No.865163

真・恋姫†無双~貞操逆転伝~0

KTKさん

一風変わった恋姫の世界に転がり込む一刀。

そこでは男女の貞操観念が逆転していた!

女性は狼、男は羊、一刀はどう生きるのか。

2016-08-24 00:42:36 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:12985   閲覧ユーザー数:12249

 

どーも、北郷一刀です。

 

何か身体がくすぐったいので、目を開けてみたら綺麗な女の子三人が俺の上着を剥こうとしてました。

あっ、目が合った。おお……みるみる内に三人の顔が真っ赤に染まっていく。と、一人が鼻血をうわぶっ!

 

 

 

 

 

真・恋姫†無双~貞操逆転伝~【序章 一刀、転移するのこと】

 

 

 

 

 

 

「「本当に申し訳ございません!」」

 

「も゛う゛じわ゛げござい゛ま゛ぜん!」

 

服を脱がそうとしていたこと、鼻血をかけたことを土下座して謝罪する先程の三人組。

正直そこまでしてもらわなくてもいいんだけど。特に鼻栓してる娘は酷い声になってるし。

 

「いや、あの、もう気にしてないから……はい」

 

「ほ、本当に気にしていないのか?」

 

「ええ。だからもう頭を上げて下さい」

 

俺の言葉に安堵したのか、息を吐く三人。

まあ、俺としても正直こんな綺麗な女の子に服を剥かれるのはご褒美の一種ですよ。

 

「だが無事で良かった。お主が倒れているのを数人の盗賊に囲まれているのを見て手遅れかと思ったが……」

 

「そーですねー。でも風達が助けた後に襲っては台無しですよねー」

 

「ぞれ゛は゛……ううん、それは言わないで下さい風。この御方も水に流してくれるというのですから」

 

あっ、鼻栓取った。鼻血止まったんだね、うん。

 

「ああ、御仁よ。申し送れたが、我が名は趙雲。字は子龍だ」と、青い髪の女の子が言った。

 

て、え゛っ……趙雲子龍ッ!

 

「風は程昱です。字は仲徳なのですよー」

 

「私は郭嘉。字は奉孝です。よろしくお願いします」

 

趙雲、程昱、郭嘉……全部三国志に出てくる有名な武将達の名前じゃないか!

えっ、でも何で女の子? 何で全員綺麗? 何で俺の服を剥こうとしたの?

 

「?? どうかしたのか? 我等の顔をジッと見て……」

 

ああ、色々なことがあり過ぎて頭がこんがらがってきた……。

とりあえず今やるべきことと言えば――

 

「えっと、北郷一刀です。一刀って呼んで下さい」

 

自己紹介、だよな。つーか今更ながら周りの風景、日本じゃねーな絶対ここ。

 

「一刀殿、ですか。良い名ですね」

 

「うむ。良い身体をしておったしな」

 

「星ちゃん……少し黙ってましょうか」

 

それと、何だろうか。三人から感じるこの違和感は。

それに悪寒……? まさかね、気のせいだろう。

 

 

 

 

 

成る程、成る程。歩きながら話を聞いてみて段々と分かってきたぞ。

まずこの世界には“真名”という物が女性にある。信頼した人にしか教えない神聖な物であるという。

迂闊に呼べば、その場で斬り殺されても文句は言えないらしい。良かった俺、迂闊に呼ばないで。

 

次にこの三人――趙雲さん、程昱さん、郭嘉さんは自分の仕える主を探して修行を兼ねての旅をしているとのこと。

まあ、このまま行けば俺の知る通り趙雲さんは劉備、程昱さんと郭嘉さんは曹操の元に仕えるんだろう。

 

将来敵同士になることを考えると、今眼の前で仲良く話をしている彼女達を見ると何か複雑だ……。

 

「しかし一刀殿は、変わった服を着ていますね」

 

「そーですねー。素材も特別製に見えますし、お兄さんもしかして異国の方ですかー?」

 

「んー、まあ、異国になるのかなぁ……」

 

どちらかと言えばここは異世界だろう。眼の前の貴方達を見たら、ねえ。

あー、それにしても暑くなってきた。こんな気温で長袖の制服は地獄だ。ちょっと脱いで、半袖になろうっと。

 

「ッ!? お兄さんッ!」

 

「ブホッ!?」

 

ん? 程昱さん何で顔赤らめて慌ててるの?

て、ちょっ!? 郭嘉さん鼻血、また鼻血! ああ、倒れたー!?

 

「一刀殿ッ! 貴殿は一体何を考えているのだ!」

 

趙雲さんが真っ赤に染まった顔で怒っている。

迫力は全然ないけど、俺何か悪いことした……?

 

「え? いや、暑いから上着を一枚脱ごうと……」

 

「無防備にも程がある! そんな格好でいたら……お、襲われても文句は言えませんぞ!」

 

「大げさじゃないですか? ほら、裸でいるわけでもないし……」

 

『おうおう兄ちゃんよぉ、会って間もない俺等を信用し過ぎじゃねえのかい? 分かったらさっさと服を着な』

 

何か……おかしい。違和感が段々と大きくなってきたぞ。

 

「あの~……つかぬことをお聞きしますが」

 

「その前に早く服を着てくれぬか。このままでは稟……郭嘉が大変なことになるのだが」

 

「すぐに終わりますから! あの、ここでの男性の立場ってどういう……?」

 

趙雲さんと程昱さんが不思議そうに顔を見合わせた。

 

「やはり貴殿は異国の方なのか? 男の立場など、昔から決まっている」

 

「ですねー。女性は活発に、男性は慎ましく。また女性は子作りに励み、男性は子育てに励む……」

 

「今の世、若い男はほとんど朝廷もしくは領主に取られているからな。残るは中年か老人だ。

 一刀殿のような若い男子、性欲溢れる我ら女子にとっては涎が出るほどの獲物なのだぞ」

 

え~……性欲溢れる女子って。慎ましい男って。

 

「だ、だからといって我らは一刀殿を襲う気なぞ無いからな! なっ!」

 

「星ちゃん……その焦り方は逆に不信感を煽るのですよー」

 

この世界……男女の性欲や貞操観念が逆転してるのか!

 

「なんてこったい!!」

 

 
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