「・・・そうですか。では、明日の朝どうぞよろしくお願いします。」
こんとんは、昨日情報屋アニスくつろいだ事を思い出しながら、電車に乗った。
あの後、警察署へ連絡を取り、情報共有する意思がある事を伝えた。その結果、今日の朝、警察署にて担当警察官の結城が会ってくれるのだと言う。
という事で、朝一で自分の事務所を出た探偵こんとん。
という事をもんもんと電車の中で追想していたこんとんは”次の駅名”に反応し、電車を降りた。
一直線に警察署へ、駅を出て、橋を渡り、そのまま警察署の戸をたたく。
応接間へと通されたこんとんを、女警察官・結城ともう一人の女性が出迎える。
「前回はこちら側の情報共有という事でしたが、今回はそちら側の情報共有という事で。いかがでしょう? どうぞ、席におつき願います。」
長机の席に座る事を
「・・・結論から申しますと・・・、犯人の
「・・・・・・こんとん様の犯人といいますと、何でしょう?」
と、結城が先を促す。
「私は、失踪前のコンスタンス、失踪前のカミラと会いましたが、言うまでもなく、彼女らは被害者です。」
「そして私は、コンスタンスとカミラ彼女らに加えて、シリルと知人のイザベルと会いました。確かに、知人というような事を言っていました。」
「・・・どういう事でしょう?」
結城はいまひとつ意図を理解出来ないようで、疑問符を浮かべる。
「もしかして、イザベルが事件に関係していると、そう言いたいのですか?」
もう一人の女性が口を挟む。
「この方は、私、結城の上司のディアーです。」
結城が素早く補足する。こころなしか嬉しそうに。
「・・・そうですか。ディアーさんは、殺人犯の態度というものをご存知ですか?」
こんとんは結城に
「いえ、全く。」
と、口を閉ざす。
”これは・・・嘘をつき慣れていない人の反応だ!”
と、こんとんは心の中で思いながらも、話を続ける。
「あくまで勘ですが、イザベルからは堂々とした’そのような態度’を見受けられました。」
「つまり?」
一音一音を機械的に発音するディアー。
その威圧めいた台詞になんら動ずる事が、こんとんには無かった。
「私の推理ではイザベルが犯人です。」
「なんとまあ・・・」
こんとんの発言にディアーがため息まじりの適当な台詞をしぼり出す
「もしそれが本当ならば、あなたは正に名探偵です。」
ディアーの発言から一拍おいて、軽く感銘を受けたようで、結城が目をキラキラさせて発言する。
呆れ返ったディアーに言論を続けるこんとん。
「理由として、失踪事件の計画的犯行を出来るのが、知的にイザベルしかいないからです。」
「はぁ・・・まあ、確実な証拠を持って来て下されば、警察はすぐにでも動きますが・・・・。」
この一言で、今回の警察との情報共有は終わった。
警察署を出たこんとんは、
”結城という女警察官はほとんど、こんとんの推理を理解していたようだ。正反対の反応、ディアーという女警察官はほとんど、こんとんの推理を理解していなかったようだ。
つまり、具体的な証言さえあればこの事件は解決する。”
という考察をする。
つまり、
”今度はイザベルの周辺とイザベルをあたる”
事にしたのだ。
さっそく、情報屋アニスへと足を向けるこんとんだった。
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