No.900312

マイ「艦これ」「みほちん」:第32話(改1.4)<神戸と呉と>

しろっこさん

戦闘継続中に、神戸と呉の参謀が到着した。そして海軍省からの二式大艇も近づいていた。

2017-04-07 12:32:03 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:545   閲覧ユーザー数:544

 

「ようこそ美保へ、私が司令です」

 

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マイ「艦これ」「みほちん」

:32話(改1.4)<神戸と呉と>

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 朝から美保湾で戦端が開かれ、もはや視察団の出迎えどころではなかった。

 

「司令、呉鎮守府と神戸鎮守府の両参謀が到着しました」

秘書艦の報告で我に返った。

 

「あ、そうだった」

目の前で起きている戦闘を最優先させてしまうのは指揮官の習性だな。

 

彼女は続ける。

「ご本人たちは直接、作戦司令室入りを希望されています。荷物を整理して頂いてから、そのままこちらへお通して宜しいでしょうか?」

 

「ああ、そうしてくれ」

応えながら改めて自分の作業服姿に気付いた。

 

「ウーン、この服どうするか」

私は照れ隠しに呟いた。

しかし現実問題、制服が無いから今更、仕方が無い。

 

内線を受けた大淀さん。

「呉と神戸からのお客様が上がって来られます」

「ああ出迎える」

 

私は、そのまま廊下に出て呉と神戸を出迎えた。

「ようこそ美保へ、私が司令です」

 

「え?」

「あ?」

お互い起立したまま作戦指令室の入口付近で軽く挨拶をした。

 

 私の作業服については結果的に、さほど心配する必要はなかった。挨拶もそこそこに神戸の参謀が言った。

「司令、神戸の提督からの指示で制服の替えをお持ちしました」

 

彼は風呂敷包みを差し出した。ああ、友人は約束を守ってくれたな、と思った。

 

 美保湾からの砲声と地響きが轟く中、空軍や海軍の戦闘機も盛んに鎮守府の上空を飛び交う。

 

黒い敵機も弓ヶ浜半島の上空を旋回し松林に隠された陸軍の高射砲攻撃を受ける。だが残念ながら陸軍の火力の効果は薄い。

 

 呉と神戸の作戦参謀たちは、しきりに双眼鏡で覗き無線を確認する。

 

若い神戸が言う。

「陸攻をぶつけると言うのは本省の作戦参謀の発案です。ただこの状況では期待した成果は上がらなかったようですね」

 

「やはりそうか」

私は返した。思った通り、あの陸攻は囮(おとり)だったか。

 

「多大な犠牲を払って敵の旗艦一隻とは残念な結果だな」

私より齢を重ねた呉の参謀が言う。それは同意見だ。

 

「ただ、そのお陰で山城さんの部隊が多少、敵の攻撃を防御する時間が稼げたようです」

大淀さんが状況説明をする。

 

「なるほど」

美保鎮守府としては感謝すべきか。

 

「しかし、この状況で本省と舞鶴組は無事に着水できるンかなぁ」

呉は心配そうに言った。確かに、敵の攻撃は一向に収まる気配が無い。

 

「まだ陸攻が2機旋回していますから、いざとなったらあれをまた、ぶつける気でしょう」

神戸が答えた。私はゾッとした。

艦娘が特攻するよりは良いが陸攻での特攻は、いい加減にして欲しいな。

 

そんな私の表情に気付いた彼は話題を変えた。

「そういえば私は艦娘が実戦で戦っている姿は初めて拝見します。なかなか強いですね」

 

呉も頷いた。

「うちの鎮守府にも戦艦大和と長門が居りますが、なかなか扱いにくうて」

 

そこまで言った呉は、この部屋に艦娘の祥高さんたちが居ることに改めて気づいた。

 

「おほん」

制帽に手をやって咳払いで誤魔化した。

彼のその所作は嫌味が無かったので、むしろ可愛らしかった。

 

事実、祥高さんたちはお互いに顔を見合わせて少し微笑んでいた。この呉の参謀は性格は良さそうだ。

 

「さて」

私は改めて戦況を確認した。

(やや押されているか)

 

このままでは、また陸攻に特攻させる羽目になりそうだ。だがそれは避けたい。

 

「うーむ」

私は腕を組んで思案した。着任したばかりでは右往左往しかないな。

 

そのとき寛代が呟くように言った。

「もうすぐ大艇が来るよ。いま由良沖」

「来たか本省」

 

無線封鎖され向こうからの直接連絡は入らない。

(これもまた、じれったいな)

 

「無事を信じるしかないか」

 

 

以下魔除け

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※これは「艦これ」の二次創作です。

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PS:「みほちん」とは

「美保鎮守府:第一部」の略称です。

 


 
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