No.910704

タロット・ゲーム 第二章『力(ストレングス)』

小説とは言い難い稚拙文章

2017-06-18 23:03:19 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:557   閲覧ユーザー数:552

アタシとデス子は教会の前に来ていた。

 

デス子「ごめんねみんな・・・ほんとうにごめんね・・・絶対お願い叶えてみんな元に戻してあげるから・・・」

 

デス子はあらためて誓う。アタシたち共通の目的「すべてをなかったことにする」を。

 

かつき「んー、そろそろ行くかねぇ。」

 

デス子「うん。」

 

 

あれから数日、行く当てのないデス子はアタシの部屋に住まわせてる。

啓一のやつが「こんなところで生活させられるわけがない!」って言って勝手に部屋を片付けまくるし。

まあ、おかげで2人が生活するに充分なスペースが確保されたわけですが。

 

デス子「今日はなにをするんだっけ?」

 

かつき「さーなー?他のプレーヤーもいないんじゃ何もやることないしなー。」

 

アタシたち3人が出会ったのは本当に偶然だった。まさか同じ街に3人もプレーヤーがいたとは思わなかったからだ。

じゃあ残り19人はいったいどこにいるのか・・・?ご丁寧にこちらに仕掛けてくるまで待ち続けるのか?

それとも、あてもなく敵を探し回るのか?それはあまりにも行き当たりばったりすぎる・・・

 

そんなことを考えながら歩いてたら啓一との待ち合わせ場所に到着した。

 

啓一「めずらしく時間どおりですね、かつきさん。」

 

かつき「誰かさんがギャーギャーうるせーからな。」

 

デス子「途中でお祈りしてきたんだ!」

 

かつき「で、今日はいったい何用よ?」

 

啓一「とりあえずどこか休めるところに入りましょう。話はそこで。」

 

かつき「あいよ。」

 

アタシたちは近くの喫茶店に入り、適当にドリンクを注文した。

 

啓一「アルカナを使って捜索範囲を広めた結果、隣町にプレーヤーがいることがわかりました。」

 

かつき「へー。それで?どうすんのそいつ?」

 

啓一「相手は1人、こっちは3人・・・それならば・・・」

 

かつき「人数差を利用して一気に、ってか。関心しない手だが手段を選んでられねぇよなぁ。」

 

啓一「僕だって不本意ですけど、勝つためにはやれることは全部やらないと・・・」

 

かつき「で、わざわざ3人集まったってことは・・・」

 

啓一「ご察しの通り、この後隣町に視察に行きます。」

 

かつき「ですよねー。これ最悪そのまま戦闘になるかもを想定しての行動だよねー。」

 

啓一「一人で行って返り討ちにあったら目も当てられませんよ・・・」

 

デス子「アイス食べたーい。」

 

かつき「そっかー。啓一がおごってくれるってさー。よかったねー。」

 

啓一「奢りだなんて言ってませんけど?」

 

デス子「えー」

 

かつき「ケチな男子はモテないわよぉ?」

 

啓一「女子力0が何言ってんですか・・・あーもう、すみませーん。アイス追加で。」

 

かつき「キャー、啓一くんステキ―♪」

 

デス子「すてきー♪」

 

啓一「デス子ちゃん?かつきさんの真似ばっかりしてると女子力なくなっちゃうよ?」

 

かつき「失礼な!」

 

 

たわいない会話もそこそこにアタシたちは隣町に向けて出発する。

そこにいる「敵」がどんな相手なのかまだわからないが、3人いれば最悪の事態は避けられるだろう。

 

 

チンピラ「オラ、持ってんだろ?出せよおっさん。」

 

くたびれたサラリーマン「すみません・・・勘弁してください・・・」

 

私は、力ない普通のしがないサラリーマン。

何事もなく平穏な日々を過ごせればそれで満足だった。

 

チンピラ「あんま人をいらつかせんなよ・・・オラァッ!」

 

チンピラたちが私を殴る蹴る。私は謝りながら状況が収まるのを待つだけだった。

 

 

平穏な日々を望む私に、1つだけ変わったことがあった。

真っ白な空間で誰かから1枚のタロットカードを受け取ったこと。

いずれ始まるというあるゲームのために必要なものだというのだが・・・

 

私には、関係のないことだ。そう思っていた。

その日以来私について回る謎の存在は私に語りかけた。

 

「すべてが始まれば、力が手に入る。」と・・・

 

子供のころに見た映画スターに憧れて身体を鍛えたこともあった。

だが私は体質的に筋肉がつきにくいようで、鍛えるのを断念した。

だからだろうか、強い力には憧れがあった・・・

 

そんな私に与えられたタロットカードが「力(ストレングス)」だったのは運命のいたずらだろうか?

だが、まだカードは何も応えてはくれない・・・

 

チンピラ「もういーや。このオヤジやっちまおうぜ。」

 

チンピラたちが凶器を手にした。こいつたちは私を・・・殺す気なのか?

 

チンピラ「もーちっと痛い目みねーとわかんねーみたいだからなぁっ!」

 

なんということだ・・・私の人生はこんなところで・・・こんなことで終わるのか・・・?

 

 

ああ、力が欲しい・・・何事をも覆せる圧倒的な力が・・・

 

 

アルカナ「すべてのプレーヤーが揃った。ゲームが開始される。カードの能力も解放される。」

 

 

謎の存在が語る。カードの能力・・・私は何気なく手放せないでいた「力」のカードを取り出すと、カードに願った。

 

くたびれたサラリーマン「力を・・・!私に力を!」

 

カードが輝くと私の中に入り込んでくる。するとどうだろう・・・体の奥底から力が・・・

 

チンピラ「あぁっ?!いきなりなんだてめぇっ!?」

 

くたびれたサラリーマン「んんん・・・この感触・・・これが『力』・・・」

 

チンピラ「なんだ?追い詰められて頭イカレたか?」

 

くたびれたサラリーマン「まずはあなたたちで試させてもらいましょうか・・・なぁに、さっきまでのお返しですよ。」

 

チンピラ「あぁっ?!」

 

チンピラが威嚇してくるが今の私は恐怖を感じない。それ以上に感じるのだ、力を・・・!

目の前にはチンピラが3人・・・まず私に一番近い男へ拳を振りいた。

 

ドォンッ!

 

拳を腹に食らったチンピラが弧を描き吹っ飛んだ。

それを見た2人のチンピラが表情を変える。だが私はそのまま2人目の男へ拳を向けた。

 

ボゴォッ!

 

鈍い音がした。かまわず最後の1人に拳を向けた。

 

チンピラ「た、たすけっ」

 

バゴォッ!

 

首があらぬ方向に曲がって男は倒れた。これが、私が手に入れた力なのか・・・

 

 

アルカナ「主の能力は『力』そのもの。だがまだその能力を発動させてはいない。その力は『恩恵』によるものだ。」

 

くたびれたサラリーマン「まだ・・・力が得られるというのか?」

 

アルカナ「主が望めば、望むままに・・・」

 

くたびれたサラリーマン「くくく、ははは、いいぞぉ・・・これは、いいっ!」

 

瀬古「この瀬古茂人の人生最高の瞬間が訪れた!」

 

アルカナ「主は他のプレーヤーからカードを奪うことで願いを叶えることができる。」

 

瀬古「私以外にもこのような能力を使うものが・・・」

 

瀬古「だが、圧倒的力こそすべてを捻じ伏せる!力こそが正義!それを私が証明して差し上げましょう!」

 

 

これが、タロットプレーヤー『力(ストレングス)』が覚醒した日。

かつきたちがいる街の隣町で数日前に起こった障害事件の真相だった。

 

 

デス子「ついたー」

 

かつき「変わんねぇなぁここも。」

 

啓一「僕らの街とたいして変わらないですしねぇ。」

 

アタシら3人は隣町にまでやってきた。ここにいると思われるタロットプレーヤーを探すため。

啓一が板っきれを使って探し始める。どうやら反応は周辺のビルにあるそうだ。

 

啓一「おそらく仕事か何か、日常生活を送っているんでしょうね。」

 

かつき「お、乗り込むのか?」

 

啓一「そんなまさか・・・かつきさん、今時間は?」

 

かつき「午後3時ってとこだな。」

 

啓一「社会人なら5時には帰宅すると思うから、それまで待ちましょうか。」

 

かつき「けーいちくーん?今どきの企業が定時退社なんてさせてくれると思う~?」

 

啓一「・・・あのビルに入ってる会社、全部ホワイト企業って有名ですよ?」

 

かつき「マジデ?」

 

アタシたちは午後5時まで適当にぶらぶらしながら待つことにした。

啓一はバカ正直に近くで張り込んでたけどアタシはデス子を連れて駅前のゲーセンで適当に暇つぶし。

そうこうしてるうちに時間は過ぎていた。

 

啓一「・・・遊びに来たんじゃないんですよ?」

 

かつき「いやー、なんか思いのほかいっぱい獲れちゃってさ?」

 

アタシはぬいぐるみがぎゅうぎゅう詰めの袋を両手にさげて啓一と合流した。

 

午後5時。タロットプレーヤーがホワイト企業の社員ならもうぼちぼち姿を現すだろう。

 

啓一「反応がわずかに動き出しましたね。」

 

ビルから出てくる人物を観察する。すると啓一が反応と一致する人物を特定した。

 

啓一「あの人のようですね。」

 

かつき「くたびれたサラリーマンだな・・・」

 

デス子「どーするのー?」

 

啓一「こっそり後をつけましょう。」

 

アタシは両手いっぱいの戦利品をコインロッカーに押し込めた。

サラリーマンは街中をフラフラ歩き回ると、少しずつ人気の少ないほうへと向かっているようだった。

こっちの尾行に気づかれてる?そういえば相手もタロットプレーヤー・・・板っきれを持っていても不思議じゃない。

 

かつき「啓一。たぶんバレてる。」

 

啓一「僕もそう思いました。誘導されてますね・・・」

 

やがてサラリーマンは人気のない小さな公園に入り、足を止めた。

 

瀬古「まさか3人もやってくるなんて思いもしませんでしたよ・・・」

 

かつき「やっぱ気づいてたのか。」

 

瀬古「ええ。私が職務に勤しんでるときにね。」

 

啓一「話し合いで解決できるとは思わないんですが、カードを譲っていただくことは・・・」

 

瀬古「冗談ではないっ!!」

 

サラリーマンが急に声を荒げた。

 

瀬古「この私の力を奪おうなど・・・断じて許さん!」

 

かつき「なんかこのおっさんめっちゃキレてんだけど・・・」

 

するとサラリーマンはカードを取り出し能力を発動させた。

一瞬だがカードに「力(ストレングス)」と書かれてあるのを確認する。

 

瀬古「初めて能力を発動させてから数日・・・少しずつコツがつかめてきましてねぇ・・・」

 

かつき「それは練習熱心なことで。」

 

瀬古「今では・・・ぬぅんっ!!」

 

サラリーマンが力を込めるとジャケットがはじけ飛び筋肉が膨張した。

 

瀬古「パワーをねぇ・・・感じるんですよっ!!!」

 

かつき「啓一!デス子!」

 

アタシたちも能力を解放する。この状況はもう戦闘を避けられるものじゃない。

 

瀬古「力こそが正義!力こそがすべて!それを私が証明して差し上げます!!」

 

筋肉もりもりマッチョマンになったサラリーマンがしかけてくる。

 

啓一「まずは僕が!」

 

啓一が前に出る。サラリーマンは啓一を狙って攻撃してきた。

これを未来視で回避しアタシとデス子で攻撃して仕留める。事前に打ち合わせておいた攻撃パターンの1つだ。

 

ドゴォンッ!

 

啓一がギリギリのところで回避する。地面が陥没するほどの一撃・・・前にアタシが使った「世界の重さパンチ」と同等か・・・

すかさずアタシとデス子が攻撃を仕掛ける。溜めは充分じゃないが世界の重さパンチと、デス子の鎌の左右同時攻撃。

 

ガッ!

 

サラリーマンが両手を伸ばし右手でアタシの拳を、左手でデス子の鎌を受け止める。

 

かつき「デス子、離れろ!」

 

攻撃が失敗したことでこちらの被害を避けるために距離を取り直す。

 

瀬古「悪くない連携ですねぇ。ですが、力の前では無意味です。」

 

かつき「なぁ啓一・・・こいつ、強いぞ?」

 

啓一「単純にパワーがあるのはともかく硬いですね・・・即死属性がなくなったとはいえデス子ちゃんの鎌を素手で受け止めるなんて・・・」

 

瀬古「では、さらにパワーの段階を上げましょうか!」

 

サラリーマンの筋肉がさらに膨張する。

 

瀬古「これで30%といったところでしょうかね。」

 

かつき「そういう漫画のキャラいたよね。」

 

 

アタシたちの戦いが激化していくにつれて、公園は見るも無残に地形を変えていた。

互いに致命傷といえるほどのダメージもなく、戦況は拮抗していた。

何か一手をうたないと状況は変えられない。

 

かつき「啓一、デス子と2人で時間かせげるか?」

 

啓一「何をやるつもりですか・・・?」

 

かつき「『世界の重さパンチ』をめいっぱい限界まで溜めてぶち込む。」

 

啓一「なるほど、もうそれくらいしか手はないですよね・・・」

 

デス子「かつきのためならがんばる!」

 

かつき「じゃあ溜めに入るから2人ともよろしくな・・・死ぬなよ!」

 

啓一「縁起でもないこと言わないでくださいよ。いくよ、デス子ちゃん!」

 

デス子「おー!」

 

アタシは渾身の力を溜める。力こそが正義?だったらそれを思い知らせてやるよ・・・

世界の重さを、なめんじゃねーぞ・・・?

 

啓一とデス子が懸命に時間稼ぎをしてくれている。啓一が攻撃を予測しデス子は鎌で攻撃・・・

しかしデス子の鎌でもサラリーマンの身体には傷一つつけられないでいた。

 

右拳がどんどん重くなる。「重さ」を溜めているのだ。限度を超えれば自分がこの「重さ」に負けちまう。

動けるギリギリまで「重さ」を溜める。そしてあのサラリーマンに叩き込んでやるんだ。

チャンスは1度・・・失敗はできない!

 

かつき「啓一!もう充分だ!」

 

啓一「頼みましたよ、かつきさん!」

 

啓一がサラリーマンの攻撃の隙を狙って足関節を狙い態勢を崩した。

そこにすかさず全力の拳を・・・叩き込む!

 

ゴッガァァァァァァンッ!

 

サラリーマンの脳天に振り下ろした拳はそのままクレーターを作るほどの威力だった。

これで倒せてなかったら・・・

 

かつき「啓一・・・やったか?は禁句な。」

 

啓一「言いませんよ・・・それにしても、すごい威力ですね・・・」

 

デス子「公園なくなっちゃったねー」

 

瀬古「・・・まったくです。大した威力ですよ・・・」

 

かつき「!!?」

 

サラリーマンがゆっくりと身体を起こす。直撃だったはずだ。なのに・・・こいつには効いてない!

 

瀬古「パワーを60%まで引き上げなければさすがの私もどうなっていたことか。」

 

かつき「マジかよ・・・あれを60%で受けきれるってのか・・・」

 

こちらの攻撃も「動ける限界ギリギリまで溜めた重さ」だった。

こちらから動くことを捨てれば、まだまだ溜めれるが・・・それじゃあ攻撃自体が打てない。

 

瀬古「そろそろ1人くらい仕留めたいところですねぇ・・・ぬぅん!」

 

さらに筋肉が膨張する。これで何%だ?

 

瀬古「全開100%まで解放します。これでもう君たちに勝機はない。」

 

単純な力の前になす術もなし、か。こっちもやれることは全部やらねぇとな・・・

イチかバチか、全力全霊の世界の重さパンチをお見舞いしてやるよ・・・そのためには・・・

 

かつき「何回か「死ぬ」必要があるな・・・」

 

啓一「何をするつもりですか・・・?」

 

かつき「啓一、デス子のことまかせるわ。」

 

再び「重さ」を溜める。今度はさっきよりもさらに重く、自力で動くこともできないくらいに・・・!

 

かつき「こいおっさん!アタシが相手だ!」

 

瀬古「いいでしょう・・・では、死になさい!」

 

サラリーマンの拳がアタシめがけて飛んでくる。

 

ボゴォォンッ!

 

直撃。しかし・・・

 

瀬古「おや?おかしいですね?なぜ生きているのです?」

 

かつき「さぁて、なんでだろうね・・・?」

 

そしてサラリーマンの連打。すべて直撃。普通のプレーヤーなら今頃ミンチにでもなってるんじゃなかろうか。

だが私は死なない。正確には私以外の誰かが死んでいる。今この連打の中、すごい勢いで。

 

啓一「そうか・・・自分が動けなくなるほどの重さを溜めて・・・それなら!」

 

右拳の重さでフラフラになる。サラリーマンから見れば攻撃でダメージを受けてるように見えるかな?

拳は地面に触れそうなくらいに重くなっている。問題はこれをどうやってこいつに当てるか、だ。

そう思った瞬間・・・

 

啓一「くらえっ!」

 

啓一がサラリーマンの膝裏に全力の一撃を撃ちこむ。いかに筋力が増大してても関節までは強化されてはいない。

サラリーマンが不意打ちで姿勢を崩すも、踏ん張ろうとしたその時・・・

 

デス子「おりゃーっ!」

 

デス子渾身のドロップキックがサラリーマンの後頭部に直撃。そのまま前方向に姿勢を崩し、倒れた。

 

かつき「お前ら・・・ナイスアシスト。」

 

あとはこの拳を倒れたこいつの脳天に振り下ろすだけだ。

 

 

ゴゴゴゴオォォォォォォンッ!!!

 

 

クレーターがさらに巨大化した。今できる最大の攻撃。それを食らわせたんだ・・・これが効いてなければ・・・

 

瀬古「ぐ、ぐぐぐ・・・」

 

かつき「!?」

 

啓一「まだ、動けるのか・・・?」

 

デス子「かたーい・・・」

 

瀬古「ふ、ふはははは。どうやらさっきのがあなたの全力のようですね・・・しかし!」

 

サラリーマンはゆっくりと起き上がり両手を広げた。

 

瀬古「やはり力こそが正義!つまり私こそが正義なのです!ゆえに負ける道理なし!!」

 

こいつを倒す方法・・・本当にもう何もないのか・・・?

本当に全部・・・やりつくしたのか・・・?

 

世界も、女教皇も、死神も・・・全部使い切ったのか・・・?

 

 

死神・・・?

 

 

あった。

 

アタシが封じた、最凶の能力。

 

かつき「デス子・・・アタシから言っておいてこう言うのもなんだけどさ・・・」

 

デス子「ん?」

 

かつき「死神を正位置で・・・使え。」

 

デス子「いいの?約束やぶっちゃうよ?」

 

かつき「これっきりだ・・・頼む。」

 

デス子「かつきが言うなら、わかった。やるね。」

 

デス子が能力を解除しカードを正位置に変え発動する。

 

瀬古「ほう?今度はそちらのお嬢さんがお相手ですか?まあ、何をしようとこの私の力の前にわっ!」

 

サラリーマンがセリフを言いきる前にデス子の鎌がサラリーマンを切り裂いた。

今度の鎌はモノが違う。斬ったものの存在すら消滅させる即死属性の一撃だ。

 

瀬古「が、は・・・バカな・・・痛みが・・・っ!うがぁぁぁっ!」

 

サラリーマンが徐々に消滅していく。

 

瀬古「私はただ・・・平穏な日常・・・を・・・」

 

死神の一撃はあの屈強な肉壁をたった一撃で切り裂いたのだ。

 

デス子「・・・・」

 

(コロセ・・・コロセ・・・コロセ・・・コロセ・・・!)

 

デス子「・・・うるさい。」

 

そういってデス子は死神のカードを地面に叩きつけた。

 

デス子「かつきー、やったよー。」

 

かつき「はは、よくやった。おつかれ・・・」

 

啓一「しかしよく暴走しませんでしたね。」

 

かつき「状況は人を成長させる、かな?」

 

サラリーマンのカード「力(ストレングス)」をデス子が受け取った。

 

デス子「かつきー、これどうしよ?」

 

かつき「アンタが持ってな。経緯はどうであれ最後に決めたのはアンタだ。」

 

デス子「じゃああたしがもってるねー。必要になったらいつでもいってねー。」

 

 

啓一「『力(ストレングス)』・・・恐ろしい相手でしたね。」

 

かつき「単純な力でもあそこまで振りきれてるとバカにできねーってとこか・・・」

 

デス子「でもだいじょーぶ!何かあったらあたしがなんとかするよ!」

 

そういったデス子の頭を軽くげんこつで叩く。

 

かつき「二度とさせねーよ、バーカ。」

 

結局、最終的にデス子の能力に頼ってしまった。だがアタシはこれ以上デス子に人殺しをさせたくはない。

そのためにはアタシがなんとかして敵を倒していくしかない。

 

かつき「世界の逆位置って、どんな能力なのかな・・・?」

 

アタシ自身がやり残したことを思いながら帰路につく。

さすがに今回は骨が折れた・・・

 

ちゃんとコインロッカーにあずけた戦利品は回収しておきました。

 

 

まだ見ぬ能力者は、残り18人・・・


 
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