No.917105 【けもフレ】らぶ♥フレンズ2【かばんvサーバル2】初音軍さん 2017-08-04 20:54:32 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:895 閲覧ユーザー数:895 |
らぶフレンズ2
【かばん】
「かばんちゃん!みてみて!あそこにもフレンズがいるよ、すっごーい!」
「うん、そうだね」
バスに乗りながら旅をしているボクとサーバルちゃんは今日もフレンズさん達と
ふれあいながらヒトの情報を集めていた。サーバルちゃんは他のフレンズさんと
すぐに仲良くなれるからすごいと思った。けど、今日のサーバルちゃんはどこか変だ。
元気いいのは良いことなんだけど、なんていうか違和感を覚えるほどに
元気を出しているように見えた。ただ他に変に感じる部分がなかったから普段のように
ボクは接していたのだけど。
「ふぅ、今日も面白いフレンズさんがいたね。サーバルちゃん」
「…」
「サーバルちゃん?」
ふらっ
急に静かになったと思ったら倒れそうになっていたサーバルちゃんを支え抱きとめる。
そしておでこに手を当てると…熱い。
「サーバルちゃん、熱があるよ…!?」
『分析、分析』
何かあったときのために腕につけていたラッキーさんをサーバルちゃんに向けると
スッと淡い光がサーバルちゃんの体に当たり、探るようにぐるぐると動かしていた。
『ドウヤラ、風邪のヨウだネ。寝ブソクのヨウだヨ。免疫力がサガッテなっタみたいダネ』
「え…!?」
いつからなんだろう。やっぱりさっきまで様子がいつもと違っていたのは無理を
していたんだ…。苦しそうにしているサーバルちゃんを見ていたら心配になってきた…。
ボクはサーバルちゃんの近くにいって手を握りながらラッキーさんに聞いてみた。
「ボクはどうしたらいいですか?」
『水分ヲ取ってユックリ休めばダイジョウブダヨ』
「水…ですか」
そういえば今日行っていた場所に水場があったからそこから汲んでくれば
いいかなと思いサーバルちゃんから離れようとした時だった。
ぐいっ
「わぁっ」
どさっ
勢いよく立ち上がろうとした時に強く引っ張られたものだからボクは思い切りお尻を
床に打ち付けてしまった。
「あいたた…」
振り返ると服の裾をサーバルちゃんがしっかりと握っていた。
「かばんちゃん…」
起きてはいないようだけど、これまで見たことがないくらい寂しそうな表情をしていた。
うっすら涙も浮かんでいた。
周りが暗くなってきてこれ以上時間が経つと水汲みも大変かもしれなくて
どうしようと思った時。
『カバン、他のラッキービーストに伝えラレルか通信してミルネ』
「え、それはどういう」
ラッキーさんがそう言った後、カリカリカリと小さな音が鳴りはじめた。
何をしているのかわからないけど、ラッキーさん同士で連絡しあえる手段はあるみたいだ。
それが成功してくれればありがたいけど。
そう思った数分後に足の速いフレンズさんが水を持ってバスまで持ってきてくれた。
「かばん!ボスに頼まれて水もってきたわよ!」
「は、速いですね!」
「そりゃ、チーターだし?」
「あ、チーターさんでしたか」
ボクの言葉にちょっと不機嫌そうに溜息を漏らすのが聞こえた。
「さっき顔合わせたのにもう忘れるなんてひどいんじゃない?」
「ご、ごめんなさい。もう辺りが暗くて見えにくくて…」
「そう…ヒトって不便なのね~」
そう言って近くまで来て水を渡された時にようやく顔が見えた。ちょっと強気のある
態度と目つきが怖い印象があるけど、実は優しいチーターさん。
「ありがとうございます」
「べ、別に…。あ、サーバルに元気になってもらわないとだから!?
別にかばんのためじゃないんだからね…!」
「あ、はい…」
「じゃあ、私帰るから!また遊びに来なさいよね!」
そう言ってすごい速さで走って帰っていったチーターさん。
そして置いていったもらった水を飲みやすいように分けたいんだけど今ちょうどいい
ものを持っていなかった。かばんの中を見てもそれらしきものはなかった。
さてどうしようかと困っているとサーバルちゃんが起きてきょろきょろ見回していた。
「サーバルちゃん?」
「あ、かばんちゃん…!」
ボクを見つけると勢いよく抱きついてきた。その時、少しだけ震えてるのを感じて
怖い夢でも見たのかなと思った。サーバルちゃんの額にボクの額を合わせると
まだ熱かった。
「サーバルちゃん、今風邪引いてるみたいだから。もう少し寝てた方がいいよ」
「で、でも…」
「そうだ…すごい汗かいてたから水飲まなきゃ。飲める?」
ボクはサーバルちゃんを見ながら笑顔で聞くとサーバルちゃんは頷こうとして止めて
何か少し考え事をしていた。
「どうしたの?」
「えっと…今カゼ?で上手く飲めないかもだから…口移しで飲ませて!」
「ええ!?」
「ダメ…かな?」
口移しとかしたことないからすごく恥ずかしいかも…でもそんなこと言ってられない。
サーバルちゃんが元気にならないと嫌だし…。ボクは意を決してもらった水を口に含むと
サーバルちゃんの口にあてがって含んだ水を口の中へといれた。
「ん…ん…」
「ん…」
ごくんっ
「どう、サーバルちゃん?」
「うん…嬉し…じゃなくてもう一杯!」
「うん、わかったよ」
声に少し元気が戻ったようで嬉しくなったボクはもう何回か同じように口移しで
飲ませてほどよく力が抜けたサーバルちゃんはもう一度横になって目を瞑っていた。
「どこにも行かないでね?」
「うん、ボクはずっと傍にいるよ」
差し伸ばしてくる手を握って笑顔を向けて言うと安心したようでサーバルちゃんから
すぐに寝息の声が聞こえてきた。落ち着いた顔して寝ているのを見ていたらボクも
眠くなってきて、サーバルちゃんの手を握りながらボクも横になってサーバルちゃんの
顔をを見るようにして眠りに就いた。
早く元気になりますように…。
***
「かばんちゃん、おはよー!」
目を覚ましたボクの目の前にはサーバルちゃんの顔が…。すごく近い。
「おはよう…んん…調子はどう?」
ボクは起き上がって軽く目をこすりながらあくびをしてから聞くと、跳んだり走ったり
していつもの元気な様子を見せるサーバルちゃん。昨日みたいな無理した様子もなくて
ホッと胸を撫で下ろした途端…。
「…くしゅんっ!」
「かばんちゃん?」
あれ、何か嫌な感じがする。背中がぞくぞくするような…。もしかして…。
ボクの中で嫌な予感が出てきた時、ラッキーさんから不吉な宣告が。
『カバンも風邪ヲヒイタみたイダネ』
「そ、そんなあああ」
「今度は私が看病するよ!かばんちゃん!」
そう言って嬉しそうに抱きついてくるサーバルちゃん。サーバルちゃんの胸が
顔に押し付けられ柔らかくて気持ちいいけど今のボクは暑くて苦しくて
それどころではなかった。
「あ、あついぃぃ~…」
ガクッ
「あれ、かばんちゃん寝ちゃったー?」
『サーバル、ソレハ気絶と言うンダヨ』
わずかに聞こえていた会話はそこまでで。そこからボクの意識はしばらくの間、
真っ暗になっていたのだった。
お終い。
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定番のお熱ネタ。最初の予定よりボスの台詞数が増えてたw二人のイチャイチャ大好物。幸せになれ幸せになれ