No.947476

GuP×東宝怪獣 アーディアンネクス EP1  始まり

オリジナルヒーロー、アーディアンネクスがガルパン世界で東宝怪獣と戦うクロスオーバー小説です。 まだ1話の段階なんで、アーディアンネクスは何処から来たのか?なんでガルパン世界に東宝怪獣達が現れたのか?などは2話以降で掘り下げ予定です。時系列的にはガルパン劇場版から分岐し最終章に繋がらないストーリーになります。処女作のため暖かい目で読んでください。

2018-04-03 00:25:06 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:503   閲覧ユーザー数:502

 

アーディアンネクス

  E.P.1 

 

   アーディアンネクス

  

   昆虫怪獣メガロ

   

 

この世界は怪獣が映画やテレビの中の存在だった。だが、突如として空想の存在が現実に現れたのだ。何者かの手によって。

 

真昼間の千葉県夷隅郡の山岳地帯、そこで大洗女学園と知波単学園による戦車道の合宿が行われていた。しかしその近くで青空が穴の空いたように開き、地震が発生した。それと同時に空想の存在が現実に姿を表したのだ。半分に割れたドリルのような腕と、カブトムシのような角を持つ昆虫型怪獣メガロが姿を表した。

 

そんなメガロは逃げ遅れた二人の少女を発見し追い回していた。

 「はぁ・・・はぁ・・ ・」

「まだ追ってきますよあの怪獣」 紺の長袖の冬用制服に緑色のスカートを着た栗髪の少女、西住みほ。同じ服装のショートボブの少女秋山優花里はふらふらになりながら走っていた。

「私達・・・一体どうなるんだろう」

「諦めちゃダメですよ西住殿」 

優花里はみほを勇気づけようとした、しかしメガロはそれをお構い無しに、彼女達を追いかけてくる・・・メガロにとって人間は邪魔な存在だからだ。

「キャ!」

「西住殿!?」

みほが折れた枝に妻付いてしまう、優花里は彼女を起こそうとする。

「Guooo!!」

それを見たメガロは左腕を振り上げ彼女達を潰そうとする。

「優花里さん・・・私達・・・」

「そうですね西住殿・・・」

彼女達は目を閉じた もうここで人生が終わってしまうと感じていたからだ。

しかしそんな時、轟音が鳴り響きメガロが痛みを感じたように鳴き始めた。

「Guogagaga!!」

その鳴き声を聞いたみほと優花里は目を開ける、そこには倒れたメガロと黄色い目をした赤い巨人が立っていた。

「巨人・・・・」

「私達を助けてくれたんですよ!」

巨人は頷くとメガロを持ち上げ彼女達から遠くの方に投げ飛ばす。

「フゥン!」

「Guogaga!?」

巨人は腕を交差させ、エネルギーをためた。拳を握り締めその腕をL字に組み強力な赤い色の光線をメガロに撃ち始める

 「ネクスシウムクロス!」

 「Gagoooon!?」

メガロに光線があたり身体が光ると同時に爆発した。

それを見ていたみほ達は歓喜の声援をあげた。

「やった!」 

「あの怪獣を倒してくれましたね!」

巨人は人間の男性の姿になりフラフラになりながら彼女達の前へやってくる。そして彼女達にこう言った。

「この事は誰にも内緒にしてくれ・・・」

そう言うと彼は倒れこんでしまった。そんな彼をみほと優花里は、自分達が泊まっている宿屋へと肩を持ちながら二人で運んでいくのだった。

これが彼と彼女達の最初の出会いだった。そしてこの地球に起こる戦いの始まりでもあった。

それから半年が過ぎ、西住みほと秋山優花里は栃木に存在するある施設に来ていた、とある人物から重要な話があると言われたからだ。

 

「ここが栃木県の戦車資料館ですか!」

「古そうな建物だね・・・」 

みほと優花里は黒いリボンがつき、襟と袖に緑のラインが目立つ白い長袖の上着と緑のスカートの制服姿で古そうなレンガ作りの長方形の建物を見上げていた。

「西住殿!M13/40カルロアルマートですよ!」

「今日もパンツァーハイだね優花里さん」

戦車を見て興奮する優花里をみほは笑顔でみつめていた。そんな二人の前に一人の男がやって来た。姿はツンツン頭で赤い半袖の服を着ているその男こそ、みほと優花里を怪獣から助けた巨人の正体、柏原ケンだ。

「久しぶりだな、みほ。優花里。」

彼女達とそう変わらない姿に見えるが、その目には秘めた勇気と使命感が宿っていた。

「久しぶりですケンさん」

彼を見たみほは彼にペコリと頭を下げた。戦車を見て興奮していた優花里も彼に気づき頭を下げる

「えっと・・・それで重要な話ってケンさんがするんですか?」

みほはケンに問いかける。するとケンはついてこいと言う合図を出し歩きだした。みほは彼の後ろをついていく。

「西住殿!ケンさん!どこ行くんですか!?」

優花里は彼らに急いでついて行った。そしてたどり着いた所は、木が生い茂った林の中だった。そこにはぽつんと小さな小屋があり、それ以外はほとんど何もない場所であった。

「ケンさん、ここに何かあるんですか?」

みほの質問にケンはコクリと頷き小屋のドアへと歩きだす。ドアについた鍵のパスワードを打ち込み、ドアを開けた。

「階段・・・!?」

「この下に行くんですか!?」

ケンの後ろにいたみほと優花里は驚いた。ドアを空けるとそこには25段はある階段が地下へと続いていたからだ。

「着いてきてくれ。君達を呼んだ人がここに居る。」

ケンは階段を降り始めた。彼女達二人はその言葉を聞いて後ろから恐る恐る階段を降り始める。三人は階段を降り終える。機密と書かれたプラスチックの板が貼ってある鉄の扉があった。ケンはその扉を空けると、左右二つのモニターと無数のスイッチがついた大きな電子機器がある部屋へとたどり着いた。そこにはみほと優花里にとって馴染みのある人物が椅子に座っていた。

「ようこそ。あなた達が来るのを待っていたわ」

黒い髪にショートへアの髪形。濃い緑色の自衛隊制服。彼女こそみほ達が通う大洗女学園の戦車道の特別講師として派遣されていた人物。蝶野亜美その人だった。

「なんで蝶野さんが居るんですか?」

みほは驚いた。みほ達が戦車道柄でお世話になっている人物がここに居るからだ。すると優香里は亜美に質問を問いかけた。

「えっーと・・・それで何の話で私達をここに呼び出したんですか?」

「それはあなた達があのカブトムシの化け物に追いかけられた理由よ」

みほと優花里は唾を飲み込む。

「この話は彼が話した方が早いわ」

亜美はケンの顔を見る。ケンはみほと優花里に話し始めた。

「半年前、みほ達を追いかけていた怪獣はみほにある力が秘められてることに気づいた。だから君達を追いかけたんだ。」

「じゃあ私は狙われたってことですか?」

みほは恐る恐る彼に問いかけた。

「そうだ。だからまた怪獣に狙われないようにみほに渡したい物がある、それを着ければ彼が守ってくれるはずだ。」

みほの手を優しくつかみ。自分の手を彼女の手のひらに乗せた。すると彼女の手の甲が光、赤いクリスタルが埋め込まれた白いブレスレットが現れた。

「これは・・・?」

「モンスブレスだ。これにみほの相棒になる彼が眠っている。」

彼女の手から自分の手をはなす。すると部屋に赤いランプが光、ブザーが鳴り響く。

「このブザーは!?」

「西住殿あれを!」

優花里は左のモニターを指差す。半年前と同じように空に穴が開いていく光景が写っていた。そしてその穴から紫色の落雷と共にみほ達を襲ったのとは別個体のメガロが市街地に降り立った。

「あなたが言っていたことが本当に始まったわ、柏原くん」

亜美が言った言葉にケンは頷いた。

「あのっ、私達はどうすれば!?」

「二人と蝶野さんは一緒に逃げてくれ。そのモンスブレス使うにはその中に眠る彼と心を通わせないといけないからな。」

みほと優花里は亜美に案内されながら、地下室に来た階段に走っていった。

「まだ彼女に急に戦えとかは言えない。だから俺が・・・」

するとケンは服から剣のような物を出した。剣にはライトのような黄色いパーツが付いている。するとそれを持った手を胸の前に付きだした。

「ネクス!」

そう叫ぶとケンの身体は巨人の姿へと変わる。だが大きさは人間と変わらない大きさだ。地下室から市街地へとテレポートするとそこには壊された建物と地面には巨大な何かが穴を掘った形跡しか残されているだけだった。

森林の中、亜美は自衛隊のジープを運転し二人を安全な場所へと送っていた。

「安全な場所って言っても怪獣がいる限り安全な場所なんてないと思うんですけど」

「大丈夫よ、柏原くんがなんとかするから」

そんな会話をする亜美と優花里に耳を傾けるどころかみほはモンスブレスを見つめていた。するとみほの頭の中に何かの鳴き声が響いてきた。

「Kisyaaaan・・・」

「優花里さん。何かの鳴き声しなかった?」

「何の鳴き声もしませんよ。市街地からも遠いですし」

しかし、またみほは何かの鳴き声が頭に響く。今度は鳴き声が人の言葉のように意味が分かるのだ。

「もしかしてこのブレスレットに眠ってるなにかの鳴き声?」

頷くような卯なり声が聞こえた。そして警戒するような鳴き声が頭に響く。その意味は驚くべき意味だった。

「真下に怪獣が居る・・・」

すると地震のような揺れがジープを襲った。

「地震!?」

「こんなときに!?」

すると轟音とともに目の前に半年前と同じような光景が現れた。巨大な黒い昆虫怪獣、メガロだ。

「嘘でしょ!?」

「そんな・・・」

「市街地に居たはずじゃ・・・!?」

メガロの口がガバッと開き、そこからナパーム弾を吐き出しジープの回りを火の海へと変えた。

「私は覚悟はできてるわ・・・」

「もう私達」

「駄目かもしれません」

三人は命の終わりを感じ始めた。だが、ある叫び声が聞こえた。

「諦めるな!」

その言葉が聞こえると同時に三人が乗るジープの目の前に巨大な人型の光がメガロを吹き飛ばし現れた。ジープを掴み手のひらに乗せ、炎が囲む空間から少し離れた安全な場所へジープを置く。直ぐ様メガロの方をむき、こう名乗った。

「俺の名はネクス、アーディアンネクス!」

メガロ目掛け走り出す。

「Kieeenee!」

それに応戦するかのように頭に生える角を光らせ稲妻状の光線を発射するメガロ。ネクスはそんな攻撃を手で受け流しながらジャンプし、メガロの頭目掛けてキックを叩き込む。

「Kieeenee!?」

顔面にヒットし、吹き飛ばされ倒れるメガロ。だが再び起き上がりネクス目掛け稲妻状の光線を発射する。

「そんなもの何回やっても通用しないぞ!」

両手を突きだしバリアを貼り稲妻状の光線を防ぐネクス。通用しないことに気づいたのかジャンプしながら突進を仕掛ける。

「そんなもの仕掛けても無駄だ」

突進を仕掛けたメガロの角を掴みそのまま地面に叩きつける。起き上がろうとするメガロを踏みつけ。遠くへと蹴りとばす。

「止めだ!」

両手をクロスさせ、エネルギーをためる。拳を握り締めL字に組む光線技ネクスシウムクロスをメガロに向けて発射した。

「Kieeen!??」

「やったか!」

メガロにネクスシウムクロスは当たり爆発したように思えた。だが、爆煙の中にはもっと撃ってこいと言わんばかりにたたずむメガロが居た。

「なに!?」

「Kieeenee!!」

すると角を光らせ再び稲妻状の光線を発射する。それに応戦するかのようにバリアを張るもバリアは砕けちり、胸に光線が直撃した。

「さっきより威力が上がっている、まさかあの光線を吸収したのか!?」

そう言いながら地面に倒れこむネクス。

「Kieeenee!!」

倒れこんだネクスに近づき笑うような仕草で足をくねらせ、左腕を踏見つけ蹴りとばす。

「前倒した個体から強化されているのか」

再び起き上がりメガロ目掛けて走り出そうとする。しかしその隙をついてメガロは口からナパーム弾を発射し、ネクスの回りを火の海へと変える。

「なに!」

直ぐ様握っていた左腕を開き突きだす、そこから水を出し回りの火を消化しようとするがそれを察知したメガロは再び角を光らせ光線をネクスへと直撃させる。

するとネクスの胸の真ん中にある丸いコアが点滅を始めた。

「まだだ!」

爆発音を聞き、気絶していたみほはふと目を覚ます。

「ここは?」

ジープのドアを開けふと見上げるとそこにはメガロに追い詰められるネクスの姿が目に入った。

「あの巨人、まさかケンさん!」

すると頭の中にあの鳴き声が響く、助けたくないのかと言うように鳴き声が響いた。

「私は助けたい。でも私なんかじゃ」

「Kisyaan・・・」

するとモンスブレスに眠る何かはまた鳴き始めた。それが意味するのは自分なら力になれるかも知れないと言う意味だった。

「でもどうやって!」

みほは訪ねるとモンスブレスが光だした。頭の中にモンスブレスに眠る者の名が流れ込んできた。

「ジュニア・・・・いや機龍!?」

鳴き声が頭の中に再び響く。共に戦おうと。

「このブレスレットは守ってくれるためじゃない、一緒に戦うためにあるの?」

みほは機龍に訪ねる。機龍の頷くような鳴き声が頭の中を駆け巡る。

「分かったよ機龍。一緒に戦おう!」

そしてモンスブレスから銀と青色の光が飛び出し、銀の機械巨獣が姿を表した。

銀色のボディに黄色い目、銀の背鰭に青いキャノン付きバックパック、両腕には青い二つの砲身がついたレールガン。その姿にみほは何処か見覚えがあった。幼い自分が父に連れられ見に行ったハムスターの作品。それと共に上映された映画に出てきたロボットそっくりだったからだ。

「行くよ、機龍!」

そう叫ぶとみほは青い光に包まれ機龍の中へ吸い込まれる。文字道理一体化して共に戦うために。

アーディアンネクスは光線を発射し続けるメガロに追い詰められていた。

「まだ、まだ行ける!」

光線をフラフラになりながら避けるネクス。するとメガロの後ろに銀色の機獣が姿を表したのを目視した。

「まさか・・・!」

銀色の機獣、機龍は後ろからメガロの肩を叩く。そして振り向いたメガロを頭ごと地面に叩きつけた。

「Kieeenee !?」

メガロは驚きを隠せなかった。それを見たネクスは再び左手を付きだした。高速で回転しながら水を撒いて回りを囲む炎を消していく。

「フゥン!」

そして勢いよくジャンプし機龍の隣に着地する。

「大丈夫ですか?」

みほは機龍の中。モンスリンク空間と言う光に包まれた空間からネクスに問いかけた。

「あぁ、みほと機龍が来なかったらどうなってたか」

みほはほっと胸を撫で下ろした。そして戦車に乗ったような勇ましい顔でメガロに目を合わせる。

「私と機龍はあのカブトムシの怪獣と距離を取って射撃戦に持ち込みます。ケンさんは後ろに回ってあのときの光線を撃ってください。」

「分かった、挟み撃ちで止めを指すんだな」

ネクスと機龍は二手に別れる。ネクスは走りながらメガロの後ろに回る。機龍は太ももと背中のバーニアを吹かしながらジャンプし、後ろに下がった。

「Kieeen?」

メガロは敵が二体に増えことで困惑し、辺りをキョロキョロと頭をふりながら見渡していた。

「機龍、今がチャンスかも」

「Kisyaaan!!」

みほの言葉に答えるかのように鳴き両腕の二連装レールガンを構え発射する機龍。

「Kieeen!?」

メガロは両腕をふって銃弾を避けようとする。機龍はそれをお構い無しに口から黄色い細長く電撃のような光線をメガロの頭目掛けて発射した。 

「Kieeenee! ?」

その光線によってメガロの自慢の角が折れた。メガロは角のがあった部分を痛がるように抑え呻いている。

「今です!」

「Kisyaaaan!!」

みほの叫び声と機龍の咆哮がネクスの耳に届く。ネクスは腕を交差させそれをL字に組んだ。

「ネクスシウムクロス!」

メガロの背中に目掛けて光線を発射する。機龍もまた口から光線を発射した。

「Kieeenee !!??」

二手から強力な光線がメガロに撃ち込まれる。メガロは断末魔を叫んだ。

「Ki・Ki・Kieeenee・・・」

倒れ、跡形もなく爆発した。それを見たネクスと機龍は目を合わせ頷き両者光と共に消えていった。

「ちょっと疲れたかも・・・」

モンスリンク空間から地上に降りたみほは疲れたのか、近くにあった大きな樹木に寄りかかった。

「そう言えば優花里さんと蝶野さんは・・・」

ふと思い出したかのように頭をあげると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「西住殿!」

振り向くとそこには優花里と亜美、そしてケンが居た。

「西住殿!ふと起きてジープから出たんですけどね、銀色の怪獣とケンさんが変身した巨人があのカブトムシの怪獣と戦ってたんですよ!」

優花里は興奮ぎみだった。

「優花里さん、その銀色の怪獣って多分このブレスレットから出てきたんだと思うんだけど」

「西住殿があの銀色の怪獣を呼んだんですか!」

驚いた顔をする優花里、そんな優花里をみほは笑顔で優しく抱き締めた。

「良かった優花里さんが生きてて」

「に、西住殿!?」

そんな二人を近くで見つめるケンと亜美。だがケンはこの戦いがまだ序章に過ぎないと感じていた。

「みほ、優花里、これからもよろしくな。」

そう呟いた。みほにはその言葉が聞こえたのか優花里から手を放し。ケンの方へと向かう

「ケンさん、また怪獣が現れたら今度は私の友達や後輩、家族が狙われるかも知れません。まだ未熟だと思いますけど機龍と一緒に私も守るために戦います。」

その言葉を聞いたケンはみほの瞳を見て頷く。ケンはみほの決意を重く受け止めたのだ。

 

Ep1 END

 

 

 

 
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