Side:波才
やっと、ふたりきりで話せるわ。
でも、何から話したらいいでしょう?
ここまで、事がうまく進むなんてね……
「どうしたん?何か、僕に用があったんやろ?」
「そっ、そうなの!夜遅くに呼び出して、ごめんなさいね」
「ええよ~、波才さんの事をもっと知りたかったし」
えっ!!もっと知りたいって……///
はぅ~。この際だから、実情を教えちゃった方がいいかしら?
後で、ややこしくなるよりいいわよね。
「実は、黄巾党に入ってるのも親友が黄巾党で強制労働させられてるのよ。
それでね、私が内情を探って助けようと思ったんだけど……」
「もしかして、黄巾党の奴らにばれたんか?」
「いいえ。でも、疑われ出して動きにくくなったのは確かね。
その強制労働をさせられている親友の妹が、奴らの砦の中で人質として捕えられているので。
こちらが動きづらいという現状を考えれば、私だけでは助ける事もできないでしょう」
「ほむぅ」
「もし、樹夜さんがこの件に協力して頂けれるのなら
その後に、樹夜さんに降ってもいいでしょう」
「えっ、昼食の時に言ってたのは何やったの?」
「あれはね、無理矢理にでも口実をつけないと樹夜さんにお話をできないと思ったからです」
「そやなぁ、いきなりの事で信じられるわけもないしなぁ」
「そう、口実をつけて話す機会を得なければ始まらないのです。
昼食時では、御供の女性が気が立って話どころでは無かったですしね。
今も扉の外にいるでしょうから、呼んであげてはどうでしょう?」
「えっ!!そうなんか?!」
「うっ、すまないな。樹夜の事が、どうしても心配でな」
「でも、駄目やで。聞き耳を立てるのは、あんまり良くない事やよ?」
「うぅ、二度とせんから心配するな。
それにしても、波才よ。私達に武を貸してほしいなら早く言わんか!」
「そうやで?波才さん、僕達はこれから起ころうとしている乱世に向けて仲間を探してるんや。
でも、目の前に困っている人おったら救いの手を差し伸べる。腐りきった官の悪政を終わらせて、民に安寧をもたらす為に!!」
可愛い青年としか思えなかったけど……こんなにもしっかりとした信念と意志を兼ね備えて持っているなんてね。
「樹夜さん、貴方に私の真名を預けます。真名は、菖蒲と言います。
この身を貴方に捧げます」
「ふみぅ///そ、そんな、急に言われても///」
「んー?樹夜よ、真名を預けるとはそれほど覚悟というものだ。私は、仲間に入れてやっていいと思うがな」
あらあら、意外な方からの推薦が来ましたね。
これで、労せずに樹夜さんの傍に居られますね。
「はぃ///ええよ、僕は真名はないけど樹夜っていうのが真名になるかな?私生活では、僕の事は樹夜さんのままでええからね?」
ふふっ、樹夜さんの照れてる顔も可愛らしいわぁ♪
これから、毎日が楽しみです♪
「わかりました。樹夜さん、これからよろしくお願いしますね♪
明朝に、私の仲間を紹介いたしますので。今日はもう遅いですし、一緒に寝ましょうか」
「えぇ///」
「な、何をいっておる!波才よ、私が許さんぞ!」
「太史慈さん、私の事は真名でよろしいですよ?」
「お主も、神楽と呼べば良い。仲間ならば、気軽な方がよいからな。だが、添い寝を許すわけにはいかぬ。
それは、私の役目であるからな!!」
やはり、神楽さんも樹夜さんが好きなようですね。
「神楽さんも、一緒に添い寝したらどうでしょう?」
「はぁ~、今回ばかりだからな!」
「さぁ、それはどうでしょう?ふふっ……」
「うぐぐ……」
「僕の意志はないんやなぁ……」
そんな3人の夜は、川の字に樹夜を真中として眠りにつくのであった。
あとがき
少し幕間の様な感じにしてみました。
次回は、少し多く書ければなぁと思います。
乞うご期待を!
P.s 黄巾党のお話が落ち着いたら、リクエストSSを挟みたいと思います。
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今回のお話は、波才がメインのお話です。