No.923172

ウルトラマンタロウ×比企谷八幡2

東郷さん

pixiv様からの転載

2017-09-20 23:21:58 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1861   閲覧ユーザー数:1854

 「ストリウム光線!」

 

 タロウの身体が発光し、光線が発射される。

 光線を食らった怪獣『超空間共生怪獣クラブガン&アネモス』は消滅した。

 その消滅を確認したタロウは片膝をつき、荒い息を整える。

 

 (最近、怪獣の現れる間隔が短い)

 (何者かが操っているのだろう)

 

 両足に力を入れ、立ち上がろうとしたタロウの背中にミサイルが数発直撃する。

 

 「ぐぁ!」

 

 慌てて後ろを見ると、地球防衛軍の戦闘機がこちらに攻撃を仕掛けてきていた。

 

 (くそ!忘れてたぜ)

 

 最近、地球防衛軍は怪獣を倒し終えたタロウを狙って攻撃を仕掛けてきていた。

 現在の所、タロウは攻撃を避け、逃げに徹している(そもそも人間を攻撃する気は無い)。

 

 「たぁ!」

 

 ミサイルを避け、上空へ飛び上がったタロウは戦闘機が追いつけない速度でその場を離脱。

 その後ろ姿を戦闘機パイロット達はほっとしたような表情を浮かべ、見送っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 「フフフフ!怪獣の襲撃、それに加えて人間からの攻撃。その両方を受けて、常に万全の力を発揮できるかな?ウルトラ兄弟の救援を望めない今、貴様を葬る絶好の機会。フフフフフ」

 

 黒い影は飛び去るタロウを見送り、不気味な笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 所変わって、M78星雲にある一つの星。

 通称『光の国』。

 そのほぼ中心部に何名かの人影が集まっていた。

 

 「それでタロウの行方は分かったのか?」

 「それはまだ。ですが、タロウが連絡を絶った場所にひずみがありまして、そこをヒカリに調べさせているところです」

 「吉報を待とう」

 

 人影はそういうと離れていく。

 

 「タロウよ。無事でいてくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 物語の舞台はまた八幡たちのいる地球へと戻る。

 裏で様々な思惑が蠢く中、八幡は怪獣たちを相手に孤軍奮闘、数日のうちに十体近くの怪獣を撃破していた。

 だが、碌に休めていない状態での戦闘が増えたことにより、以前よりも苦戦する戦いが増えていた。

 

 「ストリウム光線!」

 

 タロウの放ったストリウム光線が『金属生命体 アパテー』の胸部にあるライフゲージに直撃し、大爆発を起こす。

 アパテーが再び立ち上がらない事を確認したタロウは空へ飛び上がろうと両手を空へかざした。

 次の瞬間、紫色の光弾がタロウの背中に直撃し、タロウは吹き飛ばされ、近くのビルに頭から突っ込んでしまう。

 

 (誰だ!)

 

 慌てて、立ち上がったタロウは攻撃が来た方向を向く。

 するとそこには『地獄星人 ヒッポリト星人』が立っていた。

 その両脇には今、倒したはずのアパテー、そして新たな金属生命体『アルギュロス』が立っていた。

 

 「ククク、我が名はヒッポリト星人!今から貴様を倒す者の名だ!」

 

 アパテー、そしてアルギュロスの身体が溶け、融合。

 数瞬の後、新たな金属生命体『ミーモス』が誕生。

 だが、そのミーモスの身体が突然歪み、また人型に戻る。

 

 (っ!コピーした、だと!?)

 

 そう、ミーモスの身体はタロウを模していた。

 ニセウルトラマンタロウは口角を歪めると構えを取り、タロウ目掛け走り出した。

 対するタロウもニセタロウ目掛け走り出し、飛び蹴りを繰り出す。

 だが、ニセタロウはその飛び蹴りをチョップでたたき落とすと、地面に転がったタロウを蹴り飛ばす。

 

 「ぐ、うぅぅ!」

 

 ニセタロウから離れ、立ち上がったタロウのカラータイマーは既に赤く点滅を繰り返しており、危険な状態になっていた。

 早く勝負をつけるため、タロウはストリウム光線を放つが、ニセタロウもストリウム光線を放ち、タロウは競り負け、大ダメージを負った。

 

 (こうなったら!)

 

 カラータイマーの点滅が早くなる。

 このままでは負けてしまうと考えたタロウ。

 隠していた切り札を切る時が来た、いや来てしまった。

 

 「ウルトラダイナマイト!!」

 

 掛け声とともに両腕を組み、腕を開く。

 そして、胸を張るとタロウの身体が炎に包まれる。

 

 「デェェェェェェェェアァァァァァァァァ!」

 

 ニセタロウ目掛け、突進。

 迎撃するニセタロウの攻撃を物ともせず、組み付くと大爆発を起こす。

 爆炎の目の前に肉体を復元させたタロウが現れる。

 そして、地面に降り立つと苦し気に胸を押さえた。

 タロウのカラータイマーが赤く点滅を始めた段階でこの技を使用したためだ。

 タロウのカラータイマーは激しく点滅を繰り返しており、このままでは危険な状態であることが見て取れた。

 

 「フフフ、最早貴様にこの私を倒すことなどできまい!」

 「お前を倒す時間ならある!」

 「やってみろ!」

 

 タロウは早期決着をつけるためストリウム光線を放つ。

 だが、光線を放つ前にヒッポリトカプセルがタロウを覆い、上からヒッポリトタールを含んだ煙が降りてきて、タロウを徐々にブロンズ像化させてしまう。

 タロウはなんとかカプセルを破壊しようとするが壊せず、為す術もなくブロンズ像になってしまった。

 

 「ククク、ハハハ!ハーッハッハッハッハ!これで邪魔者はいなくなった!地球人類よ!我ら、宇宙侵略連合にひれ伏すがいい!」

 

 その言葉と共に地球防衛軍上層部やテレビを通じて掛けられていた洗脳が解け、ほとんどの人間が狂乱に陥った。

 狂乱に陥った人間たちの姿を見て、ヒッポリト星人は笑みを浮かべ、復活したミーモス(ニセウルトラマンタロウ)と共に姿を消した。

 守護者のいなくなった人類には『絶望』の二文字しか残されていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「お兄ちゃん!朝だよ!」

 「ん…」

 


 
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