No.93931

1ページネタ"胡蝶の夢"

真・恋姫の魏ED後の妄想です

同じ趣向の方が多いかと思いますがあえて書いてみました

2009-09-06 19:49:54 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3261   閲覧ユーザー数:2869

 

許昌…天の御使い、北郷一刀の部屋

 

いや…部屋だった、と言うべきか

 

華琳が唱えた天下三分の計により争いの無い世界になった

 

その代償…すなわち北郷一刀の消失

 

主の亡き部屋に一羽の蝶が紛れ込む

 

蝶はその部屋の主の名残…乱れたままの寝台、乱雑に積まれたままの机に向かって舞う

 

そして一人の少女が入ってきた

 

華琳

「あら…窓が開きっぱなしだったかしら」

 

入ってきた華琳を気にすることなく蝶は舞い続ける

 

華琳

「胡蝶の夢…か…」

 

一つため息をつく

 

欲しいものは全て手に入れる

 

ただ2つだけが叶わなかった

 

一つは西涼の長、馬騰

 

そして、もう一つは…

 

華琳

「一刀…」

 

愛すべき男の名を呟く

 

しかし最後の最後まで『愛している』と告げることが出来なかった

 

華琳の呟きに応えるように蝶が華琳の肩に留まる

 

華琳

「ふふっ…慰めてくれているのかしらね…」

 

しばらく留まっていたが何かに気づいたように蝶は舞い始めた

 

華琳

「…曹孟徳といえど所詮は人の子なのよ…一刀…」

 

その時背中から手を回され抱きしめられる

 

???

「そうだよな…なんて言ったって寂しがりやだしな、華琳は…」

 

懐かしい声、懐かしい温もり、懐かしい匂い

 

華琳

「…そうよ…それはあなたがよく知っているでしょう…」

 

確かな感覚

 

すでに華琳の瞳からは涙が溢れていた

 

???

「今度は…どこにも行かないよ…」

 

華琳

「…っ…バカ…当たり前でしょ…あなたの居るべき場所は私の側なのだから…」

 

そして蝶は二人の周りを静かに舞う

 

華琳

「ずっと…ずっと待っていたわ…一刀…」

 

一刀

「ごめん…それとただいま、華琳」

 

…胡蝶の夢の続きはここまで

 

この物語の先はどこに続くのか

 

それはまた別のお話で…

 

 

 
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