No.921066

恋姫OROCHI(仮) 伍章・参ノ陸 ~久々の~

DTKさん

どうも、DTKです。
お目に留めて頂き、またご愛読頂き、ありがとうございますm(_ _)m
恋姫†無双と戦国†恋姫の世界観を合わせた恋姫OROCHI、92本目です。

またしても1ヶ月近いご無沙汰、大変申し訳ありませんm(_ _)m

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2017-09-03 17:19:43 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3948   閲覧ユーザー数:3597

 

 

 

「一刀ーーー!!」

 

本営に入るなり、シャオが飛びついてきた。

 

「おっと…」

「ねぇねぇ~?シャオ、ちゃんと大将頑張ったよ?」

「うん、偉い偉い」

 

抱き留めて頭を撫でてあげると、猫のように声を上げる。

周りを見れば、全員揃っていた。

やはり俺たちの到着前に全て終わっていたようだ。

俺たちが全員の無事を喜ぶと同時に、シャオたちも天和たちの無事を喜んでくれる。

一通り言葉を交わしたところで、

 

「それじゃ、報告してくれるかな」

 

と、促す。

 

「分っかりましたぁ~」

 

穏が元気良く返事をする。

 

「まずは当方の被害ですが、死者はなし!重傷者が数名いますけど、押しなべて損害は軽微です~」

「そっか」

 

重傷者が出たのは心苦しいが、まずは全員の無事を喜ぼう。

 

「周囲を探索したけど、残敵も居らんかったで」

 

遊撃の霞は辺りの索敵もしてくれたようだ。

 

「問題なのは、最初から戦っていた張三姉妹の護衛部隊の方ですね~…」

 

先ほどとは打って変わって、深刻そうに眉を顰める穏。

 

「そんなに、ですか…」

 

人和が暗い声色を出す。

 

「はい~…ほとんどの方が怪我をされています。いま出来る人には手当てをしてますけど…」

 

出来ない人もいる、ってことか…

 

「元はどのくらい居ったのじゃ?」

「約一万はいたはずです」

「…そこまでいるようには、見えませんでしたね……」

 

雫の声も暗い。

 

「先ほど、護衛部隊の指揮官らしき人物がいたので、被害状況などをまとめて欲しいと頼んでおきました」

 

凪の声はいつも通り、毅然としている。

 

「早ければ、そろそろ……」

「被害の報告に来たぞ」

 

と、タイミングよく一人の、如何にも武人といった風の女性が陣に入ってきた。

 

「あ、華なんとかさん、無事だったんだね~」

 

天和が入ってきた女性に笑顔で手を振る。

関係者なのは間違いなさそうだ。

 

「あーーーーーーー!!!」

 

と、誰かが大声を上げる。

 

「おまっ…華雄やん!こんなところで何してるんっ!?」

 

霞だった。

 

「貴様は……張遼ではないか!」

 

華雄と呼ばれた女性も、霞を見て声を上げる。

華雄……どこかで聞いたことがあるような…

 

「霞さま。この方、お知り合いなのですか?」

「あぁ。月っちんとこで一緒にやってた奴や。洛陽ではぐれてこっち、行方が分からんかってんけど…」

 

あ、そっか。反董卓連合のときに関を守っていた将だ。

……汜水関でコテンパンにやられてた。

確か恋と一緒に逃げた、って報告以降、まったく行方知れずだったんだよな。

 

「懐かしいな~元気しとったか?」

「まあな。貴様も壮健そうで何よりだ」

 

ニヤリと笑う華雄さん。

真名で呼び合ってはいないけど、割と気心の知れた仲みたいだ。

 

「え~っと、華雄さん。旧交を温めているところ申し訳ないけど、報告をお願いしてもいいですか?」

 

申し訳ないとは思いつつも、俺は先を促す。

 

「む、そうだったな。それでは、簡単にだが…」

 

そう前置きすると、華雄さんは口を開いた。

 

「元々私が指揮を任されていた訳ではないので細かな数は分からんが、残存兵力が約八千。無傷のものはほとんど居らん。

 七割が軽傷、二割が重傷……他が重篤、といったところだ」

 

思ったよりは、ずっと被害は少ない。

張三姉妹の護衛が精鋭ぞろいだったと言うこともあるのだろう。

逆に言えば、それをしてこの損耗率だ。

期せずして立ち向かえば危険な存在であることを、まざまざと思い知らされた。

 

「…一つ、お聞きしたいのですけど、よろしいですか?」

 

おずおずといった風に雫が手を挙げる。

 

「なんだ。私で答えられることならば答えよう」

「あの鬼とは、どういう形で遭遇したのですか?」

「…どういう意味だ?」

「いくつかの例外を除けば、鬼の出現例は限られています。その例に合致するか否かが知りたいのです」

 

雫の言いたい事は分かる。

涼州を除けば、鬼は『戦国』に出るものだからだ。

 

「それならば、そこの三姉妹の方が詳しいだろう。行軍において、私は後衛だったからな」

 

華雄さんの言葉で、耳目が天和たちに集まる。

 

「え、なになに?お姉ちゃんたちのお話?」

 

ポケーっとしていたのか、天和が素っ頓狂な声を上げる。

 

「そうよ姉さん、私たちの話よ。この件は私から説明させてもらいます」

 

人和が難しい表情で話し始めた。

 

「あれは、今から数刻ほど前、ここからもう少し先に行った場所でした」

 

 

 

 


 
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