No.90939

真・恋姫†無双 愉快な殺し屋さん 第十章 進まない軍議―――――さあ、お兄さんと一緒に遊ぼう。………………………袁紹でw

紅い月さん

どうも、紅い月です。
愉快な殺し屋さん、第十章。

オリキャラ主人公なので、嫌いな方は戻ることをお勧めします。

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2009-08-22 01:07:35 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:10168   閲覧ユーザー数:6736

この物語は袁紹と少し劉備が酷い目に逢っています。(久遠は序盤ものすごく酷い目にあっていますがw)

 

そう云うのがお嫌いな方はお戻りください

「あへ~♪」

 

『…………………………………………………』

 

「ほえ~♪」

 

『…………………………………………………』

 

「ぽぺ~♪」

 

「だぁぁぁぁぁああああ!誰かあれをどうにかしろ!」

 

ふえ~?

 

「いや、春蘭さま、それは無理ってもんやで」

「今の隊長に近づきたくありません………と言うか関わりたくありません」

「右に同じなの」

「しかしだな!あれはもう、目障り以外の何物でもないぞ!」

「目障りって俺の事~?なんで~?」

「自分の今の状況を見てみろ!」

 

ん~、只今の自分の状況。流琉、俺、季衣の順で一頭の馬に三人乗り中。馬も気の毒だ。

 

あれから、色々あって俺達は軍を率いて、一路、集合場所まで街道を進んでいた。

 

「あ~、ホント凄いわ~。流琉の抱き心地は半端ねえじょ~♪無論季衣がしがみ付いてるのも半端なくええっすわ~♪」

「それだそれ!本気でうっとうしいわ!今のお前はダレすぎだ!」

 

今の俺はタレパンダすら凌ぐぜ~。

 

とりあえず無視。ハグハグ♪抱き抱き♪ムニムニ♪

 

「あぅ、兄様、くすぐったいですよ」

「ほっほっほ♪苦しゅうない苦しゅうない♪」

「(ブチッ)…………………………死なぁぁぁぁぁぁぁああああす!!!」

 

激昂した春蘭が大剣を振りかざすも―――

 

「アカン!今の隊長に近づいたら――――――」

 

スパッ!スパッ!スパッ!スパッ!スパッ!スパッ!

 

「…………………………え?」

 

ハラリと春蘭の前髪が数本落ちる。

 

「我、邪魔者、全テ、滅ス!」

「怖いわ!」

「今の隊長の一定の範囲内に外から異物が入り込むと拒絶されてしまうみたいです」

「それを先に言え!」

「ちなみにあれが近づいてしまった者の末路なの」

 

沙和が指さすのは馬車に乗せられた、骨が曲がってはいけない方向に曲げられた兵士たちであった。

 

「おい、桐生!お前、何兵士に手を出している!」

「もふ~♪」

「言っても無駄です、春蘭さま。無意識で攻撃してるみたいなんで」

「本当にタチが悪いな!?」

「でも、こうしてるとおもろいで」

 

真桜がポンポンと果物を投げるとスパスパと綺麗に分断されていた。

 

「へ~。………………………(ニヤリ)。あ、手が滑ったわ♪」

 

そう言って桂花は春蘭の背中を押し――――

 

ズバァッ!!!

 

「ぬおっ!?」

 

春蘭は馬上でありながら稼働限界程度に体を反らし斬撃を避けた。

 

「ちっ!」

「桂花ぁ!貴様、今わざと背中を押したろう!?」

「はんっ、気のせいでしょ」

「とぼけるな、貴様!」

 

ギャアギャアと喧嘩を始める春蘭と桂花。イチャつく俺等、我関せずの三羽烏。何故か後方で華琳と秋蘭がため息をついていた。

 

「いつから、私の軍はこうまで無法地帯になったのかしら?」

「はっ、段々と桐生に毒されてきましたね」

「おい、コラ。人を病原体のように言うなや」

「うるさいわよ。病原体そのもの」

「そのもの!?」

 

酷ぉ~い!俺はウイルスってか?

 

「だったら頬ずりで直接感染させたろやんけ!とぉっ!」

 

俺は馬上から華琳に跳びかかり―――――

 

ブスブスブスブス!(秋蘭の矢)ザシュザシュ!(春蘭の斬撃)

 

「ゲフッ!流石姉妹……見事な連携よ……ってか惇ちゃん、さっきまで桂たんと喧嘩してはずじゃん!」

 

意識が薄れゆく俺に追い討ちを討つかのように桂たんの馬が御丁寧に俺の頭を踏んで行った。………往復して5回も。……………軽く死ねるぞ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真・恋姫†無双 愉快な殺し屋さん 第十章 進まない軍議―――――さあ、お兄さんと一緒に遊ぼう。………………………袁紹でw

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「華琳さま!袁紹の陣地が見えました!他の旗も多く見えます!」

 

お~、ようやく着いたのか……。ようやくか~。本当にようやくだ~。

 

「曹操さま!ようこそいらっしゃいました!」

「顔良か。久しいわね。文醜は元気?」

「はい。元気すぎるくらいですよ。皆さんは―――――――ひっ!?」

 

あ~、気がついてくれた。倒れた後、放置する訳にもいかず馬に縄付けて引きずられズタボロになった俺を。

 

「ひどい……酷過ぎる。人権無視だ」

「(無視)元気なのは結構な事だわ。……で、私達はどこに陣を張ればいいのかしら?案内してちょうだい」

「………えっと了解です。それから曹操さま、麗羽さまがすぐに軍議を開くとの事ですので、本陣までおいで頂けますか?」

「分かったわ。凪、沙和、真桜。顔良の指示に従って陣を構築しておきなさい。それから桂花は、どこの諸侯が来ているのかを早急に調べておいて」

「御意」

「私は麗羽の所に行ってくるわ。春蘭、秋蘭、それから久遠は私に付いてきなさい」

「はっ!」

「了解です」

「ここまでボロクソに痛めつけといて、まだ人を酷使する気!?」

「その程度の怪我、唾でも付けておけば治るわ」

「じゃあ、治してみろや!その程度って言うが、間違いなく常人なら致死級だぞ!」

「季衣、流琉、舐めてあげなさい」

 

ヒャッホウ♪テンション上がって来たぁぁぁぁぁあああああああ♪

 

「あら、治ったみたいね。じゃあ、行くわよ」

「ええ!?まだ、舐めてもらっては―――――いやぁ、惇ちゃん、首を持って引きずるな~!」

「兄ちゃん、いってらっしゃ~い!」

「兄様、いってらっしゃ~い!」

「逝ってきまぁ~す!」

 

ズルズルと引きずられ俺は旅立ったw

 

 

 

 

 

 

 

―――――日に日に俺の扱いが酷くなっていく~w

「お~っほっほっほ!お~っほっほっほ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死ねぇぇぇぇぇええええ!

 

何となくムカついたんで、耳障りな音を発する地点に生魚(何故!?)を投げつけた。

 

「きゃああああああああああああ!?」

 

うっし!クリーンヒット!

 

「な、なんですの!?なんでわたくしの顔に魚がぶつかったんですの!?しかもピチピチしてますわ!」

 

おおっ、慌てふためいとる。ってか、アレなんだ?あの華琳のクルクルをパワーアップした物体は。

 

「久しぶりね、麗羽。久しぶりに会ってみれば面白い事になっているわね♪」

 

あっ、すっごい良い笑顔。すげえ嬉しそうだ。

 

「くっ!久しぶりですわね、華琳さん」

 

ビッグブロンドクルクル~は魚を地面に投げ捨て(もったいない)恰好を整える。

 

「兎に角、これで主要な諸侯は揃ったようですわね。華琳さんがびりっけつですわよ、びりっけつ」

 

おお~、なんて度胸だ。華琳にそんな事を言うなんて。←(平気で貧乳やチビと言ってる人)

 

「……はいはい」

 

ええ~、流した?俺ならもがれるぜ(何を?)

 

「それでは最初の軍議を始めますわ。知らない顔も多いでしょうから、まずそちらから名乗っていただけます事?ああ、華琳さんはびりっけつですから、一番最後で結構ですわよ。お~っほっほっほ!」

 

うぜ~。

 

「なんだ、アレは?あの面白くるくる二号は?」

「あれは袁紹。この集りの主催者だ」

「ほ~、あれが……」

「三公を輩出した名家の出身で、自身も司隷校尉だ。恐らく、ここに揃った一同の中では一番地位が高いはずだぞ」

「なるほど。華琳の西園八校尉よりも……」

「悔しいが向こうの方が上だな」

「そうか」

「その前に、一号が誰だか聞きたいんだが」

 

 

 

 

……………………………テヘリ。

 

いやぁぁぁぁぁああああ!!!左右から足をグリグリすんな~!

 

「そこ!何をくっちゃべってますの!うるさいですわよ!」

 

 

 

「テメエの声の方がうるせえよ。声の音量下げろや。ボケ!」

 

 

 

 

 

 

 

『…………………………………………………』

 

 

 

 

あれ?なんか皆さん黙っちゃったんですけど?

 

「(アホか!袁紹相手にそんな事を言う馬鹿がいるか!)」

「(ほっとけや!俺はそんな馬鹿じゃ!)」

 

あ、袁紹が口元をひくつかせている。

 

「い、いま、わたくしに対してなんて言ったんですの?」

「モウシワケアリマセンデシタエンショウサン。ワタクシがワルウゴザイマシタ。ウルサクテゴメンナサイと言いました」(超棒読み)

「あ、あら、そうですの?まあ、静かにしてくれるのならなによりですわ」

 

コイツバカダ~。

 

とりあえず、自己紹介開始。

 

 

 

 

 

 

 

「……幽州の公孫賛だ。よろしく頼む」

「平原郡からきた劉備です。こちらは私の軍師の諸葛亮」

「よろしくおねがいします」

 

ノォォォオオオオオオ~!!!あの子が諸葛亮!?俺の二番目に好きなキャラがあんなオチビちゃん!?俺の想像した諸葛亮は羽扇を持った冷静沈着な大人のお姉さんなのにぃ!?

 

(ちなみに、他に好きなキャラは順に曹操(奸雄ってところがw)、諸葛亮(策で場を支配する所がw)、同順三位で関羽、呂布(当然武力w)だ)

 

ってか、まだこの時期はまだ三顧の礼は済んでない筈だが……やはり俺の知ってる歴史とは、ちょっとずつ変わってるんだな。

 

それから、馬超、袁術、孫策と、どんどん紹介が終わってくる。

 

「次、びりっけつの華琳さん、お願いしますわ」

「………典軍校尉の曹操よ。こちらは我が軍の夏候惇、夏候淵……それから、桐生」

 

あん?何で俺の所で、場がざわめくんだ……?

 

「あ~ら。その方が天からの遣いとかいう輩ですの?どこの侍女かと思いました――――キャウン!?」

 

何故、袁紹が最後まで言い切れなかったって?当然、俺のラリアットが決まって空中で回転してるからだw

 

「小便はすませたか、神様にお祈りは?部屋のスミでガタガタふるえて命ごいをする心の準備はOK?」

「ゲホゲホッ!」

 

うむ、聞いてないか。やれやれだ。

 

「あ、あなた!わたくしに何をしますの!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ?俺がお前に何をしたって言うんだよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ええ~~~~~~~~~~~~~?』

 

皆、うるさい。

 

「い、今!わたくしを吹き飛ばしたじゃありませんの!」

「夢ですな。白昼夢でも見たんじゃないか?」

「夢な訳ないでしょう!?」

「なら、妄想だ。いやだね、日中に妄想ばっかりする人は」

「なぁっ!?」

 

はっはっはっ!二の句が告げないようだ。

 

「夢でも妄想でもなく、今!現実にわたくしを殴ったでしょう!?」

「知らん。覚えてない。そこまで言うならここにいる誰かが見たって事だろう?誰か見たやつがいるなら俺も素直に謝ってやるよ」

「ふっ!その言葉に二言はないですわね!」

「多分ある」

「あるんですの!?」

 

二言どころか三言、四言すらありそうだ。

 

「と、兎に角!白蓮さん!」

「ええっ!?私!?」

「今、見ましたよね?わたくしが殴られた所を」

「そりゃ、まあ―――」

 

シャーシャー

 

「………?」

 

シャーシャー

 

え?何の音だって?俺がナイフを研いでいる音だw

 

「ふぃ~、よく切れそうな小刀だ。紙どころか石だろうと、木だろうと、お喋りな口だろうと(ボソッ)………あ、いや何でもないっすよ♪」

「………麗羽、スマン。ちょっと、ど忘れしたみたいだ」

「白蓮さん!?」

 

うっし!

 

「袁紹さぁ~ん♪どうやら君の妄想だったみたいだね~♪」

「くっ!劉備さん!」

「ええっ!?今度は私ですか!?」

「貴方は見ましたわよね!?」

「えっと……私は……」

「おおぅっ!完璧な研ぎ具合だぜ♪これなら岩だろうと、巨木だろうと、たわわに実った乳房を(ボソッ)………いやいや~、なんでもないなんでもない♪」

「ごめんなさい、袁紹さん!私、何も見てません!」

「な、な、な、なぁ~~~~~!?」

 

はっはっはっ♪勝った!

 

結局見たと言う者はだれもいませんでしたw

 

「袁紹さぁ~ん♪って事で白昼夢でいいっすか?」

「ぐ、ぐぐっ………あ~、もういいですわ!もう何でもいいですわ!」

「そっかそっか♪じゃあ夢と云う事で決定です。………じゃあ―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――謝れや」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ええぇぇぇぇぇぇ~~~~~~~!?』

「な、なんでわたくしが謝らなければいけませんの!?」

「君は無実の俺を疑ったんだぜ。それで俺の心は傷つきました。謝るのが筋と云うものだろ?」

 

え?理不尽だって?人生そんなもんだw

 

「ぜ、絶対に貴方なんかに謝りませんわ!」

「あ~あ!こいつ最低だ!あ~最低だ!人を疑って謝らないなんてな~!それが袁家の常識ってヤツですか!?それが名家ってヤツですか!?この屑が!」

「(お前の方が最低の様な気がするんだが………)」

 

うるさい、淵ちゃん。

 

「(ある意味尊敬できるわ。その図太さには……)」

 

はっはっは、そうかい?華琳さんや。

 

「ぐっ………なんで……わたくしが………」

 

うむ、確かに納得できんだろうな。だがな―――俺はそれをやらせる人間の屑なのだよw

 

「別にいいっすよ~?お前のある事ない事。特にない事、誹謗中傷を流しまくるから」

「んなっ!?」

「………桐生、お前は最低だな」

 

まあねw

 

「ほれほれ~、どうする~?謝るなら早くしてくれませんかね~?」

「……………ぐっ!」

 

ふむ、覚悟を決めたようだ。

 

「う、疑って悪かったですわ!」

「ごめんなさい、もうしわけありませんでした、生まれてきてすいませんでした、は?」

「なんでそこまで謝らなければいけませんの!?」

「ペッ!………あ~あ、謝るってのはあれか?形だけですか?あ~あ、誠意ってのを見せてくれないとね~」

「こ、小娘の分際でわたくしに~!」

「ハァ~、なんすか、オ・バ・サ・ン?あ、それと自分、男なんで」

「オバッ!?しかも、男!?」

 

フム、皆さん驚いているようだが、とりあえず、性別に関しての説明はこれでいいな。

 

さて、そろそろ佳境に―――、

 

「久遠、そこまでにしときなさい」

 

…………………………え~?

 

「華琳さんや、こう云う事はキッチリとしなければ!」

「そのせいで、軍議が進むどころか始まってすらないのよ」

「だけどこの延長に痛い目に遭わせたいっす!」

「誰よそれ………『えん』しかあってないじゃない。しかも字が違うし」

「……………炎傷だっけ?」

「言い方は合っているけどそれも字が違うわね」

「兎に角!新しい玩―――面白い人を見つけたのに!」

「今、玩具って言おうとしたでしょ?ともかくその辺にしておきなさい」

「でも―――」

「黙れ、潰すわよ」

 

ひぃ!?何を!?

 

「う、うぃ~す、分かりました。って事で許してやるよ、延長12回裏ツーアウト満塁フルカウント一打サヨナラのチャンス」

「誰の事ですの!?」

「お前」

「わ、わたくしの名は袁紹ですわ!」

「(無視)さって、そろそろ軍議でも始めますか。ったく!袁紹のせいで時間喰っちまった」

「こ、この男は………♯」

 

あひゃっひゃっひゃっ♪何を怒ってらっしゃるのやらw

 

 

 

 

 

――――――ってな訳で軍議スタート♪………順調に進むとは思えんがw

「さて皆さん。何度も言いますけれど、我々連合軍が効率よく兵を動かすにあたり、たった一つ、足りないものがありますの。兵力、軍資金、そして装備……全てにおいて完璧な我等連合軍。而してただ一つ足りないもの。……さて、それは何でしょう~?」

 

 

 

 

 

 

 

 

はい、やっぱり順調に進みませんでした~♪

 

ってか、うっぜぇぇぇぇぇええええええ!!!

 

あれから、どれほど経ったのやら………本当に間違いなく無駄な時間が経った。

 

情報の開示、行軍の配置、経路。それらは決まったんだが………総大将の件でこのアンポンタンのアホが炸裂しましたw

 

誰も引き受けたくない総大将、只一人やりたそうな馬鹿が立候補しない。他の面子は推薦して責任持ちたくないんで何も言わない。誰も何も言わないから馬鹿が更に喋る事、喋る事………何、この悪循環?

 

……………………………………………………………………帰りてぇ~~~。

 

「それでですね―――」

 

あ、何か袁紹が諸侯を物色し始めたので全員目を逸らす。…………あ、目が合っちゃったw

 

「桐生さん」

「……………なんすか?」

「この連合に足りないもの、貴方に分かりますか?」

「ふっ、愚聞だな。分かりやすすぎて問題にすらなりゃしねえ」

「ええ、ええ!で、答えは?――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――――――協調性」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おおう、全員、更に目を逸らしやがった!?

 

「…………………それは置いておきましょう」

 

置いていいの!?ってか置くな!

 

「けっ!じゃあ、答えは総大将っすか?」

「その通りですわ!」

 

我が意を得たりと云った感じで袁紹は皆を見回す。

 

「ですが、まず第一に、これほど名誉ある目的を持った軍を率いるには、それ相応の家格というものが必要ですわ。そして次に能力。気高く、誇り高く、そして優雅に敵を殲滅できる、素晴らしい能力を持った人材こそが相応しいでしょう。そして最期に、天に愛されているかのような美しさと、誰しもが嘆息を漏らす可憐さを兼ね揃えた人物。……そんな人物こそ、この連合軍を率いるに足る総大将だと思うのですが、如何かしら?」

 

また、この繰り返しだろうか?正直、ウンザリだ。

 

他の皆もグッタリとしている。当たり前だが。

 

「おっと、100本の針に糸を通す仕事が残っていた事を思い出したぜ。あ~、残念だ。じゃ、そう云う事で―――」

 

ガシイッ!

 

夏候姉妹が即座に俺の服を掴んだ。

 

『逃がさん』

 

ステレオで言われた!?

 

「でもよ、アレを聞き続けるのはある種の拷問だぜ」

「それは分かるがお前だけ逃がしたりはしない」

 

私怨!?

 

「それとも、お前にはこの状況を打破する策でもあるのか?」

 

フム……………ポク、ポク、ポク、ポク………チィ~ン!!!

 

「閃いた!!!」

 

その瞬間、全ての眼が俺に集中した。

 

「な、なんですの?」

「袁紹、少し俺に喋らせてくれないか」

「はぁ?まあ、構いませんが………」

 

俺はコホンと咳をして辺りを見回し口を開く。

 

「え~、皆さん。正直、今の状況にはかなりウンザリしているはずです。だがしかし!今、この俺に名案が浮かびました!それを行う事で誰もが納得できる結果になるでしょう!―――――だが!」

「だが?」

「それには皆さんのご協力が必要です!どうかご協力をお願いできませんか?」

 

ザワザワザワザワ!!!

 

「……………何か嫌な予感がしてきたんだけど?」

「気のせいだよ、華琳」

「……………あの?」

「ん?ん~、劉備さんだっけ?何?」

「協力って何をすればいいんでしょうか?」

「なになに、簡単な事だよ。それはね―――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――――今から起こる事に一切目を瞑ってくれればいいだけだよ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

「嫌な予感が更にしてきたんだけど!?」

「……………気のせいですよ。はっはっはっ♪」

「なら、なんで目を逸らすの!?」

「(無視)では、まず手始めに………スタンダァップ、袁紹!」

「………………………は?」

「立てつったんだよ。まずは―――――」

 

しぶしぶ立つ袁紹。その前に立つ俺。準備体操する俺。―――――では、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――ギャラクティカァ~~~~、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――ファントム!!!

 

 

 

 

 

 

「―――おふうっ!?」

 

俺の左拳は深々と袁紹の鳩尾に突き刺さり袁紹は気絶する。

 

「なっ、なっ、なっ……………!?」

 

さすがの華琳さんもビックリみたいだw

 

袁紹の部下もあまりの事に動けずにいる。

 

―――――――さてと、

 

「華琳」

「………………何?」

「袁紹に大丈夫かどうか尋ねてくれるか?」

「いえ、どう見ても大丈夫の様には見えないのだけれど………」

「いいから」

「………ふぅ、麗羽、大丈夫かしら」

 

では―――――、ミッションスタート♪

 

俺は袁紹を座らせて後ろから竜弦を使って鋼糸を展開する。

 

張り巡らされた鋼糸は袁紹の四肢に纏わりつき袁紹を操り人形の様に立たせる。

 

で、あー、あ~、あぁ~♪うん♪

 

「お~っほっほっほ!お~っほっほっほ!」

「………………………え?」

「ご心配なく、華琳さん!わたくしは至って平気ですわ!」

「久遠………貴方……」

「はぁ?なんで桐生さんがそこに関係あるんですの?わたくしと桐生さんは関係ないでしょう?全く、これだからクルクル小娘は」

「ぐっ!」

 

フッ、当然皆さんお気付きの様だが、袁紹は起きてはいない。俺の鋼糸術と108の処世術 NO.12「声帯模写」を使っての疑似袁紹だw

 

皆さん眼を瞑るどころか絶句して何も言えない。フハハハハハw

 

では、始めるとしますか。

 

「皆さん!この連合軍で総大将には気高く、美しく、優秀なこのわたくしがなるのが一番だと思うのですがどうでしょう?家柄と地位を考えた場合、もうおのずと答えはでているとお思いですが?」

「………あ~、麗羽でいいわよ」

「………こ、こちらも異存はない」

「………わ、妾も異存はないのじゃ」

 

全員の賛同が得られたみたいで何よりだ。

 

「ええ、ええ!では、不本意ですが、皆さんがそこまで言うのであれば、不肖この袁本初めがお引き受けさせていただきますわ!お~っほっほっほ!」

「……………華琳さま」

「なにも言わないで。………頭が痛くなるから」

 

とりあえず一仕事を終え、袁紹を椅子に座らせ―――

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――ギャラクティカァ~~~~、

 

 

 

 

 

 

――――――――――――マグナム!!!

 

 

 

 

「―――ほふぅっ!?」

 

俺の右拳で奇跡的に蘇生(?)した袁紹が目を覚ます。

 

いや~、本当に奇跡だ。ぶっちゃけファントムもマグナムも只の左ストレートと右ストレートなのにw

 

本物だったらDOCOOOOOOOOM!!!等の効果音なるしなwしかも袁紹間違いなく死ぬw

 

つまり……………俺が放ったのは只のソーラープレキサスブローでした~w

 

「ゴホッ!ゴホッ!な、なんですの!?何が起きたんですの!?何故かわたくしのお腹が痛いんですが―――」

「気にしないで下さい。超気のせいですからw………兎に角!袁紹さんの立候補により総大将は袁紹さんに決まりました~!はい、拍手~!」

 

パチパチとまばらな拍手が起こる。

 

「わたくしの立候補!?記憶にないのですが………」

「覚えてないっすか?『この連合の総大将、相応しいのは、気高く、美しく、優秀な―――(長々と演説が続きます:およそ5分:内容、嘘八百w)―――そう、この袁本初が引き受けますわ!』と………え、まさか覚えてないんで?」

「い、いえいえ!ええ、そう!確かにわたくしはそう宣言しましたですわ!おーっほっほっほ!」

 

はっはっはっ…………コイツ、馬鹿だ~w

 

「って事で総大将は袁紹に決まりっと………長かった、ああ、長かった~」

 

こんな馬鹿馬鹿しい事にどれだけ時間費やしたのやら……………あ、そうだ。

 

「袁紹、一応総大将はお前に決まったがこの進軍でなんか作戦あるの?」

 

 

 

俺はこの時ほど自分の言った事を後悔した事はない………とも言えんが、稀だ。

 

「もちろんですわ!この袁本初に相応しい作戦が!」

 

へ~へ~、どうせ愚策っしょ。

 

 

 

 

 

 

 

「雄々しく、勇ましく、華麗に前進ですわ!」

 

 

 

 

 

その瞬間、飛びかかろうとした俺に惇ちゃんと淵ちゃんがタックルして制止する。

 

「離せ~!今なら『HAHAHA!つい殺っちゃった♪』で許される気がする~!」

「気持ちは分かるが落ちつけ!」

 

史上最悪の愚策、ここに極まれり!………ってか俺や春蘭も似たようなもんだがw………いやいや俺には勝算があるから違うか。

 

とりあえず、攻撃する気は失せたんで離してもらい袁紹に向き直る。

 

「馬鹿か!?要塞相手に突撃ってか!?」

「なんですの!?この素晴らしい作戦のどこに文句があると言いますの!?」

「文句しかないわ、ボケェ!ってか、ならお前が先陣やれや!」

「……………コホン、わたくしには総大将として中軍やや後方に陣を構え、皆さんの活躍を見届けると云う義務がありますので無理ですわ」

「コイツ、最低だぁ~~~~~~!!!」

 

駄目だ、コイツ!救いようがねえ!確かに春蘭に似てる!可愛げは思いっきり無いが。

 

「じゃ、じゃあ誰が先陣に立つんだよ?」

「そうですね」

 

そう言って袁紹は辺りを見回し―――――

 

「先陣は劉備さんにお任せしますわ」

「ええ~!?」

 

いきなり指名された劉備はビックリだ。大丈夫、俺達もビックリだ。

 

「なんで、私達が先陣なんですか!?」

「………先陣は武人にとって栄誉ある持ち場。弱小である劉備さん達にとって名を上げる絶好の活躍の場ですわ。これはわたくしからの贈り物ととってもらっても構いませんわ」

 

―――捨て駒だな。

 

その言葉はこの場にいる、ほとんどの者が考え付いたであろう。

 

…………だが、断る事は出来ないだろうな。断ったらどんな報復が来るのやら………。

 

当然、他の皆も下手に口出しはしない。自分に飛び火するのはいやだしな。

 

公孫賛辺りは手を握りしめ、体を震わせている。友達なんだろうか?そう云えば同門だったな。何も出来ない自分がふがいないってか。

 

「えっと………その……」

 

劉備はどう返事していいのか分からずオロオロしている。

 

俺はチラリと華琳を見る。

 

目を合わせ、それで俺が何をするのか理解したのか華琳はため息をつきながらも、微笑を浮かべ頷く。

 

まったく―――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――やれやれだ♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、劉備」

「はいっ!?」

 

突然別の方から呼ばれてビックリしたのか体を震わせ劉備は俺の方を向く。

 

「ちょっと来い」

 

俺は劉備と諸葛亮を手招きして軍議の場からやや離れる。

 

「ちょっと!どこへ行きますの?」

「ちっと黙ってろ。すぐ済む」

 

俺は憤る袁紹を無視して劉備に話しかける。

 

「で?」

「あの………でっ、て何でしょうか?」

「仮に引き受けて、どうにか出来るほどの戦力はあるのか?」

「えっと………兵士さんの数どころか、糧食すら……」

「そこまで貧乏なの!?」

 

駄目だコリャ。

 

「なら、諸葛亮。どれだけ兵数と糧食があればいける?」

「は、はひっ!?そ、そうですね、兵数と糧食があと、5000と2カ月分あれば………」

「了解した」

『………………………………え?』

 

俺は訳の分からない二人を置いて再び軍議の場に戻る。

 

「おい、袁紹」

 

全員の眼が俺の方を向く。

 

「? なんですの?」

「ハッキリ言わせてもらうが、劉備には実力的に無理だと思うが?」

「それで?なら代わりに華琳さんが軍を率いて先陣に立つとでも?」

「アハハハハ。まっさか~、華琳さんがそんなアホな事引き受ける訳ないじゃないっすか~♪」

「なら黙っていてもらえません」

「いやいや、それで提案があるんだが」

「提案?」

「提案は3つ、まず1つ、兵を7500、2つ、糧食を4か月分、劉備に回せ。そしたら、行くってさ」

「はぁ!?」

 

うむ、驚くのも無理はない。ふっかけすぎだしねw

 

劉備、諸葛亮の二名すら驚いてるw

 

「い、いくらなんでもふっかけすぎですわ!劉備さん、人の足もとを見て、それは余りにも卑怯ではありません!?」

「ええっ!?」

 

いや、お前が言うな!

 

「いや、本来の劉備達の要求はもっと少ない。だが、余分な分は俺がムカついたんでの慰謝料だ」

「慰謝料!?」

「やかましい!で、与えるのか、与えないのか?」

「し、しかし、それはいくらなんでも………」

「じゃあ、勝負するか?」

「勝負?」

「俺が勝てば兵を10000、糧食を半年分。お前が勝てば兵数5000と糧食が2カ月分回す。どうだ?」

「む、むぅ~………いいでしょう!その勝負乗りましたわ!」

 

 

 

「……………上手いわね」

「は?何がですか、華琳さま」

「いつの間にか、要求を受け入れるのが当たり前になっているわ」

「? はぁ………」

「フゥ……つまりだ、姉者。勝とうが負けようがどちらにしても袁紹は兵と糧食を劉備に回さなければいけなくなっているんだ」

「……………………おおっ!」

『ハァ~……』

 

「で、何で勝負しますの?」

「この軍議、無駄に時間を費やしてるからな。手っ取り早く決めよう」

「久遠もその一端を担っているけどね」

「(無視)勝負の方法は――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――紙をどれだけ遠くに飛ばせるか勝負!」

「……………………………………………………………は?」

「勝敗は至って簡単、紙をより遠くに飛ばせば勝ち。以上!」

「それだけ………ですの?」

「単純でいいだろ?」

「結構!その勝負受けましたわ!」

 

 

 

――――――バトル開始!………物凄く下らんがw

BATTLE START!

 

久遠VS袁紹!

 

紙をより遠くに飛ばせデス(?)マッチ!

 

先攻:袁紹。

 

「兎に角、紙を遠くに飛ばせばいいんですのね?」

「そうだ。ペラペラのままだろうが、クシャクシャに丸めようが、なんでもいい。地面につくまでに遠くに飛ばせばいいんだ」

「結構………では、えい!」

 

袁紹は丸めずに紙をそのまま投げた。

 

そして紙ならぬ神は―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――袁紹を祝福した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いきなり吹いた突風は追い風となり袁紹の投げた紙は風の抵抗を受け20メートルほど飛んだ。

 

「お~っほっほっほ!お~っほっほっほ!やはり天はこの袁本初を選んだようですわ!」

「こんな下らん勝負にいつのまにやら盛り上がってるな、お前」

「それは負け惜しみですの?お~っほっほっほ!負け犬の遠吠えほど無様なものはありませんわ!お~っほっほっほ!」

 

俺は阿呆の高笑いを無視して紙を折り曲げたりしている。

 

「? 何をしてますの?貴方の番ですわよ。まあ、最もわたくしの勝利は揺るがないと思いますが」

 

更に続ける高笑いを無視して、俺は無風の中、『紙飛行機』を投げた。

 

 

 

 

 

 

スゥ~と、紙飛行機は飛び続け、袁紹の投げた紙の着地地点をアッサリ飛び越し、倍以上飛び落下した。

 

『…………………………………………………………………』

「ほい、勝ち~♪お疲れ様でした~」

 

俺は二枚の紙を拾い帰って来る。

 

「な、なななななななな!!!」

「じゃ、約束を守れよ。って事で軍議も終わり。はい、解散~」

 

俺は手を叩き解散を促すも袁紹は納得できない顔で立ち上がる。

 

「イ、インチキですわ!」

「………はぁ~?何が?」

「そんな変な形をした紙が飛ぶわけありませんわ!なにか変な仕掛けが―――」

「ねえよ。ただの航空力学だ」

「こうくうりきがく?」

「簡単に云えば航空力学は連続体力学の流体力学の更なる一部であり、空気力学のうち、航空機を対象とした学問のことだ。………と言っても分からんだろうがな。まあ、インチキではなく、一種の技術だ」

「ぐっ……ぐっ!つまり、それを知る貴方の勝利は最初から―――」

「決まっていたんだな、これが♪おっと、卑怯と言うなよ?そもそも、なんの勝算も無しに勝負をふっかける馬鹿はいねえよ。あえて、言うなら簡単に勝負を受けた自分の愚かさを恨め。HAHAHA!!!」

「むっき~!!!」

「じゃあ、約束通りヨロピク♪それとお前の言う通り負け犬の遠吠えほど無様なものはないな!お~っほっほっほ!………なんてな」

「くっ!」

 

 

 

 

 

――――――――――久遠 WIN!ってか袁紹如きに負けてたら首吊るわw

……………それで!?」

「? 何が?」

 

勝負の後、とりあえず、なんとか納得(?)したみたいだ。

 

「貴方は提案は3つと言いましたわ。最後の提案はなんですの!?」

 

うわお、覚えていたのか。袁紹の分際でw

 

「最後の提案か………これは袁紹ではなく……劉備!」

「はえっ!?」

「お前は俺のおかげでたっぷりと戦力を補充出来た、俺に感謝してるよな?」

「? ええ、それはまあ………」

「なら汜水関攻略でお前の軍に俺を加えろ」

「………………………………………………はい?」

 

――――30秒経過

 

『………………………………………………………』

 

――――2分経過

 

『………………………………………………………』

 

――――5分経過

 

『………………………………………………………』

 

――――10分経過

 

「ぇぇぇぇぇぇえええええええええ!?」

 

長っ!?

 

「おい、桐生!お前、何を考えている!?」

「何を………とは?」

「何故、お前が劉備軍に加わる話になっているんだ!?」

「加わるってたって一時的だっつうの。どうせ華琳の軍は汜水関でやる事特にないだろ。なら、いいじゃねえか」

「そう云う問題ではないわ!良識の問題だ!」

「と、惇ちゃんが良識を語るなんて…!?まあ、第一俺に良識なんてないよ」

「言い切った!?」

「この桐生久遠!常識、普通、当たり前の言葉を嫌悪する!当たり前で欲する物が手に入るか!」

「馬鹿だ!こいつ色んな意味で馬鹿だ!」

 

お前にだけは言われたくねえ~。ってか主の華琳の考えだって普通じゃねえだろ。普通で手に入るのは普通のモノだけだ。

 

「華琳さまもこの馬鹿に何か言ってやって下さい!」

 

春蘭に言われた華琳、既に眼が諦めの境地だw

 

「劉備の方さえいいならいいんじゃない?」

「華琳さま!?」

「で、劉備の方はどうなの?いいのならボロ雑巾になるまでこき使っても良いわよ。最悪、多少引きちぎれても構わないわ」

「構うわ!酷過ぎる!それが人に対する言葉か!?ってか引きちぎれるってどこを!?」

「全部よ」

「全部!?」

 

めっさホラー!?バイオハザードっすか!?タイラントでも死ぬよ!

 

「鬼、悪魔、魔王、自己中、極悪非道!」

「で、どうなの?」

 

無視!?

 

「ええと………うん!いいですよ」

 

ぶ~ぶ~、華琳のバカ~………ええ!?いいの!?言ってみるもんだw

 

「しょ、正気か?初対面の人間をいきなり加えるってどうよ?あんた、正気かい?」

「いや、自分で言うなよ」

「構いません、貴方の事を信じます」

 

信じる?………ハッハッハッ、信じるか~。アハハハハ――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふざっけんなぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!」

「ええ!?」

 

何故、怒られるのか分からないと云った感じで劉備はおののく。

 

「はあ!?信じる?初対面の人間を?馬鹿か?アンタ、ホンマもんの馬鹿なのか?いきなり信じるですと?この―――――バカちんがぁぁぁぁあああ!!!」

「え?え?なんでですか?」

「なんでだと?人を信じると云う事は正しい事ではない。人を信じると云う事は本当に相手が信頼に値するかどうかを知る事を放棄している!本当に他人を信頼したければ人を疑い、それから人を知れ!」

『んなっ!?』

 

ふっ、俺のあまりの迫力と論理に華琳達ですらビックリしているぜ。

 

「久遠が真面目な事を言っているなんて………」

「そっちかい!ほっとけや!……で、分かったか、劉備」

 

華琳達を無視して劉備に向き直る。

 

劉備は俺の言葉に何かを感じたのか、答えを出したようにウンと頷く。

 

「分かりました!桐生さんの言葉を信じます!」

「うんうん………ってアホか~~~!!!信じるなって言ったばっかだろうが~!」

「………ああっ!そうでした……でも、ならなんて言えば………」

「そんな時はこう言えばいいんだよ。『テメエの言葉なんざ聞いてられっか。ペッ!』……と!さあ、言ってみそ!」

「ええっ!?」

 

流石に言えないのかブンブンと首を横に振るもそんな事で許すミーではありませんw

 

「言えぃ!でなければ、理解したことにはならんぞ!」

「えっと……えっと…あ、貴方の言う事なんて聞いてられません。ペ、ぺ、………うぅ、ペッ!」

「ムカツクわぁぁぁぁぁあああああ!!!」

 

俺はすかさず服からハリセン(紙が希少なんで作るのに苦労したw)で劉備をぶっ叩いた。

 

スパ~ンっと良い音が鳴りましたw

 

劉備は痛さに蹲り、他の皆さんは絶句していた。

 

「うぅ~、今、なんで殴られたの~?痛いよ、朱里ちゃ~ん」

「すまん、ちょっとむかついたんで」

「すっごい理不尽な目に遭ったよ……」

「大丈夫!俺なんか意味なく毎度毎度バッサリ剣で斬られたり、弓で射抜かれたりしてるから!」

「なんで生きてるんですか!?」

 

ひ・み・ちゅ~♪はワンパターンなんで少しだけ教えてやろう。……………呪いだ―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――母親からのな!(号泣w)

 

まあ、そんな事は置いといて♪

 

「じゃあ、軍議も終わりみたいなんで行って参ります、華琳。あ、惇ちゃん、誰かに頼んで6番の袋持ってきてもらえる?武器が入っているから」

「ああ、分かった分かった」

 

その後、とっとと軍議は解散し俺は劉備と諸葛亮と共に劉備の陣に向かう。

 

―――――実は俺はある思惑を持って劉備達と行動を共にしているのである。

 

その理由に誰も気付いてはないだろう。華琳も劉備、諸葛亮ですら!

 

くっくっくっ!愉快愉快。

 

ちなみにその理由とは――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――関羽の髭を拝む事www

 

 

 

 

 

 

 

 

この思いはすぐ後に修復不可能と言う程、こっぱ微塵に砕け散ったがwww

 

 

 

 

 

続くw

あとがき

 

どうも、紅い月です。

そんなこんなで『愉快な殺し屋さん 第十章』お送りしました。

 

駄目だ……ネタがなくて書けなかった。(汗)

 

次回は、劉備軍と共に汜水関の攻防……と関羽の御髭拝見w。………ネタ浮かぶかな(滝汗)

では、前回、読んでくれた方、支援してくれた方、コメントしてくれた方に感謝を。

そして、今回読んでくれた方にも感謝を。

 

誤字、変なところがあればお知らせください。

 

ではでは本当にありがとうございました!!

それでは、また次回にお会いしましょう!!

 

ではではー。


 
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