No.902600

英雄伝説~光と闇の軌跡~エレボニアカオスルート 

soranoさん

第27話

2017-04-24 20:28:47 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:9242   閲覧ユーザー数:8740

~モルテニア・ブリーフィングルーム~

 

「最後の望みは…………」

リウイの問いかけに対してすぐに答えが出なかったリィンは少しの間考え込んでいると、ふと”パンダグリュエル制圧作戦”で捕縛したアルフィン皇女の事を思い出し、答えを口にした。

「最後の望みは………――――この戦争で責任を負わなければならない立場であるアルフィン皇女殿下に対するメンフィル帝国が求める処罰を可能な限り厳しい内容にしないようにして頂く事です。」

「?”パンダグリュエル制圧作戦”でアルフィン皇女を捕縛した時にレンがアルフィン皇女の処遇について口にしたのだけど、どうしてそんな望みにしたのかしら?」

リィンが口にした意外な答えに首を傾げたレンはリィンに問いかけた。

「あの時殿下が口にした件は捕縛したアルフィン皇女の戦争が終わるまでの間の処遇だと思っていたのですが………もしかして、俺の思い違いなのでしょうか?」

「あら、レンとした事が余計な事を口にしちゃったわね♪そう言う訳だから、これ以上は教えてあげられないわ♪」

質問に対して質問で返したリィンの問いかけに目を丸くしたレンは小悪魔な笑みを浮かべて答えを誤魔化し、レンの答えを聞いたその場にいる全員は冷や汗をかいて脱力した。

「意地悪しないで答えてあげてくださいよ、レンさん……」

「全くもうこの娘ったら………―――レンの言う通り、元々メンフィル帝国はアルフィン皇女に処刑等厳しい処罰を求めるつもりはありません。アルフィン皇女は”被害者”でもあるのですから、そんな彼女に厳しい処罰をしてしまえば、ゼムリア大陸のメンフィル帝国に対するイメージが残虐な国家と見られて、その事によってメンフィル帝国が掲げている理想―――『全ての種族との共存』の弊害にもなりますから。」

ツーヤと共に呆れた表情で溜息を吐いたプリネは気を取り直してリィンの疑問に答えた。

「そうだったのですか………ちなみにメンフィル帝国は現在アルフィン皇女にどのような処罰を求める事になっているのでしょうか?」

「え、え~と、それは………」

「……それを答える前に一つ確認したい事がある。リィン、お前がアルフィン皇女の処罰の軽減を求めている理由は和解の件同様両親の為か?」

リィンの質問を聞いたペテレーネがエリゼとセレーネに視線を向けた後困った表情で答えを誤魔化している中リウイがリィンに問いかけた。

 

「はい。副長から戦争の件を教えて頂くまで父さん達はユミルが襲撃された件で、アルフィン皇女殿下がメンフィル帝国に厳しい内容の責任を負わなければならない事を要求されないか心配していましたので。」

「シュバルツァー男爵夫妻は本当に親孝行な子供達に恵まれていますね……」

「……ああ。話を戻すがメンフィルが求めるアルフィン皇女に対する処罰は”政略結婚”だ。」

リィンの答えを聞いたイリーナは優し気な微笑みを浮かべてリウイに視線を向け、視線を向けられたリウイは静かな笑みを浮かべて頷いた後気を取り直してリィンに答えた。

「”政略結婚”……………――――!もしかして今回の戦争で得る事になるエレボニアの領土の統治をしやすくする為でしょうか?」

「あら………フフ、中々鋭いですわね。」

「既に未来のクロイツェン統括領主としての器の片鱗は備わっているようだな。」

リィンの推測を聞いたシグルーンとゼルギウスはそれぞれ感心した様子でリィンを見つめた。

「お前の推測通りだ、リィン。エレボニアの皇族―――それも帝位継承者であったアルフィン皇女をメンフィル帝国の有力者が娶る事でエレボニアの平民、貴族共にメンフィルに対する不満をある程度抑える事ができるだろうからな。」

「そして肝心のアルフィン皇女が嫁ぐ相手ですが…………リィンさん、貴方自身です。」

「……………………へ。」

リウイに続くように苦笑しながら答えたイリーナの答えを聞いたリィンは一瞬の間石化したかのように固まった後呆けた声を出し

「ええええええええええええええっ!?」

やがて我に返ると驚きの表情で声を上げた。

(アハハハハハハッ!私達の期待を裏切らない展開になるとは、さすがはご主人様ね♪)

(ふふふ、やはり私達の期待通りの展開になっていましたね。)

(この調子ですと、リィン様が引き取ろうとしているアルティナさんという方も私達やエリゼ様達と”同じ”になってしまうかもしれませんわね………)

(最終的には一体何人になるのでしょうね………)

一方リィン達の様子を見守っていたベルフェゴールは腹を抱えて笑い、リザイラは静かな笑みを浮かべ、メサイアとアイドスは苦笑していた。

 

「リ、リィンさんがアルフィン皇女殿下の将来の伴侶に………」

「ハハハハハッ!本物の皇女をハーレムの一員にするなんてやるじゃねぇか、リィン!」

ステラは信じられない表情でリィンを見つめ、フォルデは腹を抱えて笑った後からかいの表情でリィンを見つめ

「ア、アハハ………わたくしもエリゼお姉様から教えて貰った時は本当に驚きましたわ………」

「ハア………後何人増やすつもりなのですか、兄様……」

セレーネは苦笑しながらリィンを見つめ、エリゼは溜息を吐いた後ジト目でリィンを見つめた。

「な、ななななな、何故アルフィン殿下の相手に俺が選ばれたのですか……!?」

「アハハ………年齢が釣り合っている事やリィンさんの将来の件等色々と理由がありますけど、一番の理由は今回の戦争勃発の原因になってしまったユミル……いえ、”シュバルツァー家”に対するメンフィル帝国の”お詫び”です。」

混乱している様子のリィンの質問にプリネは苦笑しながら答えた。

「へ……俺達”シュバルツァー家”に対する”お詫び”……ですか?」

「……エレボニアの内戦が勃発した際、エレボニアの内戦にメンフィル帝国領……いや、辺境であるユミルは巻き込まれないと高をくくり、ユミルが襲撃されるまでユミル防衛の為の臨時の派遣兵の一人も送らなかったからな。その”詫び”になる。」

「アルフィン皇女を匿えばユミルが貴族連合軍の手の者に襲撃される危険性がある事がわかっていてもなお、”シュバルツァー家”はアルフィン皇女を匿いました。その件を考えるとシュバルツァー家は今回の戦争勃発の原因になってしまったアルフィン皇女がどのような処罰をメンフィル帝国に要求されるか心配していたと思われていましたから、私達の怠慢によってユミルが襲撃された”お詫び”としてアルフィン皇女をシュバルツァー家の跡継ぎであるリィンさんに嫁がせる事にしたのです。」

「リィンお兄さんとエリゼお姉さんの両親は当然として、リィンお兄さんやエリゼお姉さんも両親の意志を組んで強制的に嫁がされてきたアルフィン皇女を大切にするでしょう?どうせアルフィン皇女の処罰の件でもお人好しなリベール王国あたりが口出しして来る可能性が高いでしょうから、アルフィン皇女を大切に扱う可能性が高いシュバルツァー家にアルフィン皇女を嫁がせた方がリベールを含めたアルフィン皇女の件で文句を言ってくる勢力も納得せざるを得ないでしょう?その理由もあって、アルフィン皇女の嫁ぎ先はシュバルツァー家の跡継ぎであるリィンお兄さんが適任なのよ♪」

不思議そうな表情で首を傾げているリィンにリウイとイリーナがそれぞれ説明し、二人の説明に続くようにレンが小悪魔な笑みを浮かべて二人の説明を補足した。

 

「それは…………」

リウイ達の説明を聞いたリィンは複雑そうな表情で黙り込んでいたが

「リウイ達が先程説明したようにアルフィン皇女の処罰の件は常識的に考えて相当軽くしている。これ以上の軽減は無理がある事はお主もわかっているじゃろう?」

「……はい。」

リフィアに問いかけると静かな表情で頷いた。

「それでリィンさん。最後の望みであるアルフィン皇女の処罰の軽減の件についてはどうしますか?既にアルフィン皇女の処罰は限界まで軽減されていますから、わざわざ最後の望みをアルフィン皇女の為に使う必要はないと思うのですが……」

「……………でしたら、名目上はアルフィン皇女殿下が俺に嫁いだ事にし、その後エレボニア帝国が望むのならばエレボニア帝国が開く社交界の場にアルフィン皇女殿下個人の参加を許す事とアルフィン皇女殿下自身が心を寄せる男性が現れ、その男性と両想いになった場合、俺との関係を破断にしてその者に嫁いでもメンフィル帝国は黙認するという事にして頂けないでしょうか?」

プリネの確認の言葉に対して少しの間考え来んで答えを出したリィンはリウイ達を見つめて答えた。

「えっと……それってどういう事なのですか?」

「うふふ、要するにリィンお兄さんはアルフィン皇女に一切手を出さない仮面夫婦の関係になって、アルフィン皇女が浮気した際は後腐れなく離婚する事をメンフィル帝国に黙認して欲しいって事よ♪」

困惑の表情をしているツーヤの疑問にレンはからかいの表情で答え、レンの露骨な言い方にその場にいる全員は大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

「レン、貴女ね……」

「普通、そういう事は遠回しな言い方をするべきよ………」

プリネとペテレーネはそれぞれ呆れた表情で溜息を吐いてレンを見つめた。

 

「あ、あの~……恐れながら意見をさせて頂きますがさすがに”仮面夫婦”は言い過ぎかと思われます。俺はアルフィン皇女殿下をシュバルツァー家の”客人”として扱うつもりですし……」

そしてリィンは冷や汗をかいて表情を引き攣らせながらレンに指摘し

(うふふ、ご主人様はあんなことを言っているけど、果たしてどうかしらね♪)

(ふふふ、十中八九皇女がご主人様に想いを寄せるようになって、その結果真の意味でご主人様の妻の一人になるのでは?)

(ア、アハハ……よりにもよって相手はリィン様ですからね……)

(しかもリィンがアルフィン皇女に手を出すつもりはないとはいえ、夫婦になるのだから常に顔を合わせてお互いの事をよく知る事になるのだから、リィンの良さに気づいたアルフィン皇女が自ら真の意味でリィンの妻の一人になる事を希望する事になる可能性が高いと思うのだけど……)

リィン達の様子を見守っているベルフェゴールとリザイラが面白おかしそうに談義している中リィン達の将来を予想できていたメサイアとアイドスは苦笑していた。

「……リィンさん。アルフィン皇女にせめて”一人の女性として”幸せになってもらいたいと思い、そのような内容にしたのですか?」

「はい。」

静かな表情で問いかけたイリーナの問いかけに対してリィンは頷き

「フッ、酔狂な男だ。”帝国の至宝”とまで称えられているアルフィン皇女を娶れる等普通に考えれば幸運な事だろうに、アルフィン皇女に一切手を出さない所か他の男の元に行く事を容認するとはな。」

「というかそこまでアルフィン皇女の事を気遣うくらいならば、いっそ無理矢理嫁がされてきたアルフィン皇女を自分で幸福にしてやるくらいの気概を持つべきではないかしら?」

レーヴェは口元に笑みを浮かべてリィンを見つめ、ファーミシルスは呆れた表情でリィンを見つめて指摘した。

 

「ハハ………大将軍閣下の仰る通りなのですが、俺は既に普通に考えれば絶対にありえない数の魅力的な女性達と将来を共にする事になるのですから、これ以上更に増やす事なんて恐れ多い事ですので。」

「……まあ、エリゼを含めてお主と将来を共にする事になる女性達にはそれぞれ魅力的な部分がたくさんあるからの。今更容姿や血筋程度ではお主の食指が動かなくてもおかしくないな。」

ファーミシルスの指摘に対して苦笑しながら答えたリィンの答えを聞いたリフィアは苦笑した。

「クスクス、リフィアお姉様は要するにこう思ったのでしょう?エリゼお姉さんを除けばリィンお兄さんの婚約者さん達はみんなスタイル抜群だから、容姿や血筋が良いだけのアルフィン皇女にリィンお兄さんは何の魅力も感じないって♪」

レンは小悪魔な笑みを浮かべてリフィアに指摘し、レンの指摘を聞いたエリゼを除いたその場にいる全員は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

「………今のレン皇女殿下の話は本当なのかしら、リフィア?」

(た、確かに言われてみれば成長がまだ未熟のエリゼさんを除けば全員スタイルはいいですね……)

「ぬおっ!?余はそこまで言っておらんし、そんな下らん邪推は考えた事もないぞ!?」

冷や汗をかいたツーヤが苦笑しながらエリゼを見つめている中膨大な威圧を纏ったエリゼに微笑まれたリフィアは驚いた後慌てた様子で反論した。

「アハハ………リィンさん。リィンさんはアルフィン皇女を気遣ってそのような望みを口にしましたけど、もしアルフィン皇女自身がリィンさんに好意を抱いてエリゼさん達と同じようにリィンさんの妻の一人になる事を望んだ場合はアルフィン皇女もリィンさんの妻の一人として受け入れるのですか?」

「ええっ!?お、恐れながらその可能性はありえないと思うのですが………”パンダグリュエル制圧作戦”でアルフィン皇女殿下の目の前でルーファス・アルバレアを殺害し、殿下をこの艦に連行した件も含めて俺に対する印象は最悪でしょうし……」

リフィア達の様子を苦笑しながら見守っていたプリネは気を取り直してリィンにある事を確認し、プリネの確認に驚いたリィンは戸惑いの表情で答えた。

 

「…………………」

一方リィンの推測を聞いたリウイ達は黙り込んでリィンを見つめ

(やれやれ……あれ程多くの女性達と結ばれる事になってもなお、まだ女性の気持ちがわからないのか……)

(あの様子ではステラの気持ちにも全く気づいていないのでしょうね……)

ゼルギウスとシグルーンはそれぞれ呆れた表情で溜息を吐いた。

(そう言う所も全然変わっていませんね、兄様……)

(自分のせいで故郷が襲撃され、両親が傷ついたのに罵声を浴びせるどころかむしろ自分を気遣ってくれたリィンさんに嫌悪を抱くなんて、普通に考えてありえないと思うのですが………)

(むしろ好意を抱いていてもおかしくないですわよね?)

(クク、鈍感な所もマシになるどころかむしろ酷くなっているんじゃねぇのか?)

エリゼはジト目でリィンを見つめ、疲れた表情で呟いたステラの小声にセレーネが苦笑しながら答え、フォルデは笑いを噛み殺してリィンを見つめていた。

「え、えっと……?」

黙り込んでいるリウイ達の様子にリィンは戸惑ったが

「………いいだろう。お前に嫁ぐ事になるアルフィン皇女の”その後”―――エリゼ達同様本物の夫婦関係になろうが、離婚しようが我等メンフィル帝国は一切介入をしない。それでいいか?」

「!はいっ!メンフィル帝国の寛大なお心遣いに心から感謝致します!」

リウイの確認の言葉を聞くと姿勢を正してリウイ達に会釈をした後エリゼ達の所へと戻って行った。

 

「これにて表彰式を終了とする。各自次の作戦に備えて英気を養っておくように。――――解散!」

「はいっ!――――失礼します!」

そしてリウイの宣言に対してリィン達は力強く返事をした後部屋から退出した。

 

こうして……リィンの望みの一つであるメンフィル・エレボニア戦争の和解の為にメンフィル帝国は本格的に動き始めた――――

 

 

 

今回の話でもリィンはまたしてもフラグを建てましたw……言っておきますけど、カオスルートでもリィンのハーレムはまだ増える予定でしかもそのうちの一人は閃陣営の誰かです(ぇ)その人物が誰なのかはまあ、光と闇の軌跡本編や改変された少年を読んでいたら大体予想できるかとww


 
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