第三話守護者への決意
北郷一刀が美蓮達家族の一員となってから三年がたった。
そこにまた新しき命が生まれた。
「おぎゃ~~~~~、おぎゃ~~~~~~」
刀「おお、生まれたか!よく頑張った、美蓮。」
美「はぁ、はぁ、と、刀夜、生まれたわよ。」
刀「ああ、見てみろ。こんなにも、可愛い女の子だぞ。」
美「ええ、私達に似ていて、可愛いわ。」
二人はそうやって二人で話しながら微笑んでいた。
美「刀夜、名前はどうしようか?」
刀「それなら美蓮が決めなよ。」
美「良いの?それなら、名は策、字は伯符、真名は雪蓮よ」
刀「そうか、良い名だ。雪蓮、お前の父であるぞ。」
雪「だっ、だっ。」
美「雪蓮、私がお母さんよ。私や刀夜のように元気に生きていきなさい。」
という二人は父親と母親の顔になっていた。
そのころ、中庭で、一刀は一人で訓練していた。
子供が持つのには大きすぎる日本刀を持って、練習用の木を相手に三歳児ではありえないような動きをしていた。なぜ日本刀を持っているかと言うと、自分が落ちていた所に一緒に落ちていたらし。それは、一刀が爺さんから受け継いだ刀であった。それ以来、それは、一刀がが使うということに決まった。
一「はぁ~、飛天御剣流龍槌閃!!」
と叫んだ後、空中へ飛び上がり、刀の威力に重力を加えた一撃を、脳天か肩口におろした。
一「ふう~大分自分の体に慣れてきたな。一時はどうなるかとおもったが良かった。」
そういいながら、刀を鞘にしまっていると、
祭「一刀様~~~~、どこですか?」
一「ん?祭ねえか。祭ねえ、こっちだよ!!」
祭「ここでしたか。一刀様!!ん?これは一刀様がやったのですか?」
と驚きながら聞いてきた。
一「それ?うん。俺がやったよ。それより祭ねえ、様はなしって言ったでしょ。」
祭「おお、これはすいません。しかし、一応人前ですので、勘弁してくださいませ。(しかし、これを一刀がやったとは、まったく本当に三歳児かの~。まさに神童じゃ。)」
と内心思っていたが顔には出さなかった。
一「それで、祭ねえ、はなんか用があったから、来たんでしょ?」
祭「そうじゃった、そうじゃった。妹が生まれたことを伝えにきたのでしたわ。」
一「そっか、とうとう生まれたんだね。じゃあ、行こうか?」
と言って二人は両親の部屋へと向かった。
部屋について二人の顔を見た一刀は少し顔を曇らせたがすぐいつもどうりにもどし、
一「母上、父上、ただいま、参りました。」
美「一刀~~~、あなたの妹の、雪蓮よ。抱いてみなさい。」
と言われ一刀は小さい体に抱いてみた。
一「うわ~、可愛いな。雪蓮、お兄ちゃんだよ。これからよろしくな。」
雪「だぁ、だぁ、・・・・・・・・・・・・zzzz」
美「あらあら、寝ちゃったわね。そんなに安心したのかしら。うふふ。」
刀「そうだな、一刀、お前がこれから守ってやるんだぞ。
といわれ、一刀は
一「うん、わかってるよ。俺の命に代えても守ってみせるよ。」
という一刀の眼は決意に満ちていた。
美蓮はそんな一刀を見て不安になった。なぜか、消えてしまいそうな雰囲気だったからだ。
中庭に戻りまたいつも通りの鍛錬へと戻った。そこに、自分とおなじ髪の色をした女性の祭が来た。
祭「一刀や、なんで、最初部屋に入る前に悲しい顔をしたのじゃ?」
一番気になった事を聞いてみた。昔から一刀は大人びいていて、子供らしくなかった。だが、今回は一瞬でも子供らしい顔をみて、祭は確信した。一刀は自分が本当の子供じゃないことを知っていることを。だからこそ、聞いてみた。
それを、聞かれたら一刀はビクッと震えた。
一「ッ、なんのことかな。祭ねえ?俺は雪蓮が生まれてうれしかったんだよ。」
祭「とぼけるでない。一刀よ。お主、自分が堅殿の本当の子供じゃないこを知っておっただろう。大方、本当の子が生まれて自分が捨てられるとでも思ったのであろ?」
一「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
一刀は図星を突かれたかのように苦虫をかんだかのように口をつぐんでしまった。
そんな、一刀を見て祭はため息をつきながらも、とてつもなく愛しいと感じてしまった。
祭「一刀、本当にお主は馬鹿じゃの。そんなことがあるわけもないだろうに。周りから何を聞いたかを知らんが、堅殿や刀夜殿がお主を本当の息子のように愛しているだろうが。」
そういいながら一刀を抱きしめた。
祭「のう、一刀よ。もう少し甘えてみてはどうかの。何を遠慮することをあるのじゃ。お主達は家族なのじゃぞ。遠慮して暮らす家族がいるわけなかろうが。確かにお主は天の御使いかも知れんがの、その前にただの男の子なのじゃ。だから、いい加減素直になってみろ。」
と言いながら、祭は一刀をきつく抱き締めた。その胸の中で一刀は声を殺しながら泣いた。それを柱の影から見ていた美蓮と刀夜は顔見合わせながら、苦笑いをした。
美「ねえ、刀夜。私たちって駄目な親ね。」
刀「そうだな。気づいてやれなかったな。あんなにも賢いなら気づいてもおかしくはないのにな。」
と二人は反省しながら、胸の中で泣く一刀を見てしっかりしようと思った。
一刀は泣きやみ大分落ち着いてから、祭に対して恥ずかしながらも顔を見て
一「祭ねえ、ありがと。少し気持ちの整理ができたよ。」
と言った。
そんな一刀を見た祭は安心したかのように微笑み、
祭「そうか、良かったの。もし、堅殿や刀夜殿が忙しかったら儂に甘えてもよいがな。」
と笑った。
それを聞いた一刀は赤面しながらもコクっとうなずいた。それから、祭の眼を真剣に見ながらお願いをした。
一「祭ねえ、俺に稽古付けてくんない。これからは雪蓮や、母上も父上もそれに祭ねえも俺が守っていかなきゃいけないし。俺は孫家を継げない代わりにそれぐらいはしないとな。だけど今のままじゃ、俺は誰も守れないからさ、お願い!!!!」
その真剣な顔に胸をうたれ祭は了承した
祭「わかった。しかし、儂は弓だから剣やお主の技は教えられぬ。基礎や気のちかいたで良いのか?」
一「うん。それで十分だよ。ありがとう祭ねえ。」
とうれしそうにしながら笑った。そんな一刀の微笑みをもろにくらってしまった祭は顔を赤くしてしまい顔を隠すので精いっぱいだった。それをみた一刀は調子でも悪いのかと思ったのはま別の話である。
そしてその夜、美蓮の寝ている隣に一刀も一緒に寝ていたらしい。それを見た美蓮はうれしくなり一刀を抱きしめながら深い眠りに入った。
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一日遅れの更新です。
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