「私は彼と共に戦い抜いたことを誇りに思う」
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マイ「艦これ」「みほちん」(第3部)
EX回:第20話(改2)<消し難き情熱>
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技術参謀が説明した内容が、あまりにも複雑なので私も、いまいち分かっていなかった。
それでも何とか理解できたのは結局、美保鎮守府そのものが本省の技術参謀を中心に設置された実験的な部隊であることだ。
1)参謀は、もと艦娘である。
(もちろん今でもそうだ。前線に出ないという意味だろう)
2)その娘が、ここに居る寛代である。
(性格は正反対だ。父親に似たのかな?)
3)艦娘量産化の技術があと一歩で完成する。
4)その手掛かりがここブルネイに沢山あるということ。
(そりゃそうだ。もしここが未来ならば)
私は寛代を抱いている技術参謀を見ながら最近、美保鎮守府に姉妹を集め始めたのも、この人なのだろうかと思った。
もしそうなら日向の姉の伊勢も来ると良いが。
姉妹といえば、ひょっとして祥高さんも、この人の姉妹だとか言い出すのかな?
(まさか、それは無いか。雰囲気全然違うし)
ただ技術参謀は私が最初、寛代を病院へ行かせようとしたとき自分が替わると言って身代わりになった。
あれは自分のほうが経験も豊富だからということもあっただろうが、やはり母親として娘に危険な任務を与えたくないという気持ちが働いたのかも知れない。
腕を組んで、しばし考え込んでいた武蔵様が顔を上げて技術参謀に問いかけた。
「一つ聞いて良いか? そこまでして娘を思う気持ちの元になるものは何だ? 私には、その情熱そのものが理解できないが」
軽く頷いて技術参謀は答えた。
「この子の父親は提督だったが深海棲艦との海戦で戦死した。部下である私を庇って……そんな悲劇は早く終わらせたいのだ」
その場に居る全員の表情が変わった。武蔵様は真剣な眼差しになって言った。
「お前たちの事情は分かった。出来れば私も事を荒立てずに見逃してやりたい。だが私にも立場がある。分かってくれるな?」
技術参謀は「分かっている」と言った。
武蔵様は続ける。
「まずは、お前たちが収集した『目に見える』資料は全て返して貰う。あと、この件は提督には私から話しておく。川内も、そしてこの場に居る全員、この内容は一切他言は無用だ。国家的機密事項……分かるな?」
私を含めた全員に異論は無い。彼女は少し微笑みながら言った。
「私も甘いな。お前らが美保鎮守府で無ければ、こんなことはしないのだが」
(何か深い理由でも、あるのだろうか?)
私の想いに呼応するかの如く武蔵様は窓の外を見ながら呟く。
「私と最期を伴にした艦長は美保鎮守府のある山陰地方の軍人なのだ。彼は終わりまで責任を全うした高い志の持ち主だ」
そして彼女は、ゆっくりと振り返った。
「私は彼と共に戦い抜いたことを誇りに思う……だから忘れるな。消し難き大切な物ほど目には見えぬ。だからこそ永久に残り得るのだ」
その言葉を受けて、その場に居た全員が自然に敬礼を始める。もちろん武蔵様も同様だった。
彼女の目に涙が光っていたのか?
メガネレンズの反射か?
それは良く分からなかった。
だが過去と現在、そして未来が繋がった瞬間……私には、そんな印象を受けたのだった。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。
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武蔵は技術参謀に美保鎮守府を設置してまで艦娘を開発する動機について問いただした。その答えは……