No.94784

空と風と大地とともに5

五作目です
数字的にはなんか
やったぞって感じですが
内容的にはどうなのでしょう?

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2009-09-11 01:26:39 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:479   閲覧ユーザー数:469

:幼馴染との決闘そして、冒険へ旅たち

 

 

 

カノオウエでスカルテスを待つサラ。

 

その姿は、黒い半そでの無地のシャツに黒のロングパンツ。

 

髪はキレイにおろしている。

 

そして、腰にはあの剣は装備していなかった。

 

 

「ごめん、遅刻したかな」

 

「いいえ、私が少し早く来すぎただけ」

 

 

一方、ススは白いTシャツに赤いハーフパンツ、黒のロングコートを着ている。

 

ススもやはり武器を持って来ていない。

 

 

「それでは始めましょうか。手加減は止めてよ」

 

「わかってるよ。相手に失礼だからね」

 

 

術連公式

 

まず、術具を呼び出しお互い礼をする。

 

途中で術具の交換は認められない。

 

それから、適度に距離をとり試合開始である。

 

相手が気絶しない程度の術のみで、1回のクリーンヒットか3回のヒットで勝敗を決めるのである。

 

 

「ティック」

 

「ヘラクレイトス」

 

「へぇ~、ペンタの『情熱』か。すごいね」

 

「・・・・・。私をこけにしてるの、トソの『感情』だなんて・・・一瞬で勝負をつけてやるわ」

 

 

術具にも位があり、モノ・ジ・トソ・テトラ・ペンタ・ヘキサ・の順に強くなっていく。

 

強い術具は自分の相性とも関係があり、最も高いノナの位になると自分で術具を作り、名前をつける事ができる。

 

そこまでに達するには、とてるもない努力と才能がないと作り出す事はできない。

 

 

普通の人は、ヘキサ止まりだがそれでも十分にスゴイのである。

 

『』の部分は、それぞれの呼称である。

 

 

十分に距離をとった2人は、しばしの沈黙のあと試合が始った。

 

 

 

先に仕掛けてきたのはサラだった。

 

体術に長けているサラは、2人の差を一瞬にしてつめてきた。

 

 

「負けは決まったなぁ、スス」

 

 

遠くから見ていたクロが、つぶやいた。

 

ススに一撃を加えようとしたその時、サラの体が一瞬クロには鈍くなったように見えた。

 

実際は、ススの術で足止めされてしまったのである。

 

サラの油断がまねいた結果である。

 

 

ススはその一瞬で・・・・

 

「我は命ぜず、風邪の者・水の者・火の者・土の者

 

   我は裏切らず、光の者・空の者・闇の者・時の者

 

     我は傷つけず、山の者・海の者・雲の者・外(宇宙)の者

 

我が望みかなえたもう・・・

 

 我 経由する者なり、我 放つものなり、我 守る者なり

 

我が言い助けたたもう」

 

 

サラは聞いた事も無い詠唱に目を見開き、クロはまるで勝敗が決まったかのようにため息をついた。

 

 

「サっちゃん、君に勝ち目はほとんど無くなったよ。負けを認めてくれないかい?」

 

「私を見下さないで!3年間で差はちぢまったはずよ。術具だけを見ても私の方が上じゃない、そんなハッタリ見苦しいわ」

 

 

サラはススの足止めの術を、水の壁の応用だと見抜き土の壁で相殺した。

 

 

「なぜなら、サっちゃんの攻撃はもう僕には当たらないから・・・」

 

 

ススが言い終わらないうちに、サラは追撃をはじめた。

 

しかし、ススはやすやすと攻撃をかわして行く。

 

サラは当たらない理由を考えながら、いろいろと試しているが一向に当たらない。

 

 

「どうして!避けるだけじゃなく、攻めてきなさいよ。私も全てかわしてみせるわ、それなら引き分けじゃない」

 

 

サラは勝ち目が無くなったのはもう分かりきっていた。

 

せめて負けたくないと、言っているのだ。

 

差がちぢまらず、開いていた事に少々驚きを感じていたのかもしれない。

 

少し泣き声になっていた。

 

 

「無理だよ、ススは人に向かって攻撃をするなんてこと・・・。えっ、そんな」

 

 

クロがぼやいていると、ススは攻撃術を唱えた。

 

 

「氷の岩石よ、なんじを潰せ・土のつぶてよ全方位から攻めよ

 

  風の鎧よ なんじにからみつけ・・・」

 

 

上からは巨大な氷が、腕と足には風の鎧が・・・・

 

周りには逃げ場も無いくらいの、土の魂がサラに襲いかかってきた。

 

 

「火の精霊よ上空に展開 水の槍よ鎖を射ぬけ・土の壁よ」

 

 

サラは水と風の攻撃を相殺したが、土までは間に合わなかった。

 

サラに当たりそうになり、術具を解放しようとした時、土の魂は全て消えた。

 

 

「・・・・・・・。なんの真似よ、手加減しないでって言ったわよね」

 

「ごめん」

 

「そんなに私が弱いっていうの!?」

 

「ごめん」

 

「ねぇ、答えなさいよ。スス・・・答えてよ!」

 

「・・・・サラさんとやら、ボクが教えてあげましょう」

 

 

クロは急にサラの前に降りて来て、開口一番にこう喋った。

 

サラは頭に血が上っているのか、ハトが喋る事を何も気にしていなかった。

 

クロは、ススが人を傷つけられなくなった理由を教えると・・・・

 

 

「・・・・・スス私の方こそ、ごめんなさい。そんなことになっていたとは、全然知らなかったわ」

 

「いいんだよ。うけた自分が悪いんだから・・・」

 

 

クロは小声でサラに話があると言い、人格の事も話した。

 

ススに気づかれると、キトリが消えてしまうかもしれないからだ。

 

サラも、しぶしぶ納得したようだった。

 

 

「やっと謎がとけたわ。そうだったのね」

 

「なにが・・・?」

 

「ススは、両親を殺していないわ。殺された現場を見ただけなのよ」

 

「どうして・・」

 

「それは・・・・ただ、そんな気がするから」

 

「ありがとう、嬉しいよ」

 

「あの・・ね?一緒に旅しても言いかな。ススと一緒にいる方が、もっと強くなれそうな気がするの」

 

「だめだよ、サラまで命を狙われるかもしれないよ。それに・・・いろいろと・・」

 

「いいの、そんな事気にしないわ。気にしない」

 

 

半ば強引に決めたサラとの旅・・・・・

 

これからどうなるのか・・・頭をかかえたクロだった。

 

 


 
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