「おつのと!」
「鵷鶵の!」
「「へいあんラジオー」」
「はーい、今晩も始まったよ、おつのと鵷鶵のへいあんラジオ。この番組は、私おつのが所属するアイドルユニット『暴れん坊天狗』の最新情報をお知らせしたり」
「平安オシャレ絵巻の編集長兼、モデルの鵷鶵が京で話題のゲストをお呼びして、色々お話したりする番組です」
「提供は『引きこもったら出られない、超快適空間をお約束する岩戸建宅』と」
「『煎餅は閻魔様御用達、極楽往生を腕一つで勝ち取った職人芸、菓子舗さちや』でお送りしまーす」
「さちやさんで最近出た濡れおかき、そういえば濡女子ちゃんが作ってるんだっけ?」
「閻魔さん発案、斉天大聖ちゃんプロデュースで、さちやさんに提案して実現した商品だよね」
「濡れ女子ちゃん凄いねー、今度ゲストにお呼びしたいなーって思うけど鵷鶵ちゃんどう思う、あー、そう言えばさー、濡れ女子ちゃんと言えば彼女の出してくれるお水美味しいよねー、あれでお酒造ったらもう最高だと思うんだけどなーって、この間童子切さんと話してたんだけどねー」
「はい、そこまでにして、お葉書のコーナー行こ」
「あ、そうだったね、えへへ、ごめんね鵷鶵ちゃん、私どうしても喋りだすと楽しくなっちゃって、この間なんてさー、くらかけみやちゃんとお喋りしてたらさ」
「……ほんとにもう、おつのちゃんってば」
「はい、それでは本日最初のコーナー行きますね」
「おつのと!」
「鵷鶵で!」
「「お悩み平安コーナー」」
「このコーナーでは、視聴者の皆さんからお寄せ頂くお悩みを、文字通り二人で平安にしちゃおうっていうコーナーです」
「本日も悩める視聴者様からお便り一杯頂いてます」
「最初のお便りは、RN『はんぎゃくせるしてんしの……で良いのかな、えーと』」
「あ、これね『叛逆せる熾天使』で『るしふぁー』って読むのよ」
「おー、鵷鶵ちゃん凄いねー、どうして知ってるのー?」
「昔、都会の女になるための修行で、少し嗜んだの……」
「な……なんか深そうだね、色々。えと、失礼しましたRN『叛逆せる熾天使(るしふぁー)から舞い降りた一片の漆黒の羽』さんからのお便りです『真の翼と信じていた人が、最近偽りの翼ではないかという、夜より昏く黒薔薇の棘より鋭い疑念が我が胸中を狂おしく掻き毟るのです、この魂を苛む、てんちたいらん?』」
「『天地大嵐』てんぺすと、ね」
「……もう鵷鶵ちゃんが読んだほうが良くないかな、これ」
「そうかも、後、これが何とか読めそうなのは戦乙女(う゛ぁるきりー)さん位かな?」
「えー、ノルド語なの、これ?」
「えーと、そういうのとは違うのよ……投稿してくれた人には悪いけど、真眼開花(いにしえーしょん)を受けたことの無い人には、読み上げても厳しいと思うから、私が訳すわね」
「何か私の知ってる鵷鶵ちゃんが遠くなってく気がするねー、でもまぁ鵷鶵ちゃんには変わりないかー、そういうミステリアスな部分も都会のおんなーって感じだもんねー、それでなんて書いてあるの?」
「待って、久しぶりだと結構難しいのよ……えーとね『ホンモノだと思ってた人が予想外にポンコツらしくて困ってます、何とかなりませんか?』だって」
「短っ、え、だってこれ源氏物語一巻分くらいの分量ある文章だよー?」
「大体合ってる筈よ」
???「暗冥の海を漂う言の葉で語る上は、如何なる麗句を弄そうとも我らの[高次意識層]を超える事適うまい、我が魂魄の絶叫(そうるわーど)を汲み取りし汝の言を良しとしよう、紅蓮纏う永遠の乙女よ」
「……ん、合ってるって」
「今何処と交信したの?ねぇ、鵷鶵ちゃん?」
「えーとね、るーさくさん聞いてくれてるかな」
「するーされたよー、というかるーさくさんって誰?ラジオネーム省略しちゃ駄目じゃないかなーって思うんだけど、確かに凄く長いから良く判るけどさー、それに『るー』は合ってるけど、『さく』はどこから出て来たの?ねぇ」
「るーさくさんは、その人と本当に向き合った事ある? 貴女が勝手に期待した虚像をその人に押し付けて、勝手にその人に幻滅してるんじゃないかな?それってよくないよ、皆に輝くところがあって、それを見つけて上げるべきじゃないの、だって」
「だって、みんながそれぞれ輝くものを持ってるんだもの」
「……なんかカリスマギャルっぽい、良い感じの鵷鶵ちゃんの言葉だったけど、るしふぁーから舞い降りた一片の漆黒の羽さん、聞いてくれましたかー、おつのもね、一杯お話してその人の事を知ったほうが良いと思うんだー、そうすると、みんなが楽しいことを一杯持ってるってわかるんだよ、お話しするって、だから面白いんだよー、えへへ」
???「ふ……炎を纏う不死鳥と無量の言の葉を操る歌姫よ、汝等が麗しき音階より放たれし言の葉の矢(あぽろ)、確かに我が黄金の果実(へすぺりす)を得たぞ……我もまた真の眼とあぽろを以って、戦の申し子に挑むとしよう」
「るーさくさん、判ったって」
「だから、鵷鶵ちゃん何処と交信してるの?!」
「あ、そうだ、おつのちゃん、るーさくさんのさくだけど、『一片の漆黒の羽』は、『さくりふぁいす』って読むから……」
「も、もういいから、これ以上やると、私がこのコーナーに同僚が怪しいですってお手紙投稿しちゃいそうだから止めますよー。
以上っ、本日のお悩み平安ラジオでしたー」
「ここで音楽を聞いて頂きます、暴れん坊天狗で『煩・悩・浄・浄!』」
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ちょっとだけ大胆な水着を着てみたよ
魅惑の脚にどきどき?
可愛い胸にわくわく?
煩悩沸いちゃうよね
そんな時はどうするの?
鐘なんか突いても ダメダメ
座禅なんてー ムリムリ
だから、一杯私を見て
もっと、ぼ・ん・の・う、しちゃお
それが夏でしょっ
ぷえーー♪
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「今ちょっとだけ聞いて貰った曲は、今月発表された暴れん坊天狗の新曲だよー、よろしくねー」
「かるらさんがメインの可愛い曲だよね、何か発表時のライブが凄い盛り上がったって聞いたけど」
「えへへ、水着イメージの、ちょっと露出多めの衣装だったからねー。ライブは結構恥ずかしかったけど、楽しかったよー、そう言えばリハの時、天狗ちゃんが間違えて私の水着を着ちゃってね、お胸の部分がねー、私はマイクロになっちゃって、天狗ちゃんはぽろ……」
「おつのちゃん、ストップ、ストップ!プロデューサーがニコニコしたまま、智賢征矢発動時みたいなオーラ出してこっち見て……!」
暫くぷえーでお待ち下さい(眼鏡神ナレーター)
「ごめんねー、改めて曲の紹介させて貰うねー、煩悩マックスの歌詞を甘い声と振り付けで決めた後に、浄化パワーを強化した笛の間奏を挟んだ、ジェットコースター級のアップダウン構成にー」
「でも、楽曲自体はちょっと昔のアイドル曲を意識したレトロな曲調も有って、疲れたお父さん達も癒されると評判だよ」
「そうなんだ、嬉しいけど、どの辺調べなの?」
「平安オシャレ絵巻の、読者アンケート」
「わー、あれ男の人も読むんだー」
「定期購読申し込みの、栄えある一人目はご主人様だったよ?」
「……今回、色々人を見る目が変わりそうだよ……私、お喋りコミュニケーション足りてなかったのかなー、しょっくー」
「そんなに変かな?女の子ばっかりの職場だから、こういう本は有り難いって事みたいだけど?」
「そ、そっか、そうだよねー、まさかご主人様がああいう服着たり、お化粧するために買うわけじゃないよねー」
「そうそう、女性の多い職場のオジサン、年頃の娘さんをお持ちのパパさんたちや、彼女へのプレゼントに困ったそこのオトコノコ達も、平安オシャレ絵巻をよろしくねっ」
\CM入りまーす/
「完璧な遮光性、外部の音も届かない防音性、湿度と温度の変化が少ない一年通して快適な空間、そして何より建ててから千年は保つ耐久性と、妹でも力づくでこじ開けられないセキュリティ……私が求めていた、全てがここにありました」
太陽神が心から寛ぐ、極上のプライベート空間を貴方も体感してください。 岩戸建託。
「週末はモデルハウスまで、私のコーディネートしたお部屋に、是非じゃんじゃかお越しください」
「安長姫ちゃんも、すっかり私たちと馴染んだよねー」
「ホントにね、最初はファラちゃんにぴったりくっ付いてて、私たちとはあんまりお話も出来なかったけど、最近は可愛い笑顔で挨拶してくれるの、良い事よね……さて、CM明けだし、気を取り直して次のコーナー行くわよ」
「おつのと!」
「鵷鶵が!」
「「あの人に、そこまで聞いちゃう?」」
「はい、このコーナーでは、京の最先端を突っ走る人や式姫をゲストにお呼びして、色々聞いちゃいますよー」
「本日のゲストはこの方」
「初めまして。で良いのかな?いすずひめです」
「私たちとは顔なじみというか、戦友だけど、まぁリスナーさんからするとね。ちなみに、いすずんのゲスト出演希望に関しては、『ブラックラビット』さん『みーちゃんらぶ』さん『しゅてっち』さん『たまもん』さん、『りゃんめん待ち』さん、他多数の方からの熱いリクエストがありました」
「お葉書からも熱気がバンバン伝わってきたよねー、さすがいすずちゃん、人気者」
「ふふ、光栄だね」
「でも、いすずちゃん、ラジオに出演するって言っても、全然緊張してないねー、友達百人パワーって奴かなー、あれ、いすずちゃんの友達って百人じゃ利かないよねー、そうするといすずちゃんのパワー凄いよねー」
「あはは、おつのちゃんは、ラジオでも変わらないんだね」
「変わらないというか、普段がターボなら、あばてんのMCと、ラジオ中はアフターバーナー全開してる感じ、毎度放送事故スレスレで、相方としちゃ胃が痛いわよ」
「あ、鵷鶵ちゃん酷いんだ、おつのちゃん傷つきましたー、それじゃ放送事故スレスレのパーソナリティーは黙ってますよーだ、すねすねですよー、すねすね」
(鵷鶵ちゃん、良いんですか? おつのちゃんが、すねすね言いながら、番組特製プレゼント用の等身大すねこすりぬいぐるみ抱えて、あっち向いちゃいましたよ?)ヒソヒソ
(いすずんがしゃべり出せば、3秒で復活するから気にしなくて良いわよ……しかし)ヒソヒソ
((可愛い))
「えーと、すねすねしてるおつのちゃんは置いておいて、いすずんに色々聞いてくよっ」
「おつのと鵷鶵のへいあんラジオなのに置いとかれたよー、放送事故パーソナリティーは要らないってさー、リストラ近いのかなー、悲しいよねすねこ君、すねすね」
「はい、何でも聞いていいよ」
「わー、ゲストにまでするーされたー、ちょっとあり得ないと思わないすねこ~、すねすね」
(鵷鶵ちゃん、おつのちゃんスルーして良いんですか?)
(いや、私も反応したいんだけどさ、プロデューサーが……)
眼鏡神プロデューサー(な・る・べ・く・ひ・き・の・ば・し・て)
(……ああ、すねすねしてるおつのちゃん、可愛いもんね)
(ごめんね、いすずんの性格からすると辛いだろうけど、もうちょっと頑張って)
(うう、話しかけたい)
「さて、いすずんと言えば、その交友関係の幅広さだけど、どうやって、あれだけいろいろな友達作るのかな?」
ブラックラビットさん(そこを詳しく、実例込みで!)
みーちゃんらぶさん(き、聞きたくなんかねーし」)
白蛇さん(メタルテープセット)●REC ポチ
「うーん……よくそう言われるんだけど、まず友達を作るって意識自体が、あんまり私には無いんだよね」
「あれ、そうなんだ?」
「うん、楽しくお話ししてたら仲良くなっちゃって、気が付いたらお友達になってる感じかなぁ」
「お話楽しいよねー、もうさ、いくらでも喋れるって感じなんだけど、でもあんまりしゃべりすぎるパーソナリティーは駄目だそうですので黙りますよーだ、おつのちゃんの友達は君とみゃーちゃんだけだよすねこ君。すねーすねー」
ブラックラビットさん(無理!楽しくお話とか無理!)
みーちゃんらぶさん(な、なんだよそれ、そんなん、アタシにできる訳ねーだろ!)
「確かに、いすずん話題豊富で楽しいもんね」
「ふふ、でも私から話すより、私はみんなの話を聞く時間の方が長いのよ」
「達人の秘訣は聞くこと?」
「そうなのかな? まず、ちゃんと聞いて、その上でその人と話が繋がりそうな私の知ってる事をちょっと載せて返して……そうすると、次の話にも繋がっていくし、話が違う方向に拡がりを見せていって、予想が付かなくて、どんどん楽しい話になっていくんだけど」
「会話の達人って感じだね、でも、話が退屈な人とか無口な人も居るよね? そういう時は?」
「ええとね、苦手な人が無理に話そうとしても辛いでしょ?辛い関係は長続きしないのよ」
「まぁ確かにそうだよねぇ……」
ブラックラビットさん(そうだよ!)
みーちゃんらぶさん(ふん、アタシは喋るの苦手な訳じゃねーよ!)
白蛇さん(じとー)
「そういう時は、お互い居心地の良い沈黙の関係が作れればいいと思うの、友達って一緒に居て楽な関係が一番だと思うから」
「居心地の良い沈黙か、無理に話さなくても良いという余裕があるのが、会話の達人の秘訣かもしれませんね……どう思います、メインパーソナリティーのおつのさん」
「なんで放送事故すれすれパーソナリティの私にそのタイミングで振るかなー、みゃーちゃんゲストに呼んでるなら兎も角、おつのちゃんに沈黙に関して聞くとか悪意満載だよー、それ以上いじめるなら、私、五行覚醒超おつのんに変身して超すねるよ!えんすーちゃんのすねから火が出る位すねるからね!行くのだすねこ君、すーーーねすねすねすねー!」
「ちょ、やめておつのちゃん!すねこぬいぐるみ高速で擦りつけないで、すねがこそばゆい、もふひゃはははもふもふもふ」
(ああ、荒ぶるおつのちゃんも超かわいい……そして、すねこすりぬいぐるみ+すねすねおつのんぬいぐるみのセット、アリだわ!というか、私が欲しいから商品化決定。まずは斉天大聖さんに連絡して幾つか試作の段取りを……と、その前に)
暫くすねすねでお待ちください(眼鏡神ナレーター)
「さて、パーソナリティおつのちゃんも復活した所で、ちょっとお話戻そうか……いすずんの言ってる事は良く判るんだけど、中々、凡人には真似できない領域よねー」
「そうかな?」
「どうしてもねー、まず初対面の人と話す事自体が苦手って人も居るじゃない?」
ブラックラビットさん(わかる、というか人と話が出来るだけで尊敬するね、僕は)
みーちゃんらぶさん(ふん、そもそも話しかけたくねーし)
「そうだよねー、お喋り苦手とか、自分から話すより、人の話を聞いてる方が好きって人、結構いるもんね、私が喋ってても、なんかずーっとニコニコ聞いててくれるだけの人とか結構いてさー。あ、ご主人様もそんな感じだね、相槌は打ってくれるんだけどねー、また良い所で相槌入れてくれるから次の話がしやすくてもーねー」
「ずっとニコニコ聞いてるっていうか、ターボ全開上機嫌で喋りまくってるおつのちゃんの話に割って入るのは、中々普通の人には難しいんじゃ無いかなー」
「ほー、何か言いたそうだねーえんすーちゃん……」
「ごめん、おつのちゃん。謝るから、すねこぬいぐるみを両手に構えるの止めて」
「ふふ、私より、おつのちゃんの真似の方が、中々出来ないよね」
「あの力技は常人には無理……でも不思議と、ほぼ一方的に喋り捲られてる割に、おつのんと話すの嫌いな人居ないのよね」
「話題の筋が良いからじゃないかな?人の悪口や、家庭内の立ち入った事や、良くない噂話、つまらない自慢話は、おつのちゃんは一切しないからね。それにおつのちゃん、相手の事ほんとによく見てるよ」
「確かにねぇ、くらかけみやちゃんの尻尾を読めるのって、おつのちゃんだけだし、その辺意識してる?」
「えー、相手見て話すなんて基本じゃない?みんなの反応が楽しくて話をしてるようなものだしねー。それに、暗い話題とかさ、そんなの話しても面白くないと思うんだけどなー?違うのかなー?楽しかったことや感動した事を話した方がみんな嬉しそうだけどなー、私、人の悲しい顔や苦い顔を見ながらお喋りとかしたくないよー」
「まぁ、そうだよね。それじゃ、会話の達人のコツは悪口言わない事かな、いすずん?」
「悪口はあんまりと思うけど、マイナス方向の話題も悪くは無いんじゃないかな?愚痴を言える、聞けるのも友達ならではだと思うし」
「それはそうかー、中々難しいわね」
ブラックラビットさん(うう……結局どうすれば良いのさ)
みーちゃんらぶさん(出来る奴の話はやっぱり参考にもならねーんだ……判ってるんだよ)
白蛇さん(すりすり)
「ええとね、良い悪いじゃなくて、暗い話題って……そうね、メインの料理じゃなくて、スパイスだと思うんだ」
「スパイスかー、お肉とかお魚とか、ちょっと掛かってると美味しいよねー、唐天竺や、西の羅馬のお料理って香辛料使うの上手なんだよねー、思い出したら食べたくなってきちゃった、帰りに斉天大聖ちゃんのお店に寄って行こうかー、えんすーちゃん、いすずちゃん」
「良いねー、女子会やって帰ろっか。それはさておきね、二人は肉が見えないくらい胡椒掛かった料理食べたい?」
「嫌ね」
「胡椒の山は私も食べたくないかなー、バスにゃんが見たら激怒して、ズギャギャギャーンで家を壊しちゃいそうだよねー、そういえばバステトちゃんって辛い物全然だめなんだよねー、この間なんて、ピリッと効いてる程度の山椒でも、辛いーって、涙目でお水がぶがぶ飲んでたし」
「ソウルガーディアンのメインハーピストで人気急上昇中の、バスにゃんの面白可愛い話はまたの機会に取っておくとして……嫌な話はスパイスかぁ、何となくいすずんの言いたい事が判って来た気がするね、会話は料理」
「そうね、相手の人が何を食べられそうか、どんな味付けが好きそうか、今何を食べたそうにしているか、付け合わせは、構成は……そういう事を考えると、自分も楽しいと思うの」
「それは判るなー、相手が面白く無さそうな時は話題変えるとかねー」
「でもね、忘れないで欲しいのは、相手の事ばかり考えて合せ過ぎちゃうと辛くなるの、だから自分もその料理を好きになれそうか、ってのも頭の片隅に置いておいてね」
「自分もかー、それって、割と忘れがちかもね」
「そうね、気づかいできる人にありがちだと思うんだけど、自分の方ばっかり譲歩してるなぁってふっと思っちゃうと、人間関係続きにくいからね、お仕事は兎も角、友達ってそうじゃないと思うよ」
だからね
「隣にいる人の事を、仲良くなりたいと思いながら、お互いに少し考えてあげてね、そうしながら一緒の時間を過ごせてれば、ちょっとしか言葉を交わせなくても、その信頼関係や言葉や思いが集まっていって、いつかその人と友達になれると思うから」
とあるお屋敷の人気のない納屋の一隅。
ラジオを間に挟んで座る二人。
黒兎(隣に居る)
天邪鬼(仲良くしたい人)
「あ……あのさ」
「な……なんだよ」
「明日、ボクと……」
楽しい事をしよう、自分は人づきあいが下手だとか、そんな事は今は忘れて。
「な、なんだよバ……えっと、何だよ?」
つい口にしてしまう憎まれ口を、頑張って抑えてみよう、自分の事だけではなくて、相手の事も思いやって。
「なんか、今日話を聞いてて、いすずんの友達が多い理由が判った気がするなぁ」
「そーだねー、いすずひめちゃんまでは難しいだろうけど、みんなも周りの人と良い関係作ってねー」
「それでは、名残惜しいですが、本日のへいあんラジオもそろそろお別れの時間です」
「パーソナリティーは私おつのと」
「鵷鶵でお送りしました」
「「それでは、また来週」」
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式姫プロジェクト……というか、4コマで一瞬だけ出て来た話の二次創作になります。
一話完結。