――――陳劉――――
あの事件から一週間ほど経った
盗賊たちがなぜ団結していたのか
誰が手引きしたのかもわかっていない
問題は山積みだが、他にも問題はあった
それは……
春蘭「アリサー!!手合わせするぞー!!!」
扉を吹き飛ばす勢いで夏候惇こと春蘭が入ってきた
「(はぁ、今日も来たのね…)春蘭、もう少し静かに入ってくることはできないの?」
春蘭「そんなことは知らん!行くぞ、アリサ!」
あれから毎日、春蘭と手合わせさせられている
いい加減、毎日だと疲れるのでやめてほしいんだけど、あの後…
「春蘭、ここで見たことは誰にも言わないでいてくれる?」
春蘭「なんでだ?まあ、どうしてもと言うなら言わないぞ」
「Thank you♪助かるわ」
―――その後
華琳「春蘭、あなた達はどうだったの?」
春蘭「アリサがすごかったです」
華琳「?どうすごかったの?」
春蘭「それは言えません。言うなと言われているので」
華琳「そう(あの春蘭が私の言うことを聞かないなんて)
なら、アリサは私たちを鍛えること」
「え?なんでそうなるの?」
いきなり話を振られて、その振られた内容にも驚く
華琳「あたりまえじゃない。あなたの秘密を聞かないであげるのよ。それぐらい当然じゃない」
「(うっ、あの笑みは拒むことを許さない気ね)いいわ、わかったわよ」・・・・・・
――――回想終了
「(あんなこと言っちゃった、あの時のアタシを恨むわ~)」
春蘭「どうしたんだ?早く行くぞ!」
「いいけど、今日は一回だけね。」
春蘭「むっ、なんでだ!」
「嫌なら、明日からは手合わせは春蘭以外としかしなくなるけど」
春蘭「うぐぅ、仕方ないな。行くぞ!」
そして――――
「はいっ!おしまい!」
いつもよりは粘ったが結局やられてしまう春蘭
春蘭「くそ~、もう一回だ!」
「ダ~メ、今日は一回だけって言ったでしょ?」
春蘭「うう~~~」
「(そんな捨てられた子犬みたいな顔されたって今日は疲れてるからダメよ)じゃあね~」
「久しぶりの休日ね~今日は秋蘭に氣の鍛練にも付き合わされないし、街にでも出てパァッとしようかな♪」
一人で今日どうするか楽しそうに考えていると
華琳「それは楽しそうな計画ね」
上がっていたテンションは急降下し始める
「か、華琳…?」
華琳「なにかしら?」
「アタシに御用がオアリデ…?」
華琳「ええ、そうよ。それが?」
「(Good byeアタシの休日……)アタシに拒否権は…?」
華琳「ないわよ」
「(なんか、当り前のように即答された~)」
少し前の話に戻るけど、一番の問題はこの覇王様だった
春蘭と秋蘭にだけ、装備品を渡していたのがバレ
人一倍、いや、人一万倍、嫉妬心が強い覇王様にさんざん仕事という名のいじめを受けていた
「(はぁ、今日もかぁ…)わかったわ。それで今日は何をするの?」
華琳「今日は鍛錬に付き合ってちょうだい」
「へ?」
いつものように無理難題を出されると思っていたので、まともな事を言われ驚く
華琳「へ、じゃないわよ。アリサには、私たちを鍛えてもらうって言ったじゃない」
「(華琳が使ってるのって、鎌だっけ?)そうだけど、なんで?」
華琳「あなた、鎌を使うでしょ、だからよ。わかった?」
「Ya!いきましょ」
――――中庭――――
中庭には、春蘭と秋蘭もいた
華琳「本当に真っ白なのね。綺麗だわ」
「そっか、初めてみるのよね。でも、なんでドクロがそれには付いてるの?」
華琳「知らないわよ!母様が消えてしまう前にくれたんだから」
「始める前に聞くけど…華琳の鎌って、『絶』だったりする?」
華琳「そうよ、それがどうかしたかしら」
「それじゃあ、使い方は自己流?」
華琳「いいえ、母様の使い方を真似ているだけよ」
「そう。春蘭、いつでも戦えるようにしておいてね」
春蘭「お、おう」
「それじゃあ華琳、Ready set・・・・Go!」
かけ声をかけると同時に一気に間合いを詰め、鎌を逆手に持ち、横に一回転して斬りかかる
ブンッ…ヒュン
華琳「なっ!くっ」
逆手に持っているので、普通とは違うタイミングで攻撃がいく
ガキィンッ……ボロッ
なんとか初撃を絶で防ぐが、ドクロが欠ける
「覇王の力はそんなもの?まだいくわよ」
鎌を回し、自身も常に動きながら一撃、また一撃と攻撃を繰り出す
そのすべてが予想外の軌道を描き、通常とは違うタイミングで襲いかかる
華琳「くっ、さっきからもう…うっとうしい!」
なんとかすべて防いでいるが、防ぐたびに絶が欠けていく
「守ってばかりじゃ、勝てないわよ。ほら、きてみなさい!」
攻撃を今までしなかったわけではない、できなかったのだ
しかし、今なら攻撃できる
そう思い、全力で斬撃を繰り出す
華琳「はぁぁぁぁ!」
華琳は絶を使い猛攻を仕掛けてきている
どれも鋭く、速いが所詮は正攻法であり、鎌の戦い方をしていない
「(ちょっと、ヒントを出そうかな?)アナタは一人で戦うつもり?」
華琳「何を言ってるの?」
突然の言葉に攻撃の手を少し緩める
「そんなのが、真似た戦い方なんて、アナタの母親も大したことなかったのね」
華琳「なん…ですって!」
春蘭「アリサっ!お前~!」
秋蘭「待つんだ、姉者!アリサは何かを考えているようだぞ。
先程から華琳様のことを真名で呼ばなくなっている」
春蘭「そうなのか……」
華琳「アリサ、いくらあなたでも母様を侮辱するのは許せないわ」
「なら、アタシを倒して御覧なさい!」
華琳「わかっているわ!(でも、どうしたら……)」
力を貸してやろうか?
華琳「(だ、誰!?)」
オレの名は『絶』お前が使ってる鎌の中に宿る龍だ
華琳「(龍!?そんなのありえないわ!)」
奴も言っただろう?一人で戦う気か?って
華琳「(はっ!アリサは気づいていた?でもそんなことはどうでもいいわ!
力を貸して!絶!)」
そうか。なら、がんばって耐えろよ!曹孟徳よ!
華琳から発せられる覇気がさっきまでのものと変わった
「(いきなり、力を解放しちゃったのね。ねぇ、滅?絶を止められる?)」
絶の兄貴は、兄者しか止められないが、それは完全状態の時
今の絶なら止められるぞ、お姫様
「(っ!その呼び方はしないでって言ったでしょ!いいわ、準備しておいて!)」
了解!
アリサは先程よりも速い攻撃を繰り出した
が、それを防ぐのではなく、その上をいく攻撃で華琳は返す
なんとかその攻撃を避けると
ドンッ!―――――――
一瞬大気が震えた
華琳が手に持つ『絶』は一回り大きくなり、鎌の刃が反対方向にもあらわれ
まるで、翼のようになった
春蘭「秋蘭、私の目がおかしくなったのか?華琳様の絶の形が変わっているように見えるのだが」
秋蘭「大丈夫だ、姉者。わたしにもそう見えている」
春蘭「いったい何で…?」
華琳「(体が勝手に動く?ダメ、意識まで持っていかれそう。でもすごい、私が思っていた戦い方
と全然違う。けど、これが絶の使い方…)」
さすが覇王、まだ気を失ってないか。お前が気を失わない限り、限りなく強くなれるぞ
華琳「(もし、気を失ったら?)」
さあな、強くなった代償を払うことになるかもナ
華琳「(そん…な…こと…)」
さっきから華琳の動きに無駄がなくなり、攻撃がありえないものに変わっていく
「(もうすぐ華琳の気が持たなくなるころかしら?さすがにきつくなってきたわ)」
なら、オレを使えばいいじゃん。・・・あっ、そうかあいつの限界まで付きやってやるつもりか
「(そういうこと、それにアンタ使うとまだ使いこなせてないから疲れるの)」
そうか、ならがんばれ!姫
「(アンタへし折るわよ!)」
そ、そんなことより前、前!
前からは同時に二つの斬撃が飛んで来ていた
その後も、絶え間ない連続攻撃が襲ってくる
それは、翼を羽ばたかせる度に風もとい、斬撃が来るようだった
「(さすが、龍の翼………龍剛神ゼツってところかしら。
あっ、華琳が完全に気を失った。急いでゼツを止めるわよ、滅!)」
見てろよ!この龍靱神メツの力を!
次の瞬間には、アリサの持っていた滅は刃が長くなり、同じ方向にもう一本刃があらわれ、さらにはその二本の先の間にもう一本刃があらわれた
そこから繰り出される攻撃は龍の尾のようにしなやかで、力強く、ありえない軌道描いていく
両者の戦いは壮絶を極めた
両者は同じ鎌を使っているはずなのに、戦い方が全くと言っていいほど違った
防ぐ動作はなく、攻められたら攻め返すそんなものだった
一旦、両者がお互いに離れた時、アリサは春蘭の隣にいた
「アタシが引きつけて押さえておくから、後ろから回って押さえて!いい、わかった?」
春蘭は、覇気に中てられ全身汗をかいていたが、そんなことはお構いなしに言う
春蘭「か、華琳様は大丈夫なのか?」
「速くしないとやばいかも。だからやってくれる?」
春蘭「あたりまえだ!そっちは頼んだぞ!」
「いくわよ~3,2,1…GO!」
中途半端なところで終ってすみません。
やっぱり今度は週一ペースじゃなく、もっと早いほうがいいですか?
そのあたりのことがまだ分かってないのでコメとかで言ってもらえるとありがたいです
では、次回、舞龍伝第壱拾章
華琳とアリサの武器に隠された秘密とは?
ついに黄巾党が現れ始める!?
そんなときに決心をする御使い三人
お楽しみに~
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やっと梅雨が明けたと思ったら、暑い日々が続きますね~
夏バテしないようにしたいですね。
さて今回は、魏sideです
謎の盗賊たちの一致団結の裏は?
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