No.85824

ずっとみてたよ 第3章〜一瞬の恋〜

ミサさん

第3章できました!
今回のお話は男の子を中心としたお話になっています。
2人の恋がはじまる瞬間を描いております。
どうか楽しんでください♪

2009-07-22 11:05:12 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:655   閲覧ユーザー数:616

 

【ずっとみてたよ】

 

プロローグ

 

彼女なし歴15年!!!

 

俺は生きてきた。

 

唯一、彼女なし歴15年の友達も昨日できたらしい。。

 

俺の周りはカップルだらけになっていた。

 

俺だってすぐに作ってやる!!!

 

って強がったりして。。

 

まず俺には「好きな女」ができない。

 

15年も恋しない男ってこの世にいるのだろうか…。

 

でも俺は今日、一瞬の恋をすることになる。

 

その頃の俺はまだ知らない。。

【ずっとみてたよ】

 

第3章 一瞬の恋

 

「よろしくなぁ、1年。」

俺の胸ぐらをつかみながら、そいつは言った。

俺はその手を力強く振り払った。

「っるせぇ…」

俺はそう言い残し、屋上をでた。

 

授業は適当に聞いて、そして放課後。

俺は一人で帰っていた。

いつものように、中学校の前を通って帰る。

すると…

「もー遅いなぁー、お兄ちゃん…」

ドキ…

中学校の校門の前で女の子が一人たっていた。

中学生だろう。

俺はその子を見たとき胸にあついものを感じた。

それから目がはなせないでいた。

その子は特別可愛いってわけでもなく、ただ普通の女の子だった。

けど、俺は何故かその子に惹かれてしまった。

きがつけばポケットから携帯を取り出し、ピロリン…盗撮をしていた。

ずっとみていたい…そうひたすら思っていた。

これを「恋」なんだと、初めて実感したんだ。。

俺に、小さな小さな恋物語がはじまろうとしていた。

 

この一瞬の出来事をどう話したらいいのだろうか…。

簡単に言えば俺はその子に「恋」をしたんだ。一瞬で。

一瞬で君の事を好きになっていたんだ。。

 

その日から、登下校中必ずその子を目で探すようになった。

あんまりジロジロ見てたら変だから、中学校を通るたび歩きながら、ちろっとその子を探す。しかし、あの日からその子は見つからず…俺はガッカリする毎日を送っていた。

そして気がつけば、10月の秋になっていた。

あれから4ヶ月もたっている。

それなのに、その子を見る事はなくて…。。

4ヶ月もたってるのに、その子を諦められなくて、次会えるのをひたすら楽しみにしていた。なんて寂しい男なんだろうって自分でもあきれるほどだ。

そしてある日。

雨が激しく降っている朝。今日はテストでいつもよりか遅く登校になり、学校に向かっていた。

俺は雨が嫌いだった。

髪の毛のワックスとれちゃうし、服も靴も傘さしてるからってぬれるし。

本当うんざりする。

だらだらと歩いていると、後ろから何かぶつかってきた。それとともに「きゃっ」っと声が聞こえた。

俺は後ろを向いた。

後ろにはぶつかって地面にお尻をついている中学生の女子だった。

「大丈夫?」

俺はその子に声をかけた。

「……はい…」

その子はそう言いながら顔をあげた。

その瞬間がスローモーションのようだった。

顔を見た時、俺はビックリして、眠たかった目がいっきに覚めた。

その子は、あの日の子だったんだ。

あまりにもびっくりしすぎて、俺の手から傘が落ちた。

雨の音だけが激しく聞こえる。

「あの…すみません…大丈夫ですか……?」

女の子はゆっくり立ち上がり、俺の傘を拾ってくれた。

「あ…ゴメン…ありがとう…」

俺は傘を受け取った。

「あ、なんか私のせいでぬれちゃいましたね…本当にごめんなさい。。」

今でも泣き出しそうな顔をして、下を向いていた。

それがまた俺の心をあつくさせた。。

「いや…大丈夫」と言おうとした瞬間…

ふわ…

その子は鞄からタオルを出して俺の顔を拭いてくれた。

「ビショビショになっちゃいましたね…その制服は私の中学校のすぐ隣の高校ですよね?私その高校すっごく憧れてるんです。」

その子は喋りながら俺を拭いて、そして笑った。

その笑顔はすっごく奇麗だった。

またその子に惹かれていた。

「プッ」

俺は笑った。

「えっ?!どうしたんですか!?なんか私変な事言いましたか??」

その子はすっごく不安そうにしている。

「お前…ぬれてる…」

そう、この子は俺を拭こうと必死で自分の事を忘れていた。

「あ…」

その子は恥ずかしそうに下を向いた。

その子の傘を拾って、俺は拭いてくれてるタオルを手に取って拭いてあげた。

女の子は黙って下を向いたままだった。

そして小さな声で「…すみません…」そう、かすかに俺に聞こえるぐらいだった。

「じゃーそろそろ行かないと…色々ありがとうな。じゃーまた…」

タオルをその子に返すと、俺は学校に向かった。

 

 

これが「俺」と「私」の出会いでした。。

 

 

 

 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
3
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択