鼻歌交じりにドラムを演奏する彼女の表情は明るく、とても輝いていた。
それを見る度に、本当にドラムが好きなんだなと感じる。
そう思っている当人も、ピアノが好きで、今ではキーボードに毎日触れているので、人のことは言えない。
テーブルの上に用意した羊羹を食べつつ、ドラムの音に耳を傾ける。
「……?」
「どうした?」
そんな時、ふと目が合い、突然彼女が演奏の手を止めた。
「有咲、また食べてる」
「別によくね?」
「良くない。それ、二本目だよ」
「えっ!?まじ!?」
「まじ」
そんなに食べたか!?と思い、ゴミ箱の中を確認する。すると、羊羹を包んでいた銀紙が、一つ。
そして今手を伸ばした羊羹は、まだ銀紙で包まれている。
「……いや待て!沙綾も食っただろ!」
「食べてません」
「……」
「全部、有咲だよ」
突きつけられる、残酷な現実。沙綾が嘘を言っているとは思えない。つまり、自分はさっきから羊羹を食べてばかりということに……。
「うわぁぁぁぁぁ!!今週はカロリー気を付けようと思ってたのにー!!」
受け入れてしまった現実はあまりにも酷で、叫ぶ有咲の顔は絶望に染まっていた。
「食べてばっかいないで、少しは運動したら?」
「やだ!」
「はぁ」
摂取したなら消費は当然。けど、それをしようとしない我儘なお嬢様。そんな風に思え、沙綾は呆れの溜め息を吐く。
「キーボードの修理は、いつまで?」
「……明日」
「そう」
「あーっ!!悪かったってこの間から言ってんじゃん!でもしょうがねーだろ!?そもそも香澄があたしのお茶飲もうとして迫ってきて、それでこぼれちまったんだから!てかあれは香澄が悪い!」
「いや、そうだけど」
別にキーボードの故障は責めてない。それに、香澄は修理代の為に絶賛バイト中。その事を踏まえると、今の状況はしょうがない、と沙綾の中では納得している。
「……てか、りみとおたえは?」
「りみは香澄の付き添い」
「要するに、監視か」
「そういうこと」
「で、おたえは?」
「自主練」
「……うさぎと遊んでんじゃね?」
「まあ、否定は出来ないね」
「で、お前だけは来ているってわけか」
「だってここじゃないと練習できないから」
「店はいいのかよ」
「昨日まではずっと手伝ってたよ」
「あ、そ」
そこで会話が途切れ、有咲はちびちびとお茶を飲む。時々羊羹に手が伸びそうになったが、ぐっと堪えた。
沙綾は練習を再開するが、先ほどのやり取りでどうもペースが乱れたようで、上手く集中できない。
「……よし!私が羊羹食べる!」
「なんだそれ」
「だって有咲が食べるわけにはいかないでしょ」
「そりゃ、そうだけど……。てか、お前だってカロリー摂取になるだろ!」
「だったら帰り、家まで走る」
「いや、汗だくになんだろ」
「その後すぐにお風呂入る!」
「あ、そ」
何を言っても上手く返されそうで、早々に折れることにした。どうも沙綾に勝てる気がしないし、もしこの状況下口論になって喧嘩にでもなったら、そちらの方が面倒くさいと思った。
「それにしても、最近二人っきりってあんまなかったね」
「そりゃそうだろ。みんないんだから」
「ふふ」
「なんだよ」
「別に」
「はぁ?」
テーブルに両肘を付き、両手で顔を支える姿勢で有咲を見つめる。
羊羹を食べるんじゃなかったのか?という言葉が喉まで出掛けたが、飲み込むことにした。
あまりにも嬉しそうに見つめるものだから、なんだか恥ずかしくなってきた。
沙綾から目を背け、またちびちびとお茶を飲む。
「でも、外に出たら暑いんだろうね」
「当たり前だろ」
「暑い夏。といったら、海だね!」
「いやこの間行っただろ」
「んー、もう一回くらいは行きたい」
「練習しろ」
「やっぱり?」
「当たり前だ」
大きな溜め息を吐いて、呆れた目を向ける。
みんなとのやり取りに、時々頭を抱えたくなってしまう。けど、そもそもは他人との関わりを避けてきた結果、相手のペースに会わせることが下手なだけで、結局は自分の問題か、と内心思いながら、日常を過ごしているのだった。
「そういえば、有咲」
「なんだよ」
「有咲の水着、可愛かったね」
「はぁ!?」
いきなりのことにお茶を吹き出しそうになった。
「お、おま!いきなり何言ってんだよ!」
「え?ホントのことだけど」
「いやそうじゃねぇって!」
「水着可愛かったし、有咲スタイル良いから、とっても似合ってたよね」
「スタイル良いって……。そ、それは、えっと。そう、おたえ!おたえだろ!」
「おたえも良いよね。モデル体型的な?」
「そ、そう!それだ!」
「でも私は、有咲の方がいいな」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
沙綾の発言に、有咲は頭が爆発しそうな感覚に襲われた。
おまけに、沙綾は明るく、可愛い笑顔で言う。鼓動がものすごく高鳴ってくる。
それを誤魔化すように、とにかく大声で叫ぶしかなかった。
「お、おおおおお前!ばかだろ!本っ当に、ばかだろー!」
「ちょっと、ひどくない。ばかばかって」
「だって!お前!あたしが可愛いとか!」
「ほんとのことじゃん」
「んなわけねーだろ!」
「へー」
その時、沙綾の目が細間莉、なにやら怪しげになった。
何かを企んでいる。直感的にそう思った。
「あの時の有咲、とっても可愛かったのに」
「あ、あの時って」
「……ちょっと、恥ずかしいな」
「勝手に言って、勝手に恥ずかしがんなよ!」
「へへ」
「へへ、じゃねーし」
「ここでした時だよ」
「サラっと言うなー!!」
顔面も爆発しそうなくらいに真っ赤になって叫ぶ。
「こ、こここここここでってぇぇぇぇぇぇ!!」
言われて、あの時の、その事を思い出す。
確かに、恥ずかしいことを、した。
そして、今いきなり言われて、思い出して、とてつもない羞恥に襲われる。
「ねぇ、水着、着て」
「はぁぁぁぁ!?」
「また見たいな、って」
「こ、ここでか!?」
「うん」
言う沙綾も、頬が赤くなっている。恥ずかしがりながらも、それでも有咲を求めるように、真っ直ぐ見つめる。
「……やだ」
「……」
「……ぜってー、やだ」
「……」
「……」
「……」
「なんか、言えよ」
「きーて」
「……」
「……」
「……ずりーやつ」
自分の中の何かに負けて。重い足を上げ、沙綾が求めるそれを取りに行きだした。
「有咲、可愛い」
「……くそ。もう、やだ」
数十分後、水着を持って蔵に戻り、沙綾の要望に従い着替えをした。
着替えている間は絶対見ないよう言い、沙綾が後ろを向いているのを常に確認しながら着替えた。
「有咲って、良い身体してるよね」
「お前はどっかのエロオヤジか!」
食い入るように見られ、余計恥ずかしくなる。
無駄だと分かっていても、両腕で身体を隠す。
「……有咲」
「なんだよ」
「その、えっと」
「……すげー、やな予感がするんだけど」
「……我慢できなくなっちゃった」
「やっぱりかよ!」
水着を着て、のお願いから、なんとなく嫌な予感はしていた。そして、見事それが的中してしまった。
「ほら、今日はどうせ誰も来ないと思うし!」
「そういう問題じゃねぇ!」
「そ、そういう問題だよ!」
「どういう問題だよ!」
「だって二人っきりでずっと我慢できるわけないでしょ!」
「っ!?」
突然発せられた大きな声に驚き、身体が固まってしまった。
最近はあまり見られなかったが、沙綾は意外と意地っ張りで、そして底力が半端ではない。どうしても曲げられないものがあると、こうして力押しでもなんとかしようとする。
「有咲、好きだよ」
「……お、おう」
「有咲は?」
「……うん」
「有咲……」
「……き」
「……有咲」
「好きだよ!」
「有咲!」
「あぁ!もう、抱きつくな!」
嬉しさに身を任せ、沙綾は勢いよく有咲を強く抱きしめた。
「……おい」
「なーに?」
「匂い嗅いでんだろ」
「あ、ばれた?」
「当たり前だ!」
「えー」
「お前のすることくらい分かるって」
「それって、それだけ私のこと分かっているって意味?」
「!?それは……」
「有咲」
「べ、別にそういうわけじゃんんっっ!!」
言い切る前に、有咲は沙綾に唇を奪われた。
沙綾の口づけは強く、手で頭を押さえていて、決して逃げられない。
「んっ……、っ、は。……有咲」
「……おま、いつもいきなりすぎんだろ」
「恋って勢いだと思うよ」
「それ誰の言葉だよ」
「わたし」
「まじ勝手じゃね?」
「じゃあ、私とするのは、嫌?」
「……別に、そうは言ってねーよ」
「有咲……」
「んんっ、ん……」
また唇を奪われ、今度は舌が侵入してきた。
舌で有咲の歯をノックする。有咲はゆっくりと歯を開き、それを感じてすぐにその奥へと舌を這わせる。
口の中をまさぐりながら、有咲の舌に触れる。先端をちょこっと触れたと思ったら、すぐに有咲の舌全体を舐める。
自分と有咲の口から唾液が流れ落ちるが、気にしない。時に吸い付くように唇を求め、舌の神経全てで有咲の舌を感じる。
気付くとお互い息が荒くなっていた。それでも、止まらない。止めたくない。
「有咲……」
ようやく唇をハナしたとき、二人を結ぶ唾液の糸がトロンと流れ落ちる。
「ねぇ、いい、よね?」
「……」
有咲は、何も言わない。
代わりに、小さく頷く。
それを見て、沙綾は胸の高鳴りを抑えられない。今自分が欲しているもの、それを求め、動き出す。
「お、おい。どこに、ってふわっ!」
突然動き出した沙綾に驚き、確認しようとした矢先、それ以上の驚きと刺激に襲われた。
沙綾は有咲の後ろに回り、そこから両手で有咲の豊かな胸に触れた。
「ちょっ!あ、んっ!は、ぁ……。んんっ!」
「有咲。すごく、気持ちいい」
「そ、ん、んんっっ!!」
「前もそうだったけど、やっぱり大きいね。ふわふわで、すごく気持ちいいよ」
十本の指全てを使い、水着越しに有咲の胸を激しく揉む。強く掴んだり、細かく動かしたり、と。
その度に有咲の口から嬌声が漏れ、息が更に荒れていく。
それを聴く度に沙綾も興奮していき、より指の動きに激しさが増す。
直接触れたい。そう思い、次に沙綾は指を水着の中へと入れる。
「ふあぁ!んんっ!!さ、さぁやぁ……」
胸に沙綾の指の温かさが伝わる。沙綾は手を前後に動かして、有咲の胸を感じる。
そして人差し指と中指で有咲の胸の先端を挟んだ。
「あぁぁぁっ!!」
敏感なところへの強い刺激に、有咲は全身に電気が走ったような衝撃を感じ、それが声として現れる。
「固くなってる。有咲、感じてるんだね」
「はぁ、んんっ、ば、かぁ」
「えいっ」
「んあぁぁぁぁぁぁ!!」
人差し指と中指の力を更に強め、有咲の乳首をギュッと摘まむ。
強い刺激に耐えられず、有咲はより激しい嬌声をあげた。
「有咲、大丈夫?」
「だ、大丈夫なわけ……!」
そう叫ぶ有咲は、もう息は途切れ途切れで、脚は震えていて、立っているのも苦しそうだった。
「ソファー、座ろう」
そう言い、一旦手を離して、有咲をソファーへと促した。
沙綾の支えを借り、ゆっくりとソファーへ腰を下ろす有咲。全身が熱く、疲労なのか興奮なのかの判断が付かないほど、思考が働かない。
「有咲……」
「んっ!」
休む暇など与えず、沙綾はまた有咲の唇を強く奪う。
「……っ、ん。……有咲」
「さあ、や……」
唇を離し、お互いの名前を呼び、潤んだ瞳で見つめ合う。
「上、ずらすね」
「あ、う、ん」
短く返事し、抵抗することなくその身を任す。
恥ずかしいことに変わりはない。だが、既に羞恥心より欲望が勝っている。身体が、沙綾を求めている。
沙綾は水着のブラに手をやり、それをそっと上へと動かす。動きに合わせるように、有咲の豊満なそれは大きく上下へと動いた。
「んんっ!」
「あぁぁんっんんっ!」
間を置かず、眼前に広がった乳首に吸い付く。
「ば、や、っん!さ、やぁっ!!」
片方を吸われ、もう片方は親指と人差し指に摘ままれる。電気がほとばしる様な刺激が乳首から全身に伝わり、有咲は断続的に喘ぎ声を発する。
口に含んだ有咲の乳首が更に立ち、固くなっているのが分かる。感じていることが伝わり、沙綾は嬉しくなる。
もっと有咲を感じさせたい。そう思い、前歯で有咲の乳首を軽く噛む。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁっ!!」
今までにない大きな嬌声が耳に響いた。
「有咲……」
胸から離れ、有咲を見つめる。
紅潮した頬に、乱れた吐息。汗は全身に出ている。
「はぁ……、おま……」
「有咲……」
潤んだ瞳を見つめながら、手は有咲の秘部へと触れる。
「ふぁっんっ!お、おい……!」
「有咲、すごい……。聞こえる?」
「や、やめ……!」
「だめ。ほら、ぐちゅぐちゅしてる」
水着越しに軽く動かしただけで、有咲の秘部は音を鳴らす。それほどに感じていた事が嬉しく、沙綾の指の動きは止まらない。
「ふぁぁ!ん、んっ!」
「有咲……。有咲!」
有咲の声を聴くほどに秘部を刺激する指の強さ、早さが増す。もっと声を聞きたい。もっと感じている顔を見たい、と。
「あ、あぁぁぁぁぁぁっっ!!」
その絶叫と同時に、全身に力が入り、激しく仰け反る。
「はぁ、はぁ……」
「有咲、イっちゃったね」
脱力し、ソファーに身体を預ける。全身に力が入らず、思考も上手く回らない。
「有咲……」
そんな様子を見て、けど休む暇は与えない。水着の舌をそっとずらし、隠れていた秘部を露わにする。
「お、おいぃ……っ」
「有咲、えっち」
「それはお前だろ!」
「有咲だよ。ほら、こんなに溢れてる」
秘部から流れ出た愛液をそっとなぞり、そのまま指を秘部へと入れる。
「んんっあぁっ!!」
「とろとろで、すごく熱い」
「ふわぁっ!ん、んーっ!!」
指をゆっくりと出し入れする。その度に有咲の声が漏れる。
有咲が感じている声をもっと聞きたい。自分の欲に従い、指の動きを更に激しくする。
「あぁっ!んんっっー!!ふ、ぁっ!さ、やぁぁぁぁぁ!!」
「有咲!ありさぁ!!」
有咲の嬌声と、指に伝わる秘部の熱、秘部から聞こえる愛液が弾かれる音。その全てが沙綾の興奮となる。頭がおかしくなってしまいそうな気持ちにナル。そして、もっと、有咲としたい。
「ふっ!あっ、あぁぁぁぁぁっ!!」
「有咲、また、いっちゃったね」
「は、ぁ、……。さ、や……」
「ちょっと、待ってね」
何を待つのかと思うが、言葉が出てこない。先ほどまでの快感と疲労により、息を整えるので精一杯だ。
沙綾はゆっくり立ち上がり、少し有咲から離れ、自分の服に手をやった。
「さ、ぁや?」
「熱く、なっちゃった」
そう言い、ゆっくりと服を脱ぎ、下着に手をかける。
そうやって、沙綾は生まれたままの姿となった。
「おい、まだすんのかよ……」
「うん。だって、有咲、可愛いから」
「か、かわいくねーよ」
「……ふーん」
「お、おい!て、あぁぁっ!!んんっっー!!」
妖しい笑みを浮かべた途端、沙綾は自らの顔を有咲の秘部へとやり、彼女のそこへ舌を這わす。
「ふわぁぁっ!!んーっ!!だ、だめ!ん、あぁぁぁぁぁ!!」
陰核、周辺、そして置くと、至る所を強く、激しく刺激される。秘部の快感が全身に走る感じがする。
……有咲が悪いんだよ。自分を可愛いって認めないから。
心の中でそう思いながら、沙綾は有咲を舐める。
「ふわぁっ、んっ、さ、や……!あた、も、あ、あぁぁぁぁぁぁっ!!」
有咲の喘ぎ声に、舌から伝わる熱。それらが沙綾をより欲情させる。
有咲、大好き。もっと、欲しい。もっと。もっと!誰にも渡さない!と。
「も、だ……、さ、ん、あぁぁぁぁぁぁっっ!!」
「っ!?」
突然頭を強く押さえられ、有咲の秘部に思い切り口を当てる状態になった。一瞬何が起こったのか分からなかったが、少ししてすぐに理解した。
「はぁ、……っ」
徐々に力が弱まり、そっと有咲の手が頭から離れていく。
「有咲……」
「あたし、もう……」
短時間で何度もイった為、だいぶ体力を消耗した。既に身体は重く、乱れた息も重々しい。
「そう、だよね。たくさんしちゃったから、疲れたよね」
「沙綾……?」
言う沙綾の声はどこか寂しそうで、有咲は少し違和感を覚えた。
だが、沙綾の顔を見て、ふと予想がついた。
沙綾の息は小刻みに荒く、全身が紅潮しており、視線は真っ直ぐ有咲から離れない。
「もしかして、まだ足りないのか?」
「足りない、んじゃ、なくて……」
予想と違う違う答え。じゃあ何だ?と思い、疑問の視線を沙綾に向ける。
「その、ね……。……疼いちゃった」
「あ……」
そう言い、沙綾は膝をつき、両手で自分の秘部を押さえた。
「ここも、奥も、じんじんしてて、熱いの。……ねぇ、有咲……」
潤んだ瞳で、真っ直ぐ有咲を見つめる。その目は、もう我慢の限界だと有咲に訴えていた。
「……分かった」
短く返事をし、重い身体をゆっくりと起き上がらせ、沙綾の前へと行く。
「ただし」
「へ?」
間近で沙綾を見つめながら、不敵な笑みを浮かべながら言う。
「自分で、脚広げな」
「えぇっ!?」
「あたしのしっかり見たんだから、あたしも沙綾のしっかり見ていいよな」
「で、でも!」
「でないと、沙綾を気持ちよくさせられないし」
「うぅ……」
有咲のいじわる!と内心強く思う。けど、身体の疼きは治まらない。
両手を後ろにやって身体を支え、ゆっくりと両脚を開く。
「こ、これで、いいよね?」
「見えない」
「そ、そんなことない!」
「沙綾、もっと。手、使って」
「い、いやぁぁ!」
有咲の要求に、強い悲鳴をあげる。
いくら有咲のお願いでも、自分で開いて見せるのは恥ずかしい。
「じゃあ、何もしない」
「い、いじわる!」
「いじわるじゃねーし!」
「いじわるだよっ!」
「じゃあ、どうすんだよ」
「ど、どうするって……」
「我慢する?それとも、自分ですんのか?」
「っ!?」
有咲の目の前で、自分の手で。
夜、一人の時、有咲を想ってこっそりしていたことはある。そんなのは決して誰にも言えない。けど、それを有咲の目の前で、する?
考えられない。無理。けど、身体は有咲を求めている。我慢なんて、できない……。
両手が自由になるよう姿勢を変え、床に寝そべる。そして、両手でゆっくりと、自分の秘部の肉に触れ、強く、開く。
「沙綾……」
「いや……。有咲、早く……」
恥ずかしくて目を開けていられない。だが恥ずかしいと想うほど、沙綾の秘部は熱くなり、疼く。有咲を、求めている。
「真っ赤」
「いやぁ!」
「沙綾もとろとろしてるし、ひくひくして」
「お願いぃっ!早くっ、早く!」
これ以上見られていては、恥ずかしさのあまり爆発してしまいそうな気持ちになってしまう。
有咲も、ずっと見ていたい気持ちと沙綾を欲する気持ちがぶつかり合う。そして、もう少しだけいじわるしたい気持ち。
「ありさぁ……、早く……」
だが、涙を流し強く訴える沙綾を見て。
「「ふあぁぁぁぁっ!あり、んんんんっっ!!」
すぐに顔を沙綾の秘部へとやり、紅く熱の籠もったそこへと舌を這わす。
「あぁぁぁぁっっ!!んんっっ!!だ、だめっ!そ、んんーーーーっっ!!」
先ほど沙綾が自分にしたように、有咲も同じように、激しく舐める。
舌が火傷するのではないかと想うほど、沙綾の膣内は熱く、そして受け止めきれない程愛液が流れ出る。
「あり、さっ!も、だ、んっ、あぁぁぁっ!!」
激しい絶叫。重く荒れた吐息。沙綾がイったのが分かった。
でも。
「沙綾、休ませねーから」
「えっ!?ちょっあっ!だ、だめ!いったばか、んあぁぁぁぁぁっ!!」
制止も聞かず、有咲はすぐに秘部へ指を入れ、膣内を激しく掻き回す。
「あぁぁぁぁっっぁぁぁぁぁぁぁっぁっっ!!」
ねじり込むように、激しく。時に指を開いて、膣内を激しく掻き回す。
「だ、だめーっ!!ふあぁぁぁぁっっ!!」あ、りさぁぁぁぁ!!」
指の動きは止めず、沙綾の顔を見る。
目尻には涙が滲み、開かれた口の周りには微かに唾液が流れていた。
なんて顔。そう思うが、指を動かす度に漏れる嬌声と、快感に溺れる表情が、有咲をより欲情させ、同時に、愛おしさを抱かせる。
「あぁぁぁっんっ!!ありさっ、ありさぁぁ!!」
「っ!?」
喘ぎながら自分の名を呼ぶ。胸が強く高鳴る。
「ありっんんっ!!」
指を動かしながら、沙綾と唇を重ねる。
上手に出来ないけど、そんなのはいい。沙綾が可愛く、愛おしくて。
沙綾、大好きだ。もっと犯したい。もおっと欲しい。
有咲、大好き。もっと激しくして!もっと、めちゃくちゃにして。
互いが互いを欲し、激しく唇を重ね、舌を這わせ合う。
「んっ!んんーーーーーっっ!!」
二つの刺激に耐えられず、沙綾は両腕で激しく有咲を抱きしめ、そして、再び絶頂を迎えた。
「はぁ、はぁ。さ、や……」
「ありさ……」
少し身体を離し、見つめ合いながら名前を呼ぶ。
そして、どちらからともなく、優しく唇を重ねた。
「有咲、今日は激しかったね」
「そういう沙綾だって」
なんとなく恥ずかしくなって、沙綾から目を逸らす。だが、自分の顔がまた熱くなっているのを感じ、更に恥ずかしさが増す。が、沙綾の方へ向きなおすことも出来ず。結局恥ずかしさに耐えながら意地を通す。
「それより、たくさん汗かいちゃったね」
「ん、ああ」
「有咲の水着、びしょびしょだよ」
「あ、ほんとだ。うげぇ……」
着たままの水着には汗がびっしょりとついている。改めて感触を認識し、少し不快感があった。
「はぁ、着替えるか」
「だけど、汗いっぱいかいたままだよ」
「そりゃそうだけど。このまま素っ裸もまじぃだろ」
「でも……。って、引き出し」
「ん?……あっ!」
沙綾に指摘され、慌てて引き出しを開く。その中にあるもの。
「良かったぁ。そういや、タオル入れてたんだ」
「もー。有咲こういうとき抜けてるんだから」
「うっせ」
悪態をつきつつ、有咲はタオルを二枚取り出し、一つを沙綾へと渡す。
「ね、ねぇ有咲」
「ん?どした」
「その、……拭いてほしいな、って」
「……おい」
「だめ?」
しゃがんだ姿勢の為、自然と上目遣いになる沙綾。その様子が可愛くて、有咲はダメとは言えず。
「わ、分かったよ」
言って、沙綾の側へ行き、そっとタオルを沙綾の肌に当てる。
「んっ」
「おい、変な声出すなよ」
「変って、ひどいなー」
「ひどくはねーだろ。……続けるぞ」
そうして、有咲は黙々と拭く。首筋、背中、胸元、お腹周り。どこも、沙綾が感じやすい箇所。その為、拭く度に沙綾の口から艶めかしい吐息が漏れる。聞くほどに、胸の鼓動が高まってくる。
「ねえ有咲、脚も拭いて」
「……うん」
胸の高鳴りが苦しく、そっけない感じでしか返事ができない。バレてないよな?そんな不安が有咲の頭の中によぎる。
だが次の出来事で、ある意味その不安が消し飛んでしまった。
「お!おおおおおおおおお前!?」
「どうしたの?」
「どうしたのじゃねーよ!」
脚を拭いてとお願いした沙綾は、四つん這いの姿勢になり、腰側を有咲の方に向けた。
つまり。
「……丸見え、だよね」
「あ、当たり前だー!」
有咲の眼前には、沙綾の大事な秘部が再び露わになっている。
「……っ」
「有咲、早く……」
その早くは、どの意味なのか。沙綾には判別できない。
だが、大好きな沙綾の、先ほどまで欲望のまま求めていたものが、目の前にある。
その状況で、若い心は抑えられるわけはなく。
「あぁぁぁぁっ!!あ、有咲ぁぁぁぁぁ!!」
タオルを手放し、再び沙綾の秘部へ指を挿入する。
「あぁっ!あり、さぁ!んんーーっ!!」
理性など忘れ、ただひたすら沙綾の秘部を攻める。指から沙綾の熱が伝わり、耳には激しい嬌声が響く。
「あぁぁぁぁっ!!ありさぁぁぁぁ!か、感じる!感じちゃうよぉぉぉ!!」
有咲の指の激しさに身体が震える。前腕を床につけ、身体を支える。けど、膝は立てたまま。即ち腰を上げた姿勢。
身体が熱く、足腰は既に限界で、震えている。けど、有咲の刺激を求めている。
「沙綾……!沙綾っ!!」
そして有咲も、沙綾を激しく求める。もっと沙綾を感じさせたいと。
攻めながら、沙綾のお尻を見る。白く滑らかで、柔らかく、綺麗な肌。食べてしまいたいくらいに綺麗だと思った。
そしてその割れ目にある、小さい穴……。
だめ。さすがに。けど……。
一瞬よぎる理性と、もっと沙綾を知りたいという欲望。
いい、よな。だって、沙綾が見せてるんだ……。
「ひゃぁぁぁぁぁぁっ!!あ、そこあぁぁぁぁぁぁ!!」
秘部を攻めながら、もう片方の手で沙綾のお尻の穴を強く押す。
「そ、だめぇぇぇぇ!!」
「だめって言ってるわりには、さっきよりここぐちょぐちょになってんぞ」
「いやぁぁっ!あ、あーっ!だめ!だめぇぇっ!!」
お尻の穴を回すように押したり、軽く広げたり。その度に秘部はどんどん濡れていき、指を出し入れする際、飛沫音が激しくなる。
「いやっ!だめぇ!ん、あぁぁぁっ!!あり、んあぁぁぁぁっ!き、汚い、から、あぁぁぁっ!!」
「汚くねーよ。すげ、可愛い」
「か、かわいく、んんーーっっ!!」
沙綾の反応が可愛くて、攻める手を止められない。
もっと沙綾の恥ずかしい反応を知りたい。
「っ!?ああぁぁぁぁぁっっ!!」
穴の中に指を入れ、中を優しく撫でる。
「だ、だめぇぇぇ!!あ、あーーーーーーーっ!!」
「沙綾、沙綾ぁぁ!!」
有咲も、もう止まらない。思うがまま指を動かす。
「沙綾、可愛い」
「あんっ!ん、あぁぁぁーっ!!」
「好きだっ!さあやぁぁぁーっ!!」
「あ、ありさぁぁ!んあああああああああっっ!!」
絶叫と共に全身が強張る。
すぐに力は抜け、床にぐったりと寝そべる。息は荒れ、髪は乱れ、けど、それらを整える余力は、もうない。
「さ、や……」
有咲も同じように、既に力はなく、沙綾の隣に寝そべる。
「……ふん」
「お、おい!」
だが見つめ合った瞬間、沙綾は頬を膨らまし、そっぽを向く。
「有咲の、いじわる」
「わ、悪かったよ」
「悪いって思うなら、あんなに攻めないでよ」
「し、しょうがねーだろ。……可愛かったし、あたしも、気持ちよかったし……」
「……ふーん」
「だから、悪かったって!ごめん!」
「……じゃあ」
ようやく有咲の方へ向き直ったと思ったら、妖しい笑みを浮かべる。
「次の時は、私が有咲のを攻めてもいいよね」
ドキリと胸が一瞬高まった。自分のお尻に、沙綾の指。
想像がつかなくて、何を言えばいいのか、分からない。
「有咲……」
そう優しく呟き、そっと有咲の唇に触れる。
「大好き」
「……うん」
想像がつかないけど、沙綾にされるんならいいかな。そう思い、今度は有咲から沙綾の唇に触れた。
Tweet |
|
|
1
|
0
|
追加するフォルダを選択
バンドリ!の沙綾と有咲の二次創作(えろ百合)です!