ダリルの話を聞いたメンバーはそれぞれ自分の部屋に戻る
ダリルはこれからしばらく学園を休むらしい
だが彼女はマンジに狙われたにも関わらず生き残ったため、軍などへ情報を提供しなければならない。マンジについてのレポート作成などが待っているらしい
一夏が部屋に戻るとジュディスが待っていた
何やら野暮用で異世界に行っていたようだがいずれ話すと言い、一夏には詳しく話していない
「とりあえず今日は休みましょう。幸い私たちはすでに金色のフラッグを一つ取得している。少しだけ余裕があるはずよ」
その言葉に一夏はとりあえず納得して休むことにする
次の日、3名が2回戦を通過したという発表された
早いと感じながらも自分たちも急がなければという意識が皆に芽生えていた
その日の昼ごろ、とある地下のレストランにて話し合いが行われている
どうやら貸し切りにしているらしくこのレストランにいる人物はスタッフを除いて2名しかいない
その人物とは、神出鬼没で行方がつかめていないと言われているISの開発者、篠ノ之束
そして亡国企業のスコールである
「さてそろそろお話いいかしら? 私たちに専用機を作ってほしいのですが」
スコールが料理をばくばくと食べている束に話しかける
「ん~? お断りだね、料理に睡眠薬を盛るような人とはね」
お腹がすいていたのか色んな品を食べているが、一部の料理には手が付いていない
ピンポイントに薬が盛られたものだけを避けている
「そうですか、ではこっちにも考えがあります……オータム、お願い」
その合図共に入口からISを纏ったオータムが姿を現す。クロエを人質にとりながら
「こうでもしないと聞いてもらえないと思ったものですから。それでお返事は?」
「……クンツァイト、手を出さなくていいから」
スコールの言葉を無視して束はフォークを一つ持ち、オータムの方を向く
「は? 何を言って……」
その瞬間、武装していたオータムの右腕にフォークが突き刺さる
「……は?」
亡国企業のメンバーが一瞬呆気にとられる。だが、その一瞬で束の近くにクロエの姿があった
あの一瞬で、オータムから奪い返したのだ
「エム、やりな……」
「言われずとも……」
「遅いよ」
スコールがエムに指示を出そうとしたが、エムはそれよりも早くISを展開し、束に攻撃を仕掛けようとした
だが束は更に早くエムの懐に入り、即座に武装を解除させた
「……ふうん、君はエムって呼ばれているんだ……随分とちーちゃんに似ているね」
「だ、黙……」
「それとも~マドカって呼んだ方がいいかな?」
何故その名を
そう聞きたかったが、何故かできない
束の持つ何かに圧倒されている
「いいことを教えてあげるね。ちーちゃんには努力すればいつか勝てるかもだけど、いっくんには絶対に勝てないよ」
「ふざけたことをぬかすな!」
「おおう、怖い怖い。さて、私はもう帰るね。そうそう、ひとつ忠告してあげる……今の君たちのトップの言うことは聞いておいた方がいいと思うよ。死にたくなければね」
いつの間にか束は入口の付近に立っており、そのまま彼女は立ち去った
「どうやら私たちの目的を知っているみたいね……」
スコールの目的、それは束に専用機を開発してもらい、先日新しくトップになったエターナルに対抗するためである
エターナルに対して不満があるものは多い
そのため、幹部たちは彼女を失脚させようと考える
何かスキャンダルを考えたが、相手の情報がまるでないためこの案はボツ。結局実力行使となった
なるべく早く決行しようと考えたため、幹部たちで役割を決め、準備を始めていた
スコールたちは戦力の強化の担当
何の偶然か束とコンタクトがとる事が出来たため、依頼を頼もうとしたが呆気なく断られた
人質に取っていたクロエという少女を捕えるのにもかなり苦労した
オータムを含むスコールの部下、三人が必死になる事でようやく捕えることができるほどの実力の持ち主
要求を呑んでもらうための交換材料にしようとしたが全く意味をなさなかった
次の作戦を考えようと一度亡国企業の本部に三人は戻ることに
「遅れてすまない」
挨拶をしながらエターナル討伐のために用意した秘密の部屋に入ると
「お疲れ様。篠ノ之博士から専用機をもらうことはできなかったみたいですね?」
スコールたちは驚いた
まだ報告をしていない情報を知っていたこともそうだが、何より
出迎えた人物が倒すべき相手であるエターナル本人であることに
更に驚くべきことに部屋の中には大勢が倒れている
皆、エターナルに反逆しようとしたメンバーだ
「力の差を知らないって言うのは悲しいな。安心して頂戴、誰も殺していないわ。でも、もう逆らおうなんて思わないんじゃないかしら」
「さて、あなたたちはどうするの? さすがに戦う気はないでしょう? この光景を見れば」
楽しそうに話すエターナルの姿と再度部屋の様子を見てスコールたちは軽く絶望した
(ここにいる幹部たちは相当の実力者たちよ……国の代表に選ばれるくらいは勿論、世界大会でも上位を狙えるメンバーだったはず……それをこの女……ほとんどノーダメージで倒したというの!? 素手でも考えにくいけどISを武装した連中相手に……)
そう、エターナルには傷がほとんどついていない。更に部屋の周りにはISの武装が破壊され、その破片が散らばっている
これはISを誰かが使用したということだが、エターナルも使っていたかもしれないがもはやそんなことはどうでもいい
「裏切り者でも……いたのか? そうでなければ……」
説明ができない。そうマドカは考える
裏切り者がいて、エターナルに情報を流したりここでの戦いを援護したりすれば確かにノーダメージというのも可能かもしれない
「自分のメンバーを信頼できないなんて……マドカは悪い子ね。裏切り者なんていなかったわ、皆私一人で倒したのよ」
マドカに向けた言葉
彼女は仮面をつけているため、どのような顔をしているのか普通ならばわからない
だが、マドカにとって恐ろしい笑顔をしているように見え、恐怖しか感じられなかった
自分でも驚いているだろう
こんな恐怖を与えることができる人間がこの世にいたことに
「じゃあね。私は仕事に戻るわ。この部屋の片づけはあなたたちに任せるわ。けが人はさっさと治療しておいてね」
スコールたちの横をするりと抜けて部屋から彼女は出て行く
先ほどの言葉で固まっているマドカだったが、一つ強く目に焼き付いたものがある
彼女の右腰についていた赤銅の懐中時計
それが何を意味しているのか。ここにいるメンバーにはわかるわけがなかった
エターナルの自室
部屋の主が入るとすぐに通信端末が起動され、ある人物との会話が始まる
「様子はどうかしら?」
「エターナルか、申し訳ないが範囲が絞れない。恐らく果実の模様が足りていないからだろう」
「……ねえ、提案なのだけどマンジとハスタにあの場所で待ち伏せしてもらったら?」
「確かにそれが一番確実だな……私から伝えておく」
それで通話が終了した
「……私の願いが……叶う。これで全てを手に入れることができる」
エターナルは勝利を確信してにやけている
「すでに彼と私は2回戦を通過している。もう一人は誰か知らないけど些細なこと」
「後はIS学園にいる生徒達から果実の模様を奪い……そうすれば」
恐ろしい計画はもう止まらない
毎度、投稿が遅れて申し訳ありません。
エタらないようにしたいです。
次回はベルセリア発売までに頑張りたいです。
感想・指摘等あればよろしくお願いいたします。
今日明日はテイルズオブフェスティバル
楽しみです。
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あまり話は進みません。
今回で、パートナーがだれかわかるかもです