クリスから電話がかかってきた。
「もしもし、こんとんです。」
とこんとんが受話器を取る。
「もしもし、クリスです!大変です!!」
「どうかしましたか?」
と悠長にこんとんは
まだ、深夜2:00だ。
「・・・カミラが失踪したそうです。」
依頼人コンスタンスの娘カミラが失踪したらしい。
「・・・・・・本当ですか?」
こんとんがやや知的に聞き返すと、クリスはちょっと落ち着いて、
「本当です・・・今日はカミラの家には行かないで下さい。あなたも関係者ですからね。」
と答えた。
「・・・分かりました。では、今日そちらに向かいます。・・・10:00でいいですか?」
とこんとんが聞き返す。
「ええ、来て下さい。では、切ります。深夜に申し訳ありません。」
とクリスが電話を切る。
朝、こんとんは改めて目を覚ました。
「カミラの線が切れたし、今日で調査は打ち切りかな??」
と、こんとんが身支度をしながら、独り言をする。
こんとんは9:00に事務所へと向かう。すばやく必要な道具を揃えて事務所を出る。クリスのいるであろうアニス情報屋へと向かう。
アニス情報屋に着いたのが、9:50。
クリスが出迎えてくれた。
「おはようございます。クリスティーンです。どうぞお上がり下さい。」
「ありがとうございます、クリス。クリスまでいなくなってしまう事を心配してたずねてしまいました。大丈夫でしたか?」
こんとんは、”我ながら、疑問符が浮かぶような台詞を言ってしまう。まるでミステリー小説の一節のような台詞と見違えるようだ。”
と思って、思わず顔を赤らめる。
情報屋の内部は、何も変わりがない。当然だが、とても大切な事のように思える。
「お座り下さいね。今、お茶を入れます。」
とクリスは情報屋の奥へと引っ込む。
しばらくして、クリスがお菓子を載せた皿とティーカップを載せた皿を持って、出て来る。
「それで・・・」
「・・・調査は、中止でしょうか?」
と、こんとんは短刀直入に訊ねる。
「いいえ、他にあてがあります。」
「シリルの友人の”イザベル”という方です。」
「一週間程、後に取材を取り付けました。」
安心したこんとんのお腹に、クリスが持って来たお菓子と紅茶がおさまっていく間に、どんどん話しが進んでいく。
ひとまずは話しを一通り聞いて、二人は解散となるのだった。
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殺人ミステリー