種の隔世遺伝みたいな現象かな?
私がアレこれと疑問を感じている中で『王宮男性』はニコニコして比叡2号の手を取っている。
(さて、どうするつもりだ?)
私は自分の不安をよそに、興味津々だった。
以下魔除け
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。
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ついにブルネイの要人たちと司令と艦娘たちが接見する。だがブルネイ側も一筋縄ではいかない人達だった。