No.921883

マイ「艦これ」「みほ2ん」第72話<艦娘よ永久に:終結>

しろっこさん

両親や地元の人に見送られ実家を発った司令と艦娘たちは鎮守府へと戻った。きっと新しい決意がそれぞれに……ないか。

2017-09-10 21:10:24 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:454   閲覧ユーザー数:452

「ご両親に、敬礼!」

 

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マイ「艦これ」「みほ2ん」

 第72話 <艦娘よ永久に:終結>(改2)

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「おはよう」

「おはよう御座いまぁす」

その後、別に起床ラッパもない。

各自が勝手に起き上がって、それぞれに朝食を食べ始める。

 

 私も実家と言うこともあって油断しているが祥高さんも同様なのか……お互い指摘もしない。

 

(まあ、休暇だからな)

そう思うと結局ユルユルになる。

 

 それでも秘書艦である祥高さんと性格的に素面(しらふ)なら生真面目な日向はキチンとしていた。あとは、それなりか。

 

 強いて言えば今回の駆逐艦たちも大人しいから静かだな。

 

祥高さんが報告する。

「司令、08:30には実家の前に妖精さんがトラックを着けるそうです」

「分かった」

 

 各自が朝食をとった後、08:15には各班ごとに点呼を取った。

今回実家に持ち込んだものは例の浴衣の箱くらいで私たちは特に荷物も持っていない。

 

 艦娘たちは、いつもの制服に着替えると私の両親に挨拶の言葉を交わしていた。

「お世話になりました」

 

母親も応える。

「あぁ、また暇があったら来ぅだわ」

「はい」

 

(『はい』じゃないよ……ったく)

私は内心、苦笑していた。

 

 祥高さんが確認をした後、私に目配せをした。

「よろしいですか?」

「ああ、出発だ」

 

 艦娘たちも祥高さんの指示で動き始めた。

彼女たちは軽く敬礼をしながら屋外へと向かう。母親は笑顔で、父親は敬礼をしながら居間から見送っていた。

 

 外に出ると今日も快晴だ。空が青くて清清しい。そして既に狭い路地には、めい一杯トラックが入っていた。

 今回は特例でエンジンは、いったん切った。何しろ道が狭いし住宅街だ。そして日向が軽く車体の点検をしている。

 

それ以外の艦娘たちは屋外で一列に並ぶ。近所の人が何事かと見ている。

一番最後に家を出た私は玄関を振り返る。父親と母親が出て来た。

 

私は改めて両親に敬礼をした。

「言って参ります」

 

母親は軽く頷く。父親は敬礼をした。

 

 それから旭日を浴びて整列している艦娘たちの前で祥高さんが全体に号令をかける。

「ご両親に、敬礼!」

 

 一同は敬礼をした。艦娘といえども規律正しい。

昨晩、あんなに羽目を外した連中だとは思えないが、こういう時の、けじめはしっかりしている。

 

 そんな軍隊の儀礼と言うものは人の心に感銘を与えるものだ。

実際、両親だけでなく私たちの様子を見ていた近所の人たちから自然に拍手が沸き起こった。

 

「おぉもったいないのう」

「シッ」

利根と青葉か。

 

……しかし現実に地元の期待を背負っているという自覚を地域住民と直に接し肌で感じることは、隊員にはとても重要で必要なことだ。艦娘たちの間にも自然に誇り高い雰囲気が醸成されていく。

「イイねぇ」

「はい、お姉様」

 

「各自、乗車!」

号令とともに私と寛代、それに日向は運転台に。あとは後部へと素早く乗り込む。そして日向がエンジンをかける。

 

外では、まだ万歳が続いていた。別に出征するわけでは無いが、ある意味これは私たち美保鎮守府の新しい出陣なのだろう。

 

 肩に妖精さんを乗せた日向が報告する。

「司令、すべて異常なしです」

「よし、出せ」

「はい、出発します」

 

 日向と妖精さんの敬礼とともにトラックは滑るように走り出した。

手袋をした私は窓から両親に敬礼をする。父親もまた敬礼をし母親は手を振っていた。

 

 トラックが実家の前を通り過ぎると後部からは艦娘たちが両親や近所の人たちに手を振っていた。周りの人たちも一斉に手を振っている。

 

「今後は、お盆だけじゃなくて……もっと何度も実家に来るべきかな?」

私が呟くように言うと日向も妖精さんも頷いていた。

 

 それは個人的に、というよりも美保鎮守府として公的にもっと境港地域とは交流すべきだ。それが地元への貢献になるだろう。

 

 やがてトラックは大通りに出た。

私は日向に言った。

「どこかで大淀さんたちにも、お土産を買って帰らないとな……」

 

すると寛代が私を小突く。

「何だ?」

 

見ると、彼女は既にお土産を持っていた。

「は?」

 

それを見ていた日向が笑う。

「祥高さんが、既に準備していました。あとお母様からも」

 

それを聞いて私は『女性はさすがだな』と思うのだった。

 

 幹線道路を走ってトラックは美保鎮守府正面玄関に到着した。

鳳翔さんと大淀さん、それに第六駆逐隊と島風たちが出迎えてくれた……単なる休暇なのに。

 

「全員降車、整列!」

祥高さんが停車と同時に大声で号令をかけた。

休暇メンバーは整列して点呼終了。

 

続いて私は大淀さんから報告を受ける。

「司令、昨日から今朝にかけて異常はありませんでした」

「ご苦労だった」

 

私は、そのまま艦娘たちに命令する。

「よし。解散」

 

バラバラと散らばる艦娘たち。

 

 大淀さんに付いて来た霞は相変わらず無愛想であった。

私は彼女に声をかける。

「霞も、ご苦労だったな」

 

(ふん)

……といった感じで視線をそらした彼女だったが意外と嬉しそうだった。この娘もこの先、成長していくのだろうな。

 

 その他、大淀さんから細かい引継ぎを受けた祥高さん。いくつかの項目を確認して頷いていたが直ぐに私に近寄る。

 

「どうした?」

「緊急ではありませんが艦隊司令部からの直接指令があります」

それは珍しいな。

 

「内容は?」

「はい……今週の水曜日、つまり明後日より他の鎮守府と艦隊模擬戦をするように……との指示です」

「模擬戦?」

 

私は考えた。

(わざわざ美保鎮守府に指示すると言うことは普通の艦隊ではない)

 

つまり艦娘相手だろうということは推測できた。

私は答えた。

「分かった」

 

詳細は執務室で聞こうと思ったが直ぐに大淀さんが付け加える。

「司令、実はその場所が……」

 

私は立ち止まった。

「場所? 国内じゃないのか」

「はい……海外なのです」

 

「は?」

一瞬、耳を疑った。

 

「海外?」

「はい。最近、設営された海外の前線基地ということで……そこで実験も兼ねてと」

そういう彼女も困惑した表情だった。

 

「実験か……」

美保と同規模の基地が海外に? 

 

そのとき、ある情報が浮かんだ。

「そういえば量産モデルという噂を聞いたことがあるが……まさか」

 

呟いた私は直ぐに応えた。

「分かった。詳細はまた後で確認する」

 

祥高さんと大淀さんに敬礼をした私は執務室ヘ上がった。

 

直ぐに秘書艦が全体に指示を出した。

「提督が着任いたしました。これより艦隊の指揮に入ります」

 

美保鎮守府の新しい一日が、こうして始まった。

 

 この後、今回休暇を取ったメンバーが中心となって海外遠征隊が組織されるのだが……その話は、またの機会に譲ろう。

 

 

「美保鎮守府:第二部」終結。

 

 

「みほ3ん」EX回(第三部):序章へと続く。

 

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※これは「艦これ」の二次創作です。

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サイトも遅々と整備中~(^_^;)

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PS:「みほ2ん」とは

「美保鎮守府:第二部」の略称です。

 

 


 
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