天の御使いと空と大地の王 拠点パート1
天の御使い北郷一刀の一日目
いつものように目を覚ますと見慣れない天井があったが、変わらない朝の言葉があった。
銀霞「おはようございます、主」
雫「おはようございます~、ご主人様~」
一刀「おはよう、銀霞、雫、そうか昨日から華琳達の処に来たんだな」
そう此処は華琳の治める陳留にあるお城の一室、此処が昨日から自分たちに用意された部屋だ。自分の部屋より二倍近く大きいのには驚いたものだ。
銀霞「そろそろ朝の鍛錬を始めますか?」
一刀「そうだね、じゃあ着替えてから始めようか」
雫「でもご主人様~、替えの服なんてありませんよ~?」
一刀「!?そういえば、此処に来た時の持ち物の中には替えの服が無かったな」
銀霞「それなら今日の昼前にでも曹操殿に頼んでみてはいかがですか?」
一刀「そうだね、じゃあとりあえず今日はこのままで鍛錬をすることにするよ」
雫「では行きましょう~」
そうして城の周りを走りストレッチ、筋トレを行いいよいよ実戦訓練を始めようとした時。
???「なぜ貴様がこんな処に居るんだ!?」
一刀「うん、あ、春蘭か」
春蘭「貴様!!あまり私の真名を気安く呼ぶなと言ったはずだが!!」
一刀「昨日は承知してくれたはずだけど?」
春蘭「そんなの知らん!!貴様の思い違いだ!!」
華琳の命令は承知したいが、まだ自分の事を認めたく無いというところかな
一刀「じゃあ、どうしたら許してくれるの?」
春蘭「そんなの決まっている、私に勝つことが出来たら許してやろう!!」
一刀「よし、わかった、じゃあこれから試合をしよう」
春蘭「望むところだ!!」
一刀「銀霞に吠えてもらうから、そこから試合開始で良いかな?」
春蘭「そんなのはどうでも良い、どこからでもかかって来い!!」
銀霞「ワアオォォォ―――ン」
銀霞が叫んだ瞬間、春蘭の突撃が始まった。
一刀「どこが「どこからでもかかって来い!!」だよ!!全然待つ気ないだろ」
春蘭「うるさい!!戦闘は相手を倒せば良いんだ!!」
一刀(なるほど典型的な前衛タイプか、しかし夏候惇の名は伊達では無いようだ、彼女の攻撃は一撃一撃が重く鋭い、なら彼女の戦い難いやり方で戦うか)
彼女と2・3打ち合う間に今回やるべき戦いのスタイルを決めた。
夏候惇は驚いていた、北郷一刀の動きが変わり始めたからだ。
春蘭(くっ、どうなっているのだ、私の攻撃がすべて受け流されている!!)
一刀は夏候惇の攻撃を受け流しつつ、隙を作らせそこに容赦の無い一閃、突きや蹴りなどを放つことで徐々にではあるが、夏候惇を追い詰めていった。
雫(さすがに夏候惇もなかなかやるはね~)
銀霞(だがまだまだ主の方が強い、どうやら決着を付けるようですね)
一刀は白雪とかぐやを鞘に納めた。
春蘭「どうゆうつもりだ、貴様!!武器を納めるとは!!」
一刀「気にしないで、これでけりを付けるから」
春蘭「ふん、ならば我が最強の一撃でお前を倒してやる!!」
一刀「じゃあ行くよ!!」
夏候惇の最強の一撃それは盾もろとも敵を粉砕する一撃、対して一刀の攻撃は居合による一撃、お互い最後の一撃は力VSスピードの対決に成った。
最初に仕掛けたのは夏候惇、その一撃は一刀の目の前まで来ていた。その時夏候惇は自分の勝利を確信した。しかしその時夏候惇は見た、とても美しい「虹の軌跡」を!!
数十分後、夏候惇は自分が地面に倒れている事に気づいた、そして横には自分を討ち負かした北郷一刀が、自分を心配して覗き込んでいる姿があった。
一刀「良かった気がついたんだね、夏候惇」
春蘭「春蘭で良い、北郷」
一刀「わかった、認めてくれたんだね、春蘭、ありがとう」 〔種馬スマイル〕
春蘭「ふん、約束は約束だからな!!//」
そういって顔を少し赤くして、自分とは反対の方を向いてしまった。
春蘭「北郷、お前強いな」
一刀「春蘭も凄く強いよ」
そう言って春蘭の頭を軽くなでた。
春蘭「なななな!!!なにをするんだ――――////」
春蘭の容赦の無い右ストレートが鳩尾に入り、春蘭は顔を真っ赤にして立ち去った。
銀霞「主、大丈夫ですか?」
雫「ご主人様、ご主人様、ご主人様!!」
二人の声を聞きながら自分の意識がどんどん沈んでいくのがわかった。
目が覚めると太陽は真上に来ていた、どうやら2・3時間位気絶をしていたようだ。
そこえ華琳と秋蘭が現れた。どうやら春蘭は居ないようだ。
華琳「部屋に居ないと思えば、こんな処で寝ていたの?」
一刀「いや、鍛錬をした後に春蘭と試合をしていたんだよ」
華琳「そう、じゃあ試合は春蘭の勝ちかしら?」
一刀「いや、一応俺が勝ったよ」
華琳「やはりね、春蘭と秋蘭を相手に戦えていたから強いとは思っていたけど、さすがにこれは予想外ね、でもなぜ勝ったあなたがここに居るの?」
一刀「はははっ、何でだろうね・・・」
秋蘭「ところで姉者は何処に行ったのだ、北郷」
一刀「さぁ、知らないよ、何、探しているの?」
秋蘭「いや、この後町に行く約束をしていたのだが、まぁ、多分城に居ないのなら、もう既に町に行ったのだろう」
一刀「そうか町か、あ!!そうだ華琳、お願いしたい事があるんだけど良いかな?」
華琳「ええ、何かしら?」
一刀「実は、俺がこの世界に来た時服が今着ているこの服だけで、だから動きやすい服を2・3用意して貰えないかな?」
華琳「その程度なら良いは、それじゃ秋蘭この後町に行くと言ったわはね、なら一刀を町に連れて行くついでに、町を案内してくれるかしら?」
秋蘭「はい、かしこまりました!!」
一刀「え、別に良いよ、これから休みだろ、なら態々自分に付き合う必要はないし」
秋蘭「ほう~、北郷は私と町を歩くのは嫌なのか、なら仕方がない」
一刀「嫌そんなことはない、秋蘭みたいな美人と町を歩けるなら男としてうれしいに決まってる、ただ秋蘭の迷惑になりたくないだけです」
秋蘭「なら大丈夫だな、私は別に迷惑では無い」
一刀「わかった、じゃあお言葉に甘えさせて貰うよ」
秋蘭「では華琳様、行ってまいります」
華琳「ええ、行ってらっしゃい、秋蘭それに一刀」
そして秋蘭と一緒に町を案内して貰いながら、買い物をする事になった。
春蘭「ここの本屋はなかなか品揃いが良くて、向かいの飯屋はおいしくてお勧めだぞ、そしてこの道の端に大きな服屋が有るからそこで服を買うと良い」
一刀「なるほど、じゃあ、ちょうど昼時だから、そこの店で食べて行こうかな?」
秋蘭「そうだな、ちょうど私もお腹が空いたころだ、北郷、一緒にどうだ?」
一刀「秋蘭が良いなら一緒に食べたいな」
秋蘭「よし、では行くか」
店の中は昼時とあってなかなかの込み合いだった。
店主「いらっしゃいませ!!」
給仕「いらっしゃいませ!!」
秋蘭「二人と二匹だが席は空いているか?」
給仕「大変申し訳ございません、ただいま込んでいますので相席でも宜しいですか?」
秋蘭「この込み合いなら仕方ないか、北郷はどうだ?」
一刀「俺達は全然構わないよ」
給仕「ではこちらにどうぞ」
そこで秋蘭が相席になる相手に挨拶をしようとしたが、その相手が、
秋蘭「姉者!!」 春蘭「秋蘭!!」
そう春蘭だった。
一刀「春蘭だったのか」 春蘭「・・・北郷////」
春蘭は俺が居る事をしると、顔がほんのり赤くなったように視えた。
一刀「どうした春蘭、なんだか顔が赤いようだけど、体調でも悪いのか?」
そう言っておでこに手を当てようとしたら。
春蘭「ういぇ!!だ だ だ 大丈夫だ!!」
そう言って勘定を机の上に置いて、立ち去ってしまった。
一刀「なんだったんだろう?」
秋蘭「さ~、あんな姉者を見るのは初めてだ」
そう言って少しの間二人で呆けてると、「ご注文はお決まりですか?」と給仕が来たので秋蘭が自分たちの分も注文をしてくれた。
そして数分後、ライス4つに、チンジャオロース、ホイコーローに麻婆豆腐などが席に置かれた。そこで俺は銀霞と雫のためにおかずを取り分けたあと、自分の食事をしながら秋蘭と話をした。
秋蘭「そういえば、北郷は試合で、どうやって姉者に勝ったのだ?」
一刀「うん、簡単に言うと、試合で春蘭の苦手な戦い方をしただけだよ、でも春蘭なら何度か試合をするうちに慣れてくると思うけどね」
秋蘭「姉者の苦手な戦い方?」
一刀「そうだな、今回は春蘭の攻撃を受け流しただけだよ」
秋蘭「なるほど、それで姉者は自分の攻撃が当たらない事で、どんどん焦って自分の戦いが出来なくなったというところかな?」
一刀「さすがだね、秋蘭、春蘭の事が解っている」
秋蘭「あの姉者だからな」
一刀「違いない」
こうやって談笑などをしながら楽しく食事をした。
秋蘭「そろそろ食べ終わった頃だな、では出るとするか」
一刀「そうだね、じゃあ行こうか」
秋蘭が会計を済ませようとして、並んで待っていると。
一刀「秋蘭何か聞こえないかい?」
秋蘭「さあ、何かあったのかもしれないな」
一刀「そうだ、少し見てくるね!!」
そういうと声の聞こえた方に走り出した。
秋蘭「おい北郷、待つんだ!!」
声の聞こえた方に行くと数人が言い合いをしていた、そこで俺は周りの人に事情を聞いた。
一刀「いったい、何があったのですか?」
民「はい、どうやら町のゴロツキに女の子が絡まれたようです」
一刀「町の警備の者はどうした?」
民「別の人が呼びに行ったのですが、もう少し掛かると思います」
一刀「そうか仕方がない」
そういって俺は言い合いをしている集団に向かって歩きだした。
女の子「汚い手を放しなさいよ、このカスデブ!!」
ゴロツキA「なんだとー、本当生意気なガキだな!!」
女の子「何よ!!最初にぶつかって来たのはアンタたちの方でしょ!!何で私が謝らなきゃならないのよ!!」
ゴロツキB「はあ~、こっちはお前がぶつかったせいで服が汚れて、もう着れない!!だから金を出しゃあ、ここは穏便に済ませてやるって言ってるだろ!!」
女の子「何が穏便よ!!元から汚い服着ていたくせに!!あんたたちにお金をあげるくらいならドブに捨てた方がマシだは!!」
ゴロツキC「くそ、生意気言いやがって!!痛い目に合してやろうか!!」
女の子「何よ!!これだから男って嫌いなのよ!!すぐに暴力で解決しようとするし、女を見たらすぐいやらしい事しか考えないのだから!!本当死んでくれないかしら!!」
ゴロツキA「もう我慢できね!!」
そう言ってゴロツキの一人が腰にさげた剣を取り出した。
ヒュッ カン!!
しかしその剣は女の子に突き付けられる前にゴロツキの手から無くなった。
ゴロツキB「誰だ、貴様!!」
一刀「通りすがりの町民さ!!」
ゴロツキC「くそ!!邪魔しやがって!!」
残りの二人も剣を引き抜こうとしたので一撃ずつ入れて軽く気絶させ、最初に剣を出そうとした男の喉元にかぐやを突き付けて言った。
一刀「良いか、お前たちが持っている剣は人を殺す事が出来る物だ、それを抜くという事は相手を殺すという意味だ、だからそれを抜いた今、俺に殺されても文句は言えないな!!そこのところわかっているのか!!」
ゴロツキA「わかった、俺たちが悪かった、どうか助けてくれ!!」
一刀「ふん、ならすぐにそいつ等を連れてここから立ち去れ」
そう言い終えるとゴロツキ達は居なくなった、そして俺は振り返ると女の子の所に行きその女の子に軽くゲンコツをした。
女の子「痛っ!!何すんのよ!!あんた!!」
一刀「勇敢なのは認める、だが勇敢と無謀を履き違えるな!!」
女の子「う!!何よ、何よ!!男のくせに私に説教してくれて!!ふんだ!!」
そう言って女の子も何処かに行ってしまい、周りの人も散り散りに解散し、残った俺はようやく到着した警備員に事情を説明し、秋蘭に謝り、また買い物の続きをした。
そしてようやく服屋に着き、動きやすい服を何着か揃え外へ出た頃には空が暗くなり始めようとしていた。
秋蘭「もうすぐ暗くなるな、今日は戻るとするか」
一刀「でも今日秋蘭は、買い物をしに町に来たはずだよね?」
秋蘭「今日は姉者の買い物をする予定だったから、私個人の買い物をするつもりは無かったから、北郷は気にするな」
一刀「でも、う~ん、あ、そうだ!!」
俺は良い事を思いついた。
一刀「秋蘭悪い、少し待っていてくれないかな?」
秋蘭「別にかまわないが」
そう言って俺はまた服屋の中に戻ってすぐに出てきた。
一刀「お待たせ秋蘭、これ今日町を案内してくれたお礼」
秋蘭「これは!!どうして?」
一刀「だって俺が服を選んでいた時何度か見ていただろその髪止め」
秋蘭「いや、確かにこの髪止めは、装飾が少し気に入っていたが、見てのとうり私は髪が短いから、だからこれは使えない」
一刀「別に今使う必要は無いから、これは何時か髪を伸びた時にでも使ってくれ」
秋蘭「わかった、ありがとう、北郷、これはその時まで大事にするよ」
そう言って微笑んだ時の秋蘭はとても可愛かった!!見入って仕舞うほどに。
秋蘭「どうした、北郷?」
一刀「いや、ただ可愛いなと」
秋蘭「ふん、お世辞を言っても何も出ないぞ」
一刀「お世辞なものか!!本当に可愛かったよ!!」 (種馬スマイル)
秋蘭「う、ほら喋っていないで城に戻るぞ!!////」
一刀「あ、待ってよ、秋蘭」
俺は足早に城へ帰る秋蘭の背中を追っかけた、その顔がほんのり赤くなっていたとは知る事が出来なかった。
懺悔
まずはこの拠点パート1のタイトル「天の御使い北郷一刀の一日目」は一刀が天の御使いとしての生活一日目を意味します。そして本当は華琳を最初に書きたかったのですがどうしても夏候姉妹を書かないと華琳に行けないという事に気づきこうなりました。次回も拠点パートを書いてその次に本編に行きます。あと作品の紹介の所でも書いたと思うのですが今回から一刀の話し方を変えました。本当は最初敬語しか話さなくて徐々に敬語が取れていくつもりだったのですが、自分が敬語をあまり使わないせいで変なしゃべり方になってしまい本当に申し訳ございませんでした。前の作品の方も近い内に直しときます。
ではここまで読んで下さった皆様本当にありがとうございました。これからも頑張って書いていきますので応援よろしくお願いします。
PS.「空と大地の王」シリーズ以外で書いた「世界の破壊者」の方なんですが応援して下さる方がいらっしゃるのでこちらも書いていこうと思います。もし宜しかったらこちらの方も暇がありましたら是非読んで下さい。ではまた次のお話で会えたらお会いしましょう。
Tweet |
|
|
39
|
0
|
追加するフォルダを選択
今回は拠点パートになります。
そして今回から一刀の話し方を変えました。
理由は変なしゃべり方になるからです。
この前の作品も近い内に手直しします。
それではまた誤字・脱字がありましたらご指摘お願いします。